天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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破壊

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「何で?」

「落ちてきた時に、最初は怒っていたのにすぐ魔法陣を読み解き、脱出の魔法陣を書いたにも関わらず、書物を読み漁っていたから……」

「話と違う……苦労したって聞いてたのに。それよりもリアムさんはどう接触してきたの?」

「わからない……父と話してばかりいたから。私は自分が幻界のものと思ってなかった。常に魔界や天界にも行っていたから、自由に行き来できる程度にしか思ってなかったし、一時ここに住んでいたこともある。この研究施設に……殆どは幻界だったけど、私の中ではそういうものなのだと思っていた。天界の王子が死亡したと聞いた時は驚いたし、父はかなり動揺していた。でもすぐに王子の使者という人が来て父は研究を再開させた。あちらとこちらとでは時間が違うことは知っていると思うのだが、数年たち、私も知識がかなり身についた頃、研究がなんであるかを知った。それで眠っている間に体の中に何かを入れられ、いつでも殺せると脅されたのだが、結果は王子は死に残ったものは世界を救うものと聞いていた薬が、世界を破滅させる薬だと分かったことだけだった。私は……新しい王子にかけてみようと思った。噂では評判も良かったし。でも、私の考えがどこからバレたのか、前の王子の崇拝者たちがまた現れ、こんな事に……」

「そいつらが今やってることは知らなかった?」

「知らない。ただ、クローン再生計画がって話はしていた」

「それは、もう出来てるの?」

「前に何体か作って成功したと聞いているだけで、それ以外は私と父は監視されていたから」

「試験管の薬って知ってる?」

「試験管?」

「良いんだ。話してくれてありがとう。今日はゆっくり休んで。俺は今からまだすることがあるから」

「奏太様、檻に?」

「入れなくていいよ?あとお願い。俺あちらと連絡取らないと……」

そう言い、水晶をもって天幕を離れ魔界と連絡を取る。

「奏太、すまん。かなりの人数が流れただろう?」

「大丈夫だよ?それより試験官はそっちで見つかってない?」

「あったぞ?分からんかったから結月に任せようと思ってな。そっちは?」

「試験管の棚があった。こちらでも、下手に触るよりいいと思って結月さんに任せる方向で今棚ごと檻の中」

「そうか。こっちが片付きしだい天界に行く」

「わかった」

その後は天王や結月に連絡を取り、この檻に入れたもの達をどうするのかを聞いて通信を切り、天幕の中に盗聴防止の結界を張ってもらってサムとノアと話し合う。スフィには、天界での元の姿に戻ってもらった上で、嵯峨野さんの天幕の前で見張りを頼んでおいたので、アイスコーヒーを飲みながら聞いたことについて話し合う。

「俺の作った檻のまま運ぶことはできないらしくて、幻界からは結月さんとユーリさん。魔界からは魔王とルーカスさんニコルさんが明日の昼過ぎに一度こっちに来てくれることになってる。そのあとは幻界・魔界と天王と他一名が向かって転送してくれるんだって」

「これで全て終わると良いですね」

「終わらないと困るよ。それに、結月さんならきっと薬の事もすぐに解決してくれると思うし」

「その、転送の事は分かりましたが、あの女性はこれからそうされるのですか?」

「それは、元々幻界生まれでしょ?だから結月さんに任せようと思うんだけど。向こうの法律って言うか、ルールがわからないし……」
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