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人間界1
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「じゃあ、俺戻るからここでゆっくりしてたらいいよ。じゃあね」と立ち上がり、ムーに行くよと言って席を後にする。
「待って!こんな所に女の子1人置いていくと副社長としての立場が悪くなるんじゃない?」
「俺、そう言うの気にしてないから」
ノアにも早くと急かしその場を後にして、すぐに裏の待機室へと向かう。
「ノア……俺に見合いは無理だよ」
「ですが、お断りするのにも姫の許可が必要になります」
「でも、ムーが人じゃ無いって。だからずっとどの界の人なんだろうって気になってたんだよね。まだリアムさんの事もあるし」
「そうですね……ムーさん、何か感じました?」
「んー!何にも!」
「なんにもってお前……」
「でも、匂いは人間じゃなかったのはわかったよ?スフィ君ならもっとなにか分かったかもしれないけど。スフィ君の方がもっとお鼻がいいもん」
「そうなんだ」
話していると、係の人から結月が探していると言われたので、ホールに戻ると、みんな料理やお酒などを持って談笑しているところだった。
「何?」
「何でいなくなるんだ?探すの面倒だろ?」
「だって……」
「あのねー。お見合いの人が人間じゃなかったんだよー?」
「は?そんな気配は感じなかったが」
「でも違ったのー」
「ムーは各界の血が入ってるから、どこの者か分かったのか?そこら辺の犬より敏感なはずだが」
「分かんなかった……でも、違ったの!」
「そこまで言うならそうなんだろう。魔力も感じなかったから、もしかしたら薬かもな」
「そっか!薬なら消せるよね……あのさ、見合い断っていいでしょ?それ言ったら、結月さんが困るんじゃないかって思ったんだけど」
「何も困らんわ!それより、どこの界の人なのかは私も興味があるな。匂いを消してまで奏太に近付ける奴はそういないだろう。ユーリなら、動作で判断したりするが、細かいことは私も苦手だからな……」
「この話ってルーカスさんが持ってきたんでしょ?」
「いや、最初は私が聞いた。断ったが1度だけと言われたんで、ルーカスにあとは任せたままだったんだ」
さっき話してた内容を一応伝え、用事が何かと聞く。
「あぁ、パーティにペットフードを扱ってる会社の人が来てて、新作をムーにどうかって言ってきたんだ。ほら、あのプリンの会社の親会社だ」
「え?プリン?」
「ムーも俺も何も食べてないよ?」
「なら、着いてきてくれ。何でも大物俳優とか言うのが愛犬家らしくて、ムーに会いたがってるしな」
「ムーがバラエティに出ればいいと思う……」
「話せないだろ?」
俺はいつご飯が食べれるんだろうと思いながら後ろをついていくが、プリンと聞いたムーは御機嫌だ。
それに、結月が言ってくるのだから何も問題はないだろう。
「プリン~」とスキップするようにトコトコついていく姿は、誰が見ても可愛いだろう。
「ムーってプリンあげるって言われたらついていきそうじゃない?」
「流石にそれは……有り得ますね」
「待って!こんな所に女の子1人置いていくと副社長としての立場が悪くなるんじゃない?」
「俺、そう言うの気にしてないから」
ノアにも早くと急かしその場を後にして、すぐに裏の待機室へと向かう。
「ノア……俺に見合いは無理だよ」
「ですが、お断りするのにも姫の許可が必要になります」
「でも、ムーが人じゃ無いって。だからずっとどの界の人なんだろうって気になってたんだよね。まだリアムさんの事もあるし」
「そうですね……ムーさん、何か感じました?」
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「なんにもってお前……」
「でも、匂いは人間じゃなかったのはわかったよ?スフィ君ならもっとなにか分かったかもしれないけど。スフィ君の方がもっとお鼻がいいもん」
「そうなんだ」
話していると、係の人から結月が探していると言われたので、ホールに戻ると、みんな料理やお酒などを持って談笑しているところだった。
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「だって……」
「あのねー。お見合いの人が人間じゃなかったんだよー?」
「は?そんな気配は感じなかったが」
「でも違ったのー」
「ムーは各界の血が入ってるから、どこの者か分かったのか?そこら辺の犬より敏感なはずだが」
「分かんなかった……でも、違ったの!」
「そこまで言うならそうなんだろう。魔力も感じなかったから、もしかしたら薬かもな」
「そっか!薬なら消せるよね……あのさ、見合い断っていいでしょ?それ言ったら、結月さんが困るんじゃないかって思ったんだけど」
「何も困らんわ!それより、どこの界の人なのかは私も興味があるな。匂いを消してまで奏太に近付ける奴はそういないだろう。ユーリなら、動作で判断したりするが、細かいことは私も苦手だからな……」
「この話ってルーカスさんが持ってきたんでしょ?」
「いや、最初は私が聞いた。断ったが1度だけと言われたんで、ルーカスにあとは任せたままだったんだ」
さっき話してた内容を一応伝え、用事が何かと聞く。
「あぁ、パーティにペットフードを扱ってる会社の人が来てて、新作をムーにどうかって言ってきたんだ。ほら、あのプリンの会社の親会社だ」
「え?プリン?」
「ムーも俺も何も食べてないよ?」
「なら、着いてきてくれ。何でも大物俳優とか言うのが愛犬家らしくて、ムーに会いたがってるしな」
「ムーがバラエティに出ればいいと思う……」
「話せないだろ?」
俺はいつご飯が食べれるんだろうと思いながら後ろをついていくが、プリンと聞いたムーは御機嫌だ。
それに、結月が言ってくるのだから何も問題はないだろう。
「プリン~」とスキップするようにトコトコついていく姿は、誰が見ても可愛いだろう。
「ムーってプリンあげるって言われたらついていきそうじゃない?」
「流石にそれは……有り得ますね」
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