天満堂へようこそ 6

人間界1

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「食ったらこれにチェックして評価のところに丸をつければいい」

「あぁ、だから番号が置いてあるんだ」

でもこんなには食べられないよと言うと、味見だと言われ、お皿に少しずつとって食べながらチェックしていく。

スープは三種類。サラダやフルーツなどは問題ないだろうと次々と書いていくが、和洋中と揃っているものの、リゾットだけがどうしても気に入らず、ピラフに変えて欲しいと書き込み、飲み物の種類にもソフトドリンクがオレンジジュースだけだったので、お茶やリンゴジュース、カルピス等増やして欲しいと書く。

「小さな子が来た時のために椅子があるといいだけど。お母さんもその方が食べさせやすいでしょ？」

「それも書いておくか。反対に老人用に椅子も置いておかないとな」

「俺も座ってたいよ……」

「ボーイが飲み物持って回るから、俺達は多分食ってる時間はないぞ？客の話し相手で終わるな」

ホテルを出て車に乗り、「食べた気がしない。でもお腹が破裂しそう」などと文句を言い、当日食べられないパーティなんてと、さらに文句を言う。

「俺、話すことなんてないよ？」

「愛想振りまいておけばいいって俺も聞いてるけどさ、お前、見合い相手か知らんが、役員の孫か娘か合わされるんだから、1組とかだけとか考えるなよ？聞いた話ではそこで、大体食事の日程とか決められるらしいから」

「私が管理すればいいのでしょうか？」

「そうなる。奏太に断る権限はないとおもえだってさ」

「嫌だよ……。どうせまた、肩が凝る料理が出る店ばかり行くんでしょ？」

「二回目のデートからは居酒屋とかでいいんじゃないか？って言いたいけど、２回目はもう決めたと同じにされるぞ？」

「どう断ればいいの……」

「知らん！」

「嘘……」

「確か、お見合いの後あちらからお断りの電話があれば破談と言う流れだったかと思ったのですが」

「いや、その前に断ろう！」

「1件は取引先だから断るなよ？」

「うっ……庶民がいいよぉ」

「腹痛起こそうとしても決定なんだから仕方ない」

「決めたの誰だよ！」

ルーカスを見ると知らん顔をして窓の方を向いてるので、「え、エールラさんに一週間近づいちゃダメだからね！」と意地悪をいう。

「はぁ？これでも1件に留めたのは俺だぞ？何件来たと思ってるんだよ！」

「だって面白がってたじゃんか！」

「お二人共おやめ下さい。私も何とかしますので」

「何とかって？」

携帯で何かを検索していたのか、ノアがにやりと笑う。

「お見合いで嫌われる方法と言うのを見つけました」

「なになに？」

「相手と話が進まない。これに関しましては、私が度々呼び出して仕事の話と言えば中断させることができます」

「待つタイプの女だったら効かないぞ？」

「もー！ルーカスさん黙ってて！他には？」

「食事を汚く食べる男性も嫌われます」

「どうやって？」

「食器をカチャカチャと鳴らしたり、スープの皿を持って啜ったりと書いてありますが」

「で、出来るかな？」

「後は食事が終わったら、エスコートをせずに席を立ち帰るとありますが、これは不味いかもしれません」

「だよね。なるようになれって思うけど、汚く食べるのか……」