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決断
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「奏太様。食事と支度を……」
「うん……ノアも聞いてたよね?俺、酷いことすると思う」
「ですが、必ず罰は下ります。奏太様が今一番いいと考えられる方法で私はいいと思います」
「ニコルなら斬り捨てとか言いそうだけどな」
「そうですね……私も剣士です。ニコルさんの考えもわかりますが……」
「いい、俺も奏太の意見に賛成だ。よし、飯くいに行こう」
そのまま食堂へ行くと、ノアの母親とお姉さんから駄目ですと言われているエマがいた。
「ノアのお母さん達の名前って?」
「あ、紹介が遅れました。母がソフィ、姉がエールラと言います」
「みんな、苗字がフランシスなんだよね?」
「そうです。名前負けしていますが」
「ねえ、2人ともどうしたの?」
と、席につきながら声をかけると、エマがじっとしてくれていないからとソフィが文句を言っている。
「エマさん、ニコルさんが心配するよ?」
「でも……せめて給仕ぐらいはと」
「えっと、エールラさん。エマさんの仕事は寝てることだよね?」
「エールラで構いません。姫……いえ、陛下からもそう言われているのですが……」
「だったら寝てて?後ニコルさんの看病だけ!」
「分かりました……」
「さすがは王子様ですね。さ、たんと食べてください。ノアも食べておかないと体力持たないよ!」
「分かっています」
「ルーカス様はコーヒーでよろしかったですか?」
「ああ」
「ノア、お前の母親って……」
「ええ、何事にも動じないと言いますか……失礼ばかりで申し訳ありません」
「それは気にしてないからいいんだが、姉の方はまだ独り身か?」
「そうなんです。魔力はあるのですが、どちらかと言うと天候など読んだりするのが得意でして、精霊を使うのも得意ではありますね」
ふーんとエールラを見ているルーカルを見て、一目ボレじゃない?とノアに耳打ちする。
「ですが、王子と幻界の市民との結婚など間違ってもないでしょう?」
「おい!丸聞こえだぞ?それに一般市民じゃもうなくなる。今はジョナスが居るから街で暮らしているが、兵隊長の家族でありお付の家系となると、本来王宮の使用人宅で暮らしていてもおかしくない。それが、長男は女王陛下の家臣に昇格。次男坊が天界の王子と同等の権限を持つものとなれば、一つの地域を任されてもいいくらいだ」
「そうならないの?」
「話には出ると思いますが、多分父のことなので断るでしょうね……」
「どちらにしても、あの2人ならば王宮に上がるだろうな……結月も信用出来るものが多いほどいい。となれば、女王陛下の許可さえあれば俺も特に制限なく結婚はできる」
「待ってください。各界での決め事は?」
「結月がもっと自由にとするそうだ。これが、慧瞼の、全てを丸くってのに繋がってるんじゃないかと俺は思うんだが?」
「ル、ルーカス様が姉をと所望されたのなら、私は何も言えません。それが側室であってもです」
「俺は正妃も取ってないのに側室があるわけないだろう?それに、側室はいらん!今はいろんな女と遊べてるが、どれも正妃にと思う者はいなかった……」
食事が届いても、給仕をしているエールラをとろんとした目で見ているが、当のエールラは全く気づいていない。
「あのさ、本気なの?」
「一目ボレだな」
「ルーカス様……姉はお転婆ですよ?」
「よし、弟の賛同ももらったし頑張るとするか!」
ぼそっと横で、賛同してませんと聞こえたが、目の前のお肉にお腹がなり、お腹いっぱいになるまで食べる。
「うん……ノアも聞いてたよね?俺、酷いことすると思う」
「ですが、必ず罰は下ります。奏太様が今一番いいと考えられる方法で私はいいと思います」
「ニコルなら斬り捨てとか言いそうだけどな」
「そうですね……私も剣士です。ニコルさんの考えもわかりますが……」
「いい、俺も奏太の意見に賛成だ。よし、飯くいに行こう」
そのまま食堂へ行くと、ノアの母親とお姉さんから駄目ですと言われているエマがいた。
「ノアのお母さん達の名前って?」
「あ、紹介が遅れました。母がソフィ、姉がエールラと言います」
「みんな、苗字がフランシスなんだよね?」
「そうです。名前負けしていますが」
「ねえ、2人ともどうしたの?」
と、席につきながら声をかけると、エマがじっとしてくれていないからとソフィが文句を言っている。
「エマさん、ニコルさんが心配するよ?」
「でも……せめて給仕ぐらいはと」
「えっと、エールラさん。エマさんの仕事は寝てることだよね?」
「エールラで構いません。姫……いえ、陛下からもそう言われているのですが……」
「だったら寝てて?後ニコルさんの看病だけ!」
「分かりました……」
「さすがは王子様ですね。さ、たんと食べてください。ノアも食べておかないと体力持たないよ!」
「分かっています」
「ルーカス様はコーヒーでよろしかったですか?」
「ああ」
「ノア、お前の母親って……」
「ええ、何事にも動じないと言いますか……失礼ばかりで申し訳ありません」
「それは気にしてないからいいんだが、姉の方はまだ独り身か?」
「そうなんです。魔力はあるのですが、どちらかと言うと天候など読んだりするのが得意でして、精霊を使うのも得意ではありますね」
ふーんとエールラを見ているルーカルを見て、一目ボレじゃない?とノアに耳打ちする。
「ですが、王子と幻界の市民との結婚など間違ってもないでしょう?」
「おい!丸聞こえだぞ?それに一般市民じゃもうなくなる。今はジョナスが居るから街で暮らしているが、兵隊長の家族でありお付の家系となると、本来王宮の使用人宅で暮らしていてもおかしくない。それが、長男は女王陛下の家臣に昇格。次男坊が天界の王子と同等の権限を持つものとなれば、一つの地域を任されてもいいくらいだ」
「そうならないの?」
「話には出ると思いますが、多分父のことなので断るでしょうね……」
「どちらにしても、あの2人ならば王宮に上がるだろうな……結月も信用出来るものが多いほどいい。となれば、女王陛下の許可さえあれば俺も特に制限なく結婚はできる」
「待ってください。各界での決め事は?」
「結月がもっと自由にとするそうだ。これが、慧瞼の、全てを丸くってのに繋がってるんじゃないかと俺は思うんだが?」
「ル、ルーカス様が姉をと所望されたのなら、私は何も言えません。それが側室であってもです」
「俺は正妃も取ってないのに側室があるわけないだろう?それに、側室はいらん!今はいろんな女と遊べてるが、どれも正妃にと思う者はいなかった……」
食事が届いても、給仕をしているエールラをとろんとした目で見ているが、当のエールラは全く気づいていない。
「あのさ、本気なの?」
「一目ボレだな」
「ルーカス様……姉はお転婆ですよ?」
「よし、弟の賛同ももらったし頑張るとするか!」
ぼそっと横で、賛同してませんと聞こえたが、目の前のお肉にお腹がなり、お腹いっぱいになるまで食べる。
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