75 / 127
人間界1
.
しおりを挟む
その後順調に1週間すぎ、パーティの日の朝起きていくと、「遅い!」と何故か結月に怒られてしまう。
「いつ帰ったの?」
「二時間ほど前だが、待ってるのも暇だな。で?熊に薬は渡せたのか?」
「うん、見た感じは人間の姿になっても髭モジャの熊さんて感じの大男だったけど、とても優しい人だったよ。またよろしくって言ってた」
「じゃあ薬は効いてそうだな。それより聞いたぞ?見合い!お前もそんな大人になるとは、姉さん嬉しい」と泣くふりをするが、全く嬉しくもなんともない。
「泣きまねしてもダメだよ?俺今から行きたくなくてどう逃げようかとしか考えてないから」
「ほう?なら増やそうか?見合いの人数」
「ごめんなさい……」
「ヘコむと思ってな、爺に言って車庫の鍵を預かってきた。まだ見てないだろう?」
ついてこいと言われ、車庫に案内されて自動ドアが上に上がりきった瞬間、涙が出そうになった!
「RANGE ROVERだ!黒だ!かっこいい!ね?ホントにいいの?おれの?」
「約束だったからな。爺曰く、奏太の言っていた物と全く同じようには出来なかったが、えーと、マニュアルだけでなくオートマチックも備えた車となり、座席には勝手ながら本革のカバーをかけさせていただきました。だってさ!後は自分で読め」と手紙を渡される。
鍵を受け取り中を見る。
うわー!すげー!とはしゃぎつつも、トランクまで確認していくと、ちゃんと犬用のシートまで置いてある。
「あー!田中さんありがとう!」
「私だ馬鹿者!それとその隣にはBMW、ミニクーパー。この2台は好きに使えって言ってたな。そこの鍵についてるだろう?」
「あ!本当だ。こんなにいらないって言ったのに」
「こんなゴッツイ車街乗り用じゃないだろ?」
「ムーたち乗せるのには丁度いいよ?」
「会社の地下駐車場も押さえておいたから、名前が貼ってある。そこに停めろ」
「うん!ムー達……はまだいいか。傷つけられたら嫌だし」
「でな、薬草をだな……」
「一人じゃダメ!ぜーーーったいダメ」
「だってユーリがまだ目が覚めたばかりだし、時期が終わってしまう!」
「諦めてなかったんだ……」
「では、私が行きましょうか?」
「ノアもダメ!」
「なんでだ!兄の代わりで丁度いいじゃないか」
「ルーカスさんもダメだし、城の兵を連れてったら?王の交代で挨拶に来たって言えばいいじゃん」
「その手があったか。それならば、王は忙しいと言えば一週間で帰れるな」
「道は?」
「王が来た場合開けるしかないんだよ奴らも」
「じゃあ、お正月に帰ってきてね」
「なんで?」
「おねーちゃん、お年玉頂戴!」
「はぁ?お前もう働いてるだろ?」
「まだ未成年だもん」
「ちっ!」
「姫様、兄の方は……」
「大分いい。様子見でまだ力は使わせてないが、まだ寝かせておく。正月には戻れるだろ」
「良かったね」
「はい。これで、姉も帰すことができます」
「おい!まだ俺は口説いてる途中だぞ?」
「さてと、みんな準備しようか!」と誤魔化し、家に戻って、ムーの首にリボンをつけ、洋服を着せる。
「お洋服きらーい」
「仕方ないの!お前有名なんだから」
「ブランとスフィ君は来れないの?」
「うん、今日はね。でも、車きたからさ、みんなでドッグラン行こうな」
「やったー!」
「だから今日は大人しくしててくれよ?」
「はーい」
準備が終わり、スフィとブランに留守を頼み、二台の車で会場へと移動する。
「ノア、時間早いけど……」
「最終確認のあと、お客様のお出迎えをするので、早目に会場入りです」
「受付は?」
「社員がします。それより、ムーさんかなり嫌がってますけど」
「キャリーに入れたからね。ついたら出してあげるって言ったんだけど拗ねちゃってさ」
「いつ帰ったの?」
「二時間ほど前だが、待ってるのも暇だな。で?熊に薬は渡せたのか?」
「うん、見た感じは人間の姿になっても髭モジャの熊さんて感じの大男だったけど、とても優しい人だったよ。またよろしくって言ってた」
「じゃあ薬は効いてそうだな。それより聞いたぞ?見合い!お前もそんな大人になるとは、姉さん嬉しい」と泣くふりをするが、全く嬉しくもなんともない。
「泣きまねしてもダメだよ?俺今から行きたくなくてどう逃げようかとしか考えてないから」
「ほう?なら増やそうか?見合いの人数」
「ごめんなさい……」
「ヘコむと思ってな、爺に言って車庫の鍵を預かってきた。まだ見てないだろう?」
ついてこいと言われ、車庫に案内されて自動ドアが上に上がりきった瞬間、涙が出そうになった!
「RANGE ROVERだ!黒だ!かっこいい!ね?ホントにいいの?おれの?」
「約束だったからな。爺曰く、奏太の言っていた物と全く同じようには出来なかったが、えーと、マニュアルだけでなくオートマチックも備えた車となり、座席には勝手ながら本革のカバーをかけさせていただきました。だってさ!後は自分で読め」と手紙を渡される。
鍵を受け取り中を見る。
うわー!すげー!とはしゃぎつつも、トランクまで確認していくと、ちゃんと犬用のシートまで置いてある。
「あー!田中さんありがとう!」
「私だ馬鹿者!それとその隣にはBMW、ミニクーパー。この2台は好きに使えって言ってたな。そこの鍵についてるだろう?」
「あ!本当だ。こんなにいらないって言ったのに」
「こんなゴッツイ車街乗り用じゃないだろ?」
「ムーたち乗せるのには丁度いいよ?」
「会社の地下駐車場も押さえておいたから、名前が貼ってある。そこに停めろ」
「うん!ムー達……はまだいいか。傷つけられたら嫌だし」
「でな、薬草をだな……」
「一人じゃダメ!ぜーーーったいダメ」
「だってユーリがまだ目が覚めたばかりだし、時期が終わってしまう!」
「諦めてなかったんだ……」
「では、私が行きましょうか?」
「ノアもダメ!」
「なんでだ!兄の代わりで丁度いいじゃないか」
「ルーカスさんもダメだし、城の兵を連れてったら?王の交代で挨拶に来たって言えばいいじゃん」
「その手があったか。それならば、王は忙しいと言えば一週間で帰れるな」
「道は?」
「王が来た場合開けるしかないんだよ奴らも」
「じゃあ、お正月に帰ってきてね」
「なんで?」
「おねーちゃん、お年玉頂戴!」
「はぁ?お前もう働いてるだろ?」
「まだ未成年だもん」
「ちっ!」
「姫様、兄の方は……」
「大分いい。様子見でまだ力は使わせてないが、まだ寝かせておく。正月には戻れるだろ」
「良かったね」
「はい。これで、姉も帰すことができます」
「おい!まだ俺は口説いてる途中だぞ?」
「さてと、みんな準備しようか!」と誤魔化し、家に戻って、ムーの首にリボンをつけ、洋服を着せる。
「お洋服きらーい」
「仕方ないの!お前有名なんだから」
「ブランとスフィ君は来れないの?」
「うん、今日はね。でも、車きたからさ、みんなでドッグラン行こうな」
「やったー!」
「だから今日は大人しくしててくれよ?」
「はーい」
準備が終わり、スフィとブランに留守を頼み、二台の車で会場へと移動する。
「ノア、時間早いけど……」
「最終確認のあと、お客様のお出迎えをするので、早目に会場入りです」
「受付は?」
「社員がします。それより、ムーさんかなり嫌がってますけど」
「キャリーに入れたからね。ついたら出してあげるって言ったんだけど拗ねちゃってさ」
0
お気に入りに追加
26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる