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街
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「どこ?動物かな?」
「だといいのですが……」
ブーーーンブーーーンブーーーンと羽のなる独特の音が聞こえてきた。
シュッ
「ダメだこれでは刺さりもしねぇ……」
「みんな隠れて!ノア、これってあの水槽のやつに似てない?」
「あの羽の生えてたやつですよね?やはりこの付近に施設があるのでしょうか?」
「じゃないとこんなに出てこないでしょ?」
兵が一歩踏み出すと、団体で攻撃してくる。尾についた針には毒があるのか、兵が泡を吐いて倒れてしまう。
「ここから先に来るなって意味だよね……」少し考えて、全員退避!と声を掛け、ゆっくりと後ずさり、森を抜けて馬車まで戻る。
倒れた兵までは連れてこれなかったが、後で誰かに行かせれば良いだろう。
「奏太様、天幕の用意ができてます。前とは違う四方を囲んだテントなのでゆっくり出来るかと……」
「そんな事より一人死なせちゃったんだ!何か考えないと……」
「あのさ、サム呼んでくれないかな」
「直ぐに呼びます」
「おら、待ってるだけだったから天幕だけ手伝ったんだども、迷惑だったべか?」
「そんな事ないよ?ありがとう。他の天幕にみんな集まってるけど行く?」
「行きづろうてなぁ」
「今勇気出さないと行けなくなっちゃうよ?」
「お呼びでしょうか!」
「あ、外に誰かいる?」
「見張りの兵がおります」
「おじさんをみんなの所へ。おじさん、絶対大丈夫だから、ね?」
「分かっただ。王子、無理はせんでくだせえよ?」
約束すると言ってから、魔法で冷やしたコーヒーを勧め、座って欲しいと頼む。
「だいぶ聞いてくれるようになったけどまだよそよそしいんだもんなぁ……」
「すいません」
「あ、良いんだけど。今夜ここに泊まることは出来る?」
「はい、真ん中と各テントの周りに焚き火をして魔獣避けをした上で、交代で見張りにつきます」
「草原の民達も怪我がないようにしてね」
「はい」
「ノアもこっち来て……まず、兵のひとりが襲われた場所がここ。連れ帰る分には襲われないと思うから、朝にでも運び出して。で、例えばここを基準に……」と円を書く。
「狭まりますが……またあの変な虫が襲ってきたら?」
「かなり狭くなったから何かあると思うんだ。この森の中に何かあるか知ってる?」
「何も無いはずです。昔はこの辺りまで牧地だった気が……水が枯れ今の所に移動したと聞いていますので」
「でも、こんなに大きな木が生い茂ってるってことはどこかに水脈があると思うんだよね」
「何かと水はいりますし……まさか水脈を探せとか言わないでしょうね?」
「いやいや、それは無理でしょ?でも研究とかしてたら水は要るよね?」
「それはそうですが、まずは中に入らないと……」
「水のことも気になってたんだけど、入る方法一つだけ見つけたんだ」
「ですが、あの虫を追いのけてですか?」
「俺の盾でみんなを囲めば行けるでしょ?すごく簡単なことなんだけどさ」
「ダメです!魔力は使うなと言われているでしょう?奏太様の魔力は最悪逃げる時に使ってください!」
「言うと思った……でもあれはそれほど魔力の消費はないし……それとも倒しながらいくつもり?」
「それは……いずれは倒さなければいけないものではありますが」
「分かりました。兵の半分に相手させましょう。多少は魔法の使えるものばかりです。相手している間に中へ進んでください。兵の数は減りますが、王子とノア様は必ず一緒にいてもらわないとと王から厳命を受けておりますので」
「飛んでるやつとどう戦うの?」
「確か氷魔法が使える者がいますので、撃ち落とすと言いますか……大きさもあるので上から落としたらあとは斬るだけだと」
「え?避けられたら終わりじゃん」
「だといいのですが……」
ブーーーンブーーーンブーーーンと羽のなる独特の音が聞こえてきた。
シュッ
「ダメだこれでは刺さりもしねぇ……」
「みんな隠れて!ノア、これってあの水槽のやつに似てない?」
「あの羽の生えてたやつですよね?やはりこの付近に施設があるのでしょうか?」
「じゃないとこんなに出てこないでしょ?」
兵が一歩踏み出すと、団体で攻撃してくる。尾についた針には毒があるのか、兵が泡を吐いて倒れてしまう。
「ここから先に来るなって意味だよね……」少し考えて、全員退避!と声を掛け、ゆっくりと後ずさり、森を抜けて馬車まで戻る。
倒れた兵までは連れてこれなかったが、後で誰かに行かせれば良いだろう。
「奏太様、天幕の用意ができてます。前とは違う四方を囲んだテントなのでゆっくり出来るかと……」
「そんな事より一人死なせちゃったんだ!何か考えないと……」
「あのさ、サム呼んでくれないかな」
「直ぐに呼びます」
「おら、待ってるだけだったから天幕だけ手伝ったんだども、迷惑だったべか?」
「そんな事ないよ?ありがとう。他の天幕にみんな集まってるけど行く?」
「行きづろうてなぁ」
「今勇気出さないと行けなくなっちゃうよ?」
「お呼びでしょうか!」
「あ、外に誰かいる?」
「見張りの兵がおります」
「おじさんをみんなの所へ。おじさん、絶対大丈夫だから、ね?」
「分かっただ。王子、無理はせんでくだせえよ?」
約束すると言ってから、魔法で冷やしたコーヒーを勧め、座って欲しいと頼む。
「だいぶ聞いてくれるようになったけどまだよそよそしいんだもんなぁ……」
「すいません」
「あ、良いんだけど。今夜ここに泊まることは出来る?」
「はい、真ん中と各テントの周りに焚き火をして魔獣避けをした上で、交代で見張りにつきます」
「草原の民達も怪我がないようにしてね」
「はい」
「ノアもこっち来て……まず、兵のひとりが襲われた場所がここ。連れ帰る分には襲われないと思うから、朝にでも運び出して。で、例えばここを基準に……」と円を書く。
「狭まりますが……またあの変な虫が襲ってきたら?」
「かなり狭くなったから何かあると思うんだ。この森の中に何かあるか知ってる?」
「何も無いはずです。昔はこの辺りまで牧地だった気が……水が枯れ今の所に移動したと聞いていますので」
「でも、こんなに大きな木が生い茂ってるってことはどこかに水脈があると思うんだよね」
「何かと水はいりますし……まさか水脈を探せとか言わないでしょうね?」
「いやいや、それは無理でしょ?でも研究とかしてたら水は要るよね?」
「それはそうですが、まずは中に入らないと……」
「水のことも気になってたんだけど、入る方法一つだけ見つけたんだ」
「ですが、あの虫を追いのけてですか?」
「俺の盾でみんなを囲めば行けるでしょ?すごく簡単なことなんだけどさ」
「ダメです!魔力は使うなと言われているでしょう?奏太様の魔力は最悪逃げる時に使ってください!」
「言うと思った……でもあれはそれほど魔力の消費はないし……それとも倒しながらいくつもり?」
「それは……いずれは倒さなければいけないものではありますが」
「分かりました。兵の半分に相手させましょう。多少は魔法の使えるものばかりです。相手している間に中へ進んでください。兵の数は減りますが、王子とノア様は必ず一緒にいてもらわないとと王から厳命を受けておりますので」
「飛んでるやつとどう戦うの?」
「確か氷魔法が使える者がいますので、撃ち落とすと言いますか……大きさもあるので上から落としたらあとは斬るだけだと」
「え?避けられたら終わりじゃん」
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