7 / 127
即位
.
しおりを挟む
二人の睨み合いが続く中、コソコソとリアムの後にムーとブランが近付いている。
何か行動を起こしたらリアムにバレてしまうかもと思い、何もするなとだけ目で訴えようとするも、ムーの顔は見たことの無い怒った目をしており、この状況で何をするのか想像もつかなかったが、突然大きくなったブランの背に飛び乗ったかと思ったら、そのままジャンプしてうまい具合にリアムの首筋に噛み付くことが出来た。
「ヴヴーーー!」
「ムー!」
「は、離せ……」
「グゥゥゥゥ!」と唸りながら精一杯の力で噛むムー。
足元ではブランも噛み付いている。
「ムー無理するな!」
ガシャーンとガラスの割れた音がしてそちらを向くと、半獣化した結月が魔法を放ち、後ろからはユーリが身体に弦を巻き付けた状態から援護している。
「兄さんも……半獣化?」
「ノア?」
「いえ、ここまでのは見たことがなかったんです。部分化は何度か……その時も弦が腕に巻きついていて、自在に操って居ましたが、あんな怖い兄を見た事がありません」
「結月!」
「ユーリ、縛れ!」
弦が伸びて触手のように動きリアムの手と足の自由を奪う。
「この!」
胴にも巻きついたところで、リアムがムーを振りほどいたが、ムーも負けじとリアムの首を噛みちぎった……
「あ……がっ……っ」
「ムーとブランには噛み付いた際に薬が入るように牙に仕込んでおいた。ムーにもブランにも影響はないが、お前の体はもう自由には動かん!」
ハァハァと息しているムーとブランをノアが保護し、盾の中に戻ってくる。
「ムー!ブラン!大丈夫か?」
「うん……!僕まだ頑張れるよっ!」
「ムー!ブラン!良くやった。奏太は盾でリアムを包め」
「でも外に……」
「お前が出さないと思えば出んわ!早くしろ」
「わ、分かった」
みんなを包んでいた盾をリアムに向ける。声が出ないためか、その形相が恐ろしく、つい中でも縛ってしまった。
「ルーカス、みんなも変化を解け……」
見ると気づいていなかっただけで、みんな部分化など一部の変化をノアとニコルもしていて、自分も腕だけしていることに気づく。
「奏太はそのまま王の間まで来てくれ。ユーリが弦で補佐する」
ユーリが同じように弦で浮き上がらせてくれたので、それについて行けばいいらしく、気を抜かない様にと注意しながら運ぶ。
王の間に着くと、大きな棺の上に黄色いドレスがかけられ、周りを色とりどりの花で囲まれている。
「陛下!」それを見たノアが叫ぶも、近くにいたジョナスが落ち着けと諭し、怒りで拳が震えている。
「どうしたの?」
「幻界では、王に黄色いドレスは侮辱とされています。各界それぞれ、人間界で言う国旗の様な、界旗があります。天界は赤、魔界は紫、幻界は薄い緑です」
「上に掛かってるのって……」
「リアムだ。ジョナスがすこし目を離した隙に既にかけられていたらしくてな、お前達に見せるのにそのままにしておいたが、もういいだろう」
何か行動を起こしたらリアムにバレてしまうかもと思い、何もするなとだけ目で訴えようとするも、ムーの顔は見たことの無い怒った目をしており、この状況で何をするのか想像もつかなかったが、突然大きくなったブランの背に飛び乗ったかと思ったら、そのままジャンプしてうまい具合にリアムの首筋に噛み付くことが出来た。
「ヴヴーーー!」
「ムー!」
「は、離せ……」
「グゥゥゥゥ!」と唸りながら精一杯の力で噛むムー。
足元ではブランも噛み付いている。
「ムー無理するな!」
ガシャーンとガラスの割れた音がしてそちらを向くと、半獣化した結月が魔法を放ち、後ろからはユーリが身体に弦を巻き付けた状態から援護している。
「兄さんも……半獣化?」
「ノア?」
「いえ、ここまでのは見たことがなかったんです。部分化は何度か……その時も弦が腕に巻きついていて、自在に操って居ましたが、あんな怖い兄を見た事がありません」
「結月!」
「ユーリ、縛れ!」
弦が伸びて触手のように動きリアムの手と足の自由を奪う。
「この!」
胴にも巻きついたところで、リアムがムーを振りほどいたが、ムーも負けじとリアムの首を噛みちぎった……
「あ……がっ……っ」
「ムーとブランには噛み付いた際に薬が入るように牙に仕込んでおいた。ムーにもブランにも影響はないが、お前の体はもう自由には動かん!」
ハァハァと息しているムーとブランをノアが保護し、盾の中に戻ってくる。
「ムー!ブラン!大丈夫か?」
「うん……!僕まだ頑張れるよっ!」
「ムー!ブラン!良くやった。奏太は盾でリアムを包め」
「でも外に……」
「お前が出さないと思えば出んわ!早くしろ」
「わ、分かった」
みんなを包んでいた盾をリアムに向ける。声が出ないためか、その形相が恐ろしく、つい中でも縛ってしまった。
「ルーカス、みんなも変化を解け……」
見ると気づいていなかっただけで、みんな部分化など一部の変化をノアとニコルもしていて、自分も腕だけしていることに気づく。
「奏太はそのまま王の間まで来てくれ。ユーリが弦で補佐する」
ユーリが同じように弦で浮き上がらせてくれたので、それについて行けばいいらしく、気を抜かない様にと注意しながら運ぶ。
王の間に着くと、大きな棺の上に黄色いドレスがかけられ、周りを色とりどりの花で囲まれている。
「陛下!」それを見たノアが叫ぶも、近くにいたジョナスが落ち着けと諭し、怒りで拳が震えている。
「どうしたの?」
「幻界では、王に黄色いドレスは侮辱とされています。各界それぞれ、人間界で言う国旗の様な、界旗があります。天界は赤、魔界は紫、幻界は薄い緑です」
「上に掛かってるのって……」
「リアムだ。ジョナスがすこし目を離した隙に既にかけられていたらしくてな、お前達に見せるのにそのままにしておいたが、もういいだろう」
0
お気に入りに追加
26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる