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街
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『王子、お困りか?』
「沢山困ってるよ」
「皆さんになんと説明をしますか?」
「友達って言うしか無いじゃん」
『我は家来です』
「俺は、犬のムーの事もケリーのブランの事も友達だと思ってるよ?家来とか思ったことないんだ。家族だし。だからスフィロスもこれから家族で友達。敬語はなし!分かった?」
『その様に。では名前はスフィとでも呼んで下さい』
「癖か!俺のことは王子って呼んじゃダメだからね?」
「奏太様でいいと思いますよ?」
『御意。して、あの中にはいつ?』
「まだ。かなり怪我人が出たし、みんな疲労してるから……動けても午後かな?」
『夕刻になるにつれ奴らは徘徊していて、結界があった故我らも手出しができなかったのが、結界はなくなり、徘徊している者も虫もいなくなった』
「結界あったんだ……リアムさんがいなくなったからなくなったのかな?」
「王子、離れてください!」
サムがいきなり声をかけてきたので、驚いてしまい、すぐにスフィの前に立って手を広げる。
「王子!」
「ちょ、待って。この狼はスフィロスって言って、友達になったんだ。仲間だよ!」
それを聞いて剣は閉まってもらえたが、まだ疑っているようで注意を怠らない。
「あのさ、もう血の契約もしたから大丈夫なんだって」
「とは言いましても……」
「スフィ、みんなに聞こえるようにも話せるの?」
「お望みとあらば」
「しゃ、喋った……。本当に眷属に?」
「そうだ。我は奏太様とノア様に忠誠を誓った。奏太様たちの仲間には危害は一切加えぬ」
「失礼した。私は兵隊長のサミュエル。サムとお呼びください。王子のお側づきならば、私ども兵も皆従います」
「分かったが、まずここから離れた方がいい。匂いが変わった」
「そう?分かった。サム、怪我してる人から引き上げて一度森を抜けてくれる?」
「そんなすぐに信用しても……」
「良いんだよサム。スフィは嘘はつかない!」
「わ、わかりました。では王子も退避を」
「俺は最後でいい。サムは先導してからみんなを天幕へお願い」
「畏まりました」
急いで片付けを済ませ、みんなが動き出したのを見計らってノアとスフィと木の中に入る。
「奏太様どういう事ですか?」
「何か、スフィが一緒に来てくれって言ったように思ったんだ」
「スフィがですか?」
「うん。違う?」と顔を上げてみると、そうだとばかりに伏せをする。
「二人共背に乗ってください。そのほうが速い」
「まさか、天魔獣のそれも狼の長の背に乗れる日が来るとは思いませんでした」
「スフィは凄いんだね」
「もう長ではありません。匂いが変わったというのは、この中です。この木は元々なかったもので、あとから作られた偽物の木。天界の森の殆どは真ん中には大きな水場があるのが特徴。小さいところでも川や池くらいはあるのが常。ここは元々は滝でした」
「壊せってこと?だよね?」
「くさい臭いがして、更には結界などで出来ませんでした。臭いの元へ一度お連れします」
そう言われたので乗り、スフィが立ち上がると馬くらいは大きい。
それにふかふかして気持ちもいい。
「沢山困ってるよ」
「皆さんになんと説明をしますか?」
「友達って言うしか無いじゃん」
『我は家来です』
「俺は、犬のムーの事もケリーのブランの事も友達だと思ってるよ?家来とか思ったことないんだ。家族だし。だからスフィロスもこれから家族で友達。敬語はなし!分かった?」
『その様に。では名前はスフィとでも呼んで下さい』
「癖か!俺のことは王子って呼んじゃダメだからね?」
「奏太様でいいと思いますよ?」
『御意。して、あの中にはいつ?』
「まだ。かなり怪我人が出たし、みんな疲労してるから……動けても午後かな?」
『夕刻になるにつれ奴らは徘徊していて、結界があった故我らも手出しができなかったのが、結界はなくなり、徘徊している者も虫もいなくなった』
「結界あったんだ……リアムさんがいなくなったからなくなったのかな?」
「王子、離れてください!」
サムがいきなり声をかけてきたので、驚いてしまい、すぐにスフィの前に立って手を広げる。
「王子!」
「ちょ、待って。この狼はスフィロスって言って、友達になったんだ。仲間だよ!」
それを聞いて剣は閉まってもらえたが、まだ疑っているようで注意を怠らない。
「あのさ、もう血の契約もしたから大丈夫なんだって」
「とは言いましても……」
「スフィ、みんなに聞こえるようにも話せるの?」
「お望みとあらば」
「しゃ、喋った……。本当に眷属に?」
「そうだ。我は奏太様とノア様に忠誠を誓った。奏太様たちの仲間には危害は一切加えぬ」
「失礼した。私は兵隊長のサミュエル。サムとお呼びください。王子のお側づきならば、私ども兵も皆従います」
「分かったが、まずここから離れた方がいい。匂いが変わった」
「そう?分かった。サム、怪我してる人から引き上げて一度森を抜けてくれる?」
「そんなすぐに信用しても……」
「良いんだよサム。スフィは嘘はつかない!」
「わ、わかりました。では王子も退避を」
「俺は最後でいい。サムは先導してからみんなを天幕へお願い」
「畏まりました」
急いで片付けを済ませ、みんなが動き出したのを見計らってノアとスフィと木の中に入る。
「奏太様どういう事ですか?」
「何か、スフィが一緒に来てくれって言ったように思ったんだ」
「スフィがですか?」
「うん。違う?」と顔を上げてみると、そうだとばかりに伏せをする。
「二人共背に乗ってください。そのほうが速い」
「まさか、天魔獣のそれも狼の長の背に乗れる日が来るとは思いませんでした」
「スフィは凄いんだね」
「もう長ではありません。匂いが変わったというのは、この中です。この木は元々なかったもので、あとから作られた偽物の木。天界の森の殆どは真ん中には大きな水場があるのが特徴。小さいところでも川や池くらいはあるのが常。ここは元々は滝でした」
「壊せってこと?だよね?」
「くさい臭いがして、更には結界などで出来ませんでした。臭いの元へ一度お連れします」
そう言われたので乗り、スフィが立ち上がると馬くらいは大きい。
それにふかふかして気持ちもいい。
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