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正月
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宴も終盤。
お客さん達も半分ほど帰り、後半に来た人が盛り上がっているが、こちらは洗い物の片付けの量が凄く、三人でなんとか回っている状態。
ふと、外を見ると、ベージュのコートが見えた。すぐにノアを呼び、昨日の人じゃない?と入口に目を凝らしていると、ルーカスから聞いていたのだろう。ニコルが呼んできますねと入口に向かう。
「入れちゃっていいのかな?」
「何か策でもあるのでは?」
連れてきたニコルはニコニコとしており、カウンターに座った人は前と同じものをと言うので、ヘネシーと水を置く。
「中にいればむやみに入ってこれないでしょうし、彼にはコートを脱いでもらってます。それに隣には鬼の2人組で、外からは見えません。これなら、奏太様はいつでも逃げれる、相手は人外の匂いで気づかず入ってくる可能性が高い、彼は捕まえやすいと考えたのですが」
「頭いい!」
「坊主狙われてるのかあの女に」
「よく分からないんですけど、追いかけてきますね」
「まさかと思うが、そのものの一部を持っていないだろうな?」
「うちの犬がドレスを破ったので、服の切れ端なら部屋に……」
「まずい!あの女はそれを媒介にどこにでも行けるんだ!」
「でもうちには結界が張り巡らされているし」
「そんなものは、あいつには関係ないんだ。ここだと思って見張っていたが……」
「ま、まさか……俺の部屋に出没してないでしょうね?」
「可能性は90パーセント」
「嘘だーーーーー!」
つい大きな声を上げて座り込んでしまったが、その恐怖には耐えられない。
年末の最終日、明日は寝てカウントダウン&年明け番組みて、初詣に行って……
「俺の普通の生活めちゃくちゃじゃん!おじさん何とかならないの?」
「手はないことは無い」
「何?」
コトンと小さな瓶が前に置かれる。
「うまくこれさえ飲ませてくれれば何とか……」
何それ?と聞き、作戦を一応聞く。
もし、ムーのいる部屋。俺の部屋にいたらひとまず話をしようとお茶の中に小瓶の薬を一滴でもいいので入れて勧めて飲ませる。
どれだけの術者でも、飲めば五分は動けない。部屋の外で気配を消し待機しているので、作戦が成功したら取り押さえる。
「絶対!無理だと思う……って、俺の部屋に居たらムーが危ないじゃん!犬嫌いとか言ってたし」
「その時はスフィさんが本体に戻り守ってくれるかと。元に戻ればかなり大きい狼ですので」
「でも……」
ならば、とルーカスとニコルにあとは任せ、ノアとオジサンと屋敷に戻ることにする。
「もー!年末がこんなに忙しいなんて!」
車を飛ばしながら家まで急ぐ。着いてすぐに降りて部屋まで走ると、電気がついており、中ではエールラがムーを抱いていて、その前をスフィが守り牽制している。
「エールラさん!」
「奏太様。この方がいきなり入ってきて……」
「姉さん下がっていてください」と剣を出す。
「もう、乱暴ね。せっかく会いに来たのにお茶の一つも出ないの?」
「何しに来たんだよ?」
「初詣のお誘い?かな?」
お客さん達も半分ほど帰り、後半に来た人が盛り上がっているが、こちらは洗い物の片付けの量が凄く、三人でなんとか回っている状態。
ふと、外を見ると、ベージュのコートが見えた。すぐにノアを呼び、昨日の人じゃない?と入口に目を凝らしていると、ルーカスから聞いていたのだろう。ニコルが呼んできますねと入口に向かう。
「入れちゃっていいのかな?」
「何か策でもあるのでは?」
連れてきたニコルはニコニコとしており、カウンターに座った人は前と同じものをと言うので、ヘネシーと水を置く。
「中にいればむやみに入ってこれないでしょうし、彼にはコートを脱いでもらってます。それに隣には鬼の2人組で、外からは見えません。これなら、奏太様はいつでも逃げれる、相手は人外の匂いで気づかず入ってくる可能性が高い、彼は捕まえやすいと考えたのですが」
「頭いい!」
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「よく分からないんですけど、追いかけてきますね」
「まさかと思うが、そのものの一部を持っていないだろうな?」
「うちの犬がドレスを破ったので、服の切れ端なら部屋に……」
「まずい!あの女はそれを媒介にどこにでも行けるんだ!」
「でもうちには結界が張り巡らされているし」
「そんなものは、あいつには関係ないんだ。ここだと思って見張っていたが……」
「ま、まさか……俺の部屋に出没してないでしょうね?」
「可能性は90パーセント」
「嘘だーーーーー!」
つい大きな声を上げて座り込んでしまったが、その恐怖には耐えられない。
年末の最終日、明日は寝てカウントダウン&年明け番組みて、初詣に行って……
「俺の普通の生活めちゃくちゃじゃん!おじさん何とかならないの?」
「手はないことは無い」
「何?」
コトンと小さな瓶が前に置かれる。
「うまくこれさえ飲ませてくれれば何とか……」
何それ?と聞き、作戦を一応聞く。
もし、ムーのいる部屋。俺の部屋にいたらひとまず話をしようとお茶の中に小瓶の薬を一滴でもいいので入れて勧めて飲ませる。
どれだけの術者でも、飲めば五分は動けない。部屋の外で気配を消し待機しているので、作戦が成功したら取り押さえる。
「絶対!無理だと思う……って、俺の部屋に居たらムーが危ないじゃん!犬嫌いとか言ってたし」
「その時はスフィさんが本体に戻り守ってくれるかと。元に戻ればかなり大きい狼ですので」
「でも……」
ならば、とルーカスとニコルにあとは任せ、ノアとオジサンと屋敷に戻ることにする。
「もー!年末がこんなに忙しいなんて!」
車を飛ばしながら家まで急ぐ。着いてすぐに降りて部屋まで走ると、電気がついており、中ではエールラがムーを抱いていて、その前をスフィが守り牽制している。
「エールラさん!」
「奏太様。この方がいきなり入ってきて……」
「姉さん下がっていてください」と剣を出す。
「もう、乱暴ね。せっかく会いに来たのにお茶の一つも出ないの?」
「何しに来たんだよ?」
「初詣のお誘い?かな?」
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