67 / 127
人間界1
.
しおりを挟む
「奏太……くん?奏太君だー!」
飛びついてきたムーにビックリしながらも、久しぶり!と抱き上げる。その後からはブランが走ってきて、ノアに頭を撫でられている。
「え?……」
ビクッとムーが体を震わして縮こまるので、大丈夫だよと下におろす。
どう見てもかなりの体の大きさが違い、ブランよりも大きいので、2匹とも顔がひきつっている。
「彼はスフィ、今日から家族だよ。天界の狼なんだけど、屋敷以外では犬の姿になってもらうから。家の中は少し小さくなってもらわないといけないけど」
「どのような姿になっても良いが、この犬まで小さくはなれぬ」
「ムーはそう言う犬種だから」
みんなで家まで行って、直っていた部屋から携帯を持ってくる。
「この写真みて。これがゴールデンレトリバー何だけど」
「これならば」白く光ったと思ったらすぐに、写真と同じ姿になったので安心する。
中に入って、すぐに田中さんを呼ぼうとして思い出す。
「エールラさん?」
「ちょっと見てきます……」
ノアが出ていき、その間にとムーたちに血の契約の話をする。
「スフィくん?」
「?」
「食べない?僕達の事」
「食べぬ」
「遊んでくれる?」
「?」
「奏太くーん」
足元に隠れてくるので、スフィはみんなを食べないし、遊ぶという事は教えてあげてほしいと二匹に頼み、仲良くしてとお願いし、やっと足元から出てきたムーは、「僕お兄ちゃんだもん」と前足をガブッと噛んで少し血を垂らす。
「ぼ、僕も」とつつき、血を出した二匹に頭を下げ、スフィが舐める。
反対にスフィの血も舐めさせて完了した頃、疲れた顔のエールラさんを連れてノアが戻ってきた。
「ただいま」
「お帰りなさいませ。今コーヒーを入れますね」
「それより座って。顔色悪いよ?」
「そうですか?」
「こっちでどのくらい時間が経ったのかな?」
「一月ほどかと思いますが」
「そっか……」
「あ、ニコルさんがゲストハウスの方に移られてきてます。エマさんも一緒に」
「そちらの方の気配をたどって行ったら居たんですけど、いた場所がルーカス様の膝の上でして……」
あー!揉め事はやめてくれと頭を抱え、ルーカスをこちらへと呼ぶ。
「喧嘩してないよね?」
「してません。驚いただけでして」
「今からルーカスさんこっち来るから」
「何でです?」
「帰宅の報告と、あのクローンの話しないといけないでしょ?」
「そうでした。姉さん、新しく家族が増えました。天界の狼のスフィです。今は犬の格好をしてもらっています」
「まぁ!話と本でしか知らないわ。初めまして。ノアの姉のエールラです」
「これは幻界の民か。また美しい女性であるな。我はスフィと申す」
「彼は狼の長でしたので」
「そうなの。触ってもいいかしら?」
「どうぞ」
そっと撫でていたのに、急に可愛いと頭も体も撫で回し、抱きついてしまっている。
「ノア……」
「忘れていました……姉は無類の動物好きでした……」
「僕達今までいっぱい触られたよ?」
「僕は卵を産むのかと聞かれて……丸くなっていたら枕にされました」
「え?どこで寝てたの?」
「エールラさんのお部屋だよー。ルーカスさんから守ってたの僕達」
「偉いな!」
飛びついてきたムーにビックリしながらも、久しぶり!と抱き上げる。その後からはブランが走ってきて、ノアに頭を撫でられている。
「え?……」
ビクッとムーが体を震わして縮こまるので、大丈夫だよと下におろす。
どう見てもかなりの体の大きさが違い、ブランよりも大きいので、2匹とも顔がひきつっている。
「彼はスフィ、今日から家族だよ。天界の狼なんだけど、屋敷以外では犬の姿になってもらうから。家の中は少し小さくなってもらわないといけないけど」
「どのような姿になっても良いが、この犬まで小さくはなれぬ」
「ムーはそう言う犬種だから」
みんなで家まで行って、直っていた部屋から携帯を持ってくる。
「この写真みて。これがゴールデンレトリバー何だけど」
「これならば」白く光ったと思ったらすぐに、写真と同じ姿になったので安心する。
中に入って、すぐに田中さんを呼ぼうとして思い出す。
「エールラさん?」
「ちょっと見てきます……」
ノアが出ていき、その間にとムーたちに血の契約の話をする。
「スフィくん?」
「?」
「食べない?僕達の事」
「食べぬ」
「遊んでくれる?」
「?」
「奏太くーん」
足元に隠れてくるので、スフィはみんなを食べないし、遊ぶという事は教えてあげてほしいと二匹に頼み、仲良くしてとお願いし、やっと足元から出てきたムーは、「僕お兄ちゃんだもん」と前足をガブッと噛んで少し血を垂らす。
「ぼ、僕も」とつつき、血を出した二匹に頭を下げ、スフィが舐める。
反対にスフィの血も舐めさせて完了した頃、疲れた顔のエールラさんを連れてノアが戻ってきた。
「ただいま」
「お帰りなさいませ。今コーヒーを入れますね」
「それより座って。顔色悪いよ?」
「そうですか?」
「こっちでどのくらい時間が経ったのかな?」
「一月ほどかと思いますが」
「そっか……」
「あ、ニコルさんがゲストハウスの方に移られてきてます。エマさんも一緒に」
「そちらの方の気配をたどって行ったら居たんですけど、いた場所がルーカス様の膝の上でして……」
あー!揉め事はやめてくれと頭を抱え、ルーカスをこちらへと呼ぶ。
「喧嘩してないよね?」
「してません。驚いただけでして」
「今からルーカスさんこっち来るから」
「何でです?」
「帰宅の報告と、あのクローンの話しないといけないでしょ?」
「そうでした。姉さん、新しく家族が増えました。天界の狼のスフィです。今は犬の格好をしてもらっています」
「まぁ!話と本でしか知らないわ。初めまして。ノアの姉のエールラです」
「これは幻界の民か。また美しい女性であるな。我はスフィと申す」
「彼は狼の長でしたので」
「そうなの。触ってもいいかしら?」
「どうぞ」
そっと撫でていたのに、急に可愛いと頭も体も撫で回し、抱きついてしまっている。
「ノア……」
「忘れていました……姉は無類の動物好きでした……」
「僕達今までいっぱい触られたよ?」
「僕は卵を産むのかと聞かれて……丸くなっていたら枕にされました」
「え?どこで寝てたの?」
「エールラさんのお部屋だよー。ルーカスさんから守ってたの僕達」
「偉いな!」
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
白い彼女は夜目が利く
とらお。
キャラ文芸
真夏の夜、涼しい風が吹くその場所で、彼女を見つけた。
何の変哲もない男子高校生、神埼仄は小学生の頃一目惚れした少女を忘れられずにいた。
そんなある日、一人の少女がクラスに転校してくる。
その少女は昔一目惚れしたその少女とそっくりで……。
それからだった。
彼の身の回りでおかしなことが起こり始めたのは。
◆ ◇ ◆ ◇
怪異に恋する現代和風ファンタジー。
貴方はそれでも、彼女を好きだと言えますか?
毎週水・土曜日、20時更新予定!
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる