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街
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一人ひとりに薬を一匙ずつ飲んでもらうと、傷口がだんだんと塞がっていく。それを確認してみんなに行き渡るように飲ませていく。
それほど酷くないものは半分。それ以外は一匙と言った具合に飲ませ、みんなが回復しますようにと飲ませ終えると、また疲れからか頭がふらついてくる。
「王子、今よろしいでしょうか?」
「うん」
「怪我人すべて運び終わりました。今出てきている班が最後です」
「ありがとう。サムとノアを呼んできてくれる?」
「はっ!」
薬を飲ませたことと疲労のことを話して、残りを飲ませてもらい、見張りは三交代で行ってほしいと頼んだ。
「みんなに食事を。俺も頂戴……スープだけでいいよ」
「すぐにお持ちします」とサムが取りに行き、ノアが心配してくれるが、角の欠片を入れたことを話すとかなり怒られた。
一部を出すだけでも魔力を使うからと言われたが、みんなを助けるにはそれしか思い浮かばなかったと言い張り、食後は一日寝ていてくれと言われる。
とにかく疲れた。
身体中がそう言っているかのようで、スープを流し込むようにして食べ、その後天幕の中でゆっくりと眠る。
時たま、動物の鳴き声などで起きたりもしたが、また眠り日が昇り始めたところで天幕から出て、またノアに文句を言われるといけないと思い、兵に呼んできてもらっている間にコーヒーを飲む。
「おはようございます。体の方は?」
「もうスッカリ。でも、昨日の夜は結構動物が鳴いてたね」
「あの変な虫がいなくなったから出てきたのでしょうか?」
「そうかも。動物もきっと気持ち悪いって思ってたんだよ」
切り株に座りながらそんな話をしていると、ガサガサと奥の草むらから音がする……が、嫌な感じは一切しない。
剣を握るノアを静止して、何が来るのかを静かに待つ。
ガサガサ__
ヌッと出てきたのは、天魔獣の犬。
座っているためにかなり大きく見えるが、前に見たものよりもかなり大きい。
つい立ってしまったが、立っても自分の背丈に近い大きさだ。
『そなたが天界の王子か!?』
「え?」
「奏太様、私にも聞こえます」
『二人にしか聞こえていない。質問に……』
「うん、俺は奏太。隣がノアだよ。えっと天魔獣?」
『我は天魔犬獣とよく間違えられるが、狼だ。この森の主でもある』
「主?」
「あの、今まで出てこなかったのは?」
『うむ、まずは礼を言う。我等一族はこの天界の至る森にて存在しており、滅多に人前には出ぬ。犬とよく似ておるから間違えられるが、その犬も大人しく暮らしておったのに、いつの間にか凶暴になり村へと家畜を襲いに出る輩も出ていた。そこに度々人が来るようになり、我らの命の源である水さえも奪われていった』
「何故、今そのことを私たちに?」
『昨日、大きな爆発音がした。物凄く血の匂いがした故、我が直接動いた。もしかしたら噂に聞く王子が来たのかもしれぬとな』
「噂?」
それほど酷くないものは半分。それ以外は一匙と言った具合に飲ませ、みんなが回復しますようにと飲ませ終えると、また疲れからか頭がふらついてくる。
「王子、今よろしいでしょうか?」
「うん」
「怪我人すべて運び終わりました。今出てきている班が最後です」
「ありがとう。サムとノアを呼んできてくれる?」
「はっ!」
薬を飲ませたことと疲労のことを話して、残りを飲ませてもらい、見張りは三交代で行ってほしいと頼んだ。
「みんなに食事を。俺も頂戴……スープだけでいいよ」
「すぐにお持ちします」とサムが取りに行き、ノアが心配してくれるが、角の欠片を入れたことを話すとかなり怒られた。
一部を出すだけでも魔力を使うからと言われたが、みんなを助けるにはそれしか思い浮かばなかったと言い張り、食後は一日寝ていてくれと言われる。
とにかく疲れた。
身体中がそう言っているかのようで、スープを流し込むようにして食べ、その後天幕の中でゆっくりと眠る。
時たま、動物の鳴き声などで起きたりもしたが、また眠り日が昇り始めたところで天幕から出て、またノアに文句を言われるといけないと思い、兵に呼んできてもらっている間にコーヒーを飲む。
「おはようございます。体の方は?」
「もうスッカリ。でも、昨日の夜は結構動物が鳴いてたね」
「あの変な虫がいなくなったから出てきたのでしょうか?」
「そうかも。動物もきっと気持ち悪いって思ってたんだよ」
切り株に座りながらそんな話をしていると、ガサガサと奥の草むらから音がする……が、嫌な感じは一切しない。
剣を握るノアを静止して、何が来るのかを静かに待つ。
ガサガサ__
ヌッと出てきたのは、天魔獣の犬。
座っているためにかなり大きく見えるが、前に見たものよりもかなり大きい。
つい立ってしまったが、立っても自分の背丈に近い大きさだ。
『そなたが天界の王子か!?』
「え?」
「奏太様、私にも聞こえます」
『二人にしか聞こえていない。質問に……』
「うん、俺は奏太。隣がノアだよ。えっと天魔獣?」
『我は天魔犬獣とよく間違えられるが、狼だ。この森の主でもある』
「主?」
「あの、今まで出てこなかったのは?」
『うむ、まずは礼を言う。我等一族はこの天界の至る森にて存在しており、滅多に人前には出ぬ。犬とよく似ておるから間違えられるが、その犬も大人しく暮らしておったのに、いつの間にか凶暴になり村へと家畜を襲いに出る輩も出ていた。そこに度々人が来るようになり、我らの命の源である水さえも奪われていった』
「何故、今そのことを私たちに?」
『昨日、大きな爆発音がした。物凄く血の匂いがした故、我が直接動いた。もしかしたら噂に聞く王子が来たのかもしれぬとな』
「噂?」
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