妖古書堂のグルメな店主

#7 赤ワインを求めて

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朝、いつも通りに店に行くと、早速「ズボン持ってきましたぁ？」と聞かれてので紙袋を見せる。

「黒のパンツですか。良いですねぇー。では着替えましょう！」と青いシャツに黒のパンツに着替えさせられる。

「七五三みたい」

「二人とも似合ってますよぉ。では、行きましょうか」

いつもの壁を潜り、出た先は昨日のビルではなく、大統領でも住んでるんじゃないかというような建物。

だが、白い建物なのに中は何故かおどろおどろしい。

赤い絨毯の上を歩き、大きな扉の前で少し待たされたあと、中へと案内される。

入って一番奥に台座のようなものがあり、そこに大きな椅子がひとつ。

「僕の真似をしてくださいね。左膝を立てて、右手を左胸に当ててください。疲れますけど」

言われた通りにして待っていると、「王が参られる」とリヒトさんの声。

まだかな？と思っていると、突然何かがのしかかるような重圧があり、テオを見ると少し汗をかいているが、アギルは薄ら笑いを浮かべているだけ。

「よく来たなアギル。隣の二人も立ちなさい」

「お久しぶりです王よ」とアギルが言うので、前を見たらきっと骨に冠、黒いマントみたいなのを着た死神の王が居るんだと顔を上げると、黒ではあるが、所々にさりげなく刺繍のあしらわれたお洒落なスーツに、顔が……「アギル？」