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#14 夢の果てへ
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気がつけば病院のベッドの上。
「三住さん、検温の時間ですよー」
「あの、俺なんでここに……」
「まだ記憶が戻ってないのね。事故にあって運び込まれたのよ。大きな怪我はないけれど検査が済むまで入院。はい、体温計」
言われるままに体温を測り、窓の外を見る。
さっきの看護師さんどこかで見たような……
手や足などを見ても看護師さんの言うように怪我もないが、頭に靄が掛かったように何かを忘れている様な気がする。
「アギルさん、本当にいいんですか?」
「何がですかぁー?」
「悠一の記憶消して。しかも逃げ出したミラの方もまだ消した記憶が戻ってなさそうだけど、監視しているとはいえいつまでもこの状態では……」
「いいんです。悠一君の記憶が戻ることはないと思いますが、これ以上巻き込むわけに行きませんからねぇ」
「剣だけはキーホルダーにして持たせてるくせに」
「バレましたか。普通の生活が出来たらいいんです。さぁ、今夜の夕食は何にしましょうか。今日はサッパリと海鮮丼なんてどうです?」
「しばらく我慢してくださいよ。今は報告書だけでも大変なんで、釣りなんて出来ないです!」
交代の警備に任せ、病院の木の上からもう一度病室を見る。
「いつかまた……」
(終)
「三住さん、検温の時間ですよー」
「あの、俺なんでここに……」
「まだ記憶が戻ってないのね。事故にあって運び込まれたのよ。大きな怪我はないけれど検査が済むまで入院。はい、体温計」
言われるままに体温を測り、窓の外を見る。
さっきの看護師さんどこかで見たような……
手や足などを見ても看護師さんの言うように怪我もないが、頭に靄が掛かったように何かを忘れている様な気がする。
「アギルさん、本当にいいんですか?」
「何がですかぁー?」
「悠一の記憶消して。しかも逃げ出したミラの方もまだ消した記憶が戻ってなさそうだけど、監視しているとはいえいつまでもこの状態では……」
「いいんです。悠一君の記憶が戻ることはないと思いますが、これ以上巻き込むわけに行きませんからねぇ」
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「バレましたか。普通の生活が出来たらいいんです。さぁ、今夜の夕食は何にしましょうか。今日はサッパリと海鮮丼なんてどうです?」
「しばらく我慢してくださいよ。今は報告書だけでも大変なんで、釣りなんて出来ないです!」
交代の警備に任せ、病院の木の上からもう一度病室を見る。
「いつかまた……」
(終)
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(´;ω;`)つ、続きを~
2は夏くらいには……と思ってまーす😊
月読命も再開するので、しばしお待ちを!
((( ;゚Д゚)))こんどは、三好さんに……じゃないよね?リヒトママが怒りそう……
うふふふふ。お楽しみにぃー"(ノ*>∀<)ノ
(* ´ ▽ ` *)読んでると、お腹がすいてくる~