妖古書堂のグルメな店主

#6 死神界へ

.

カートに入れていくのは、イチゴにブドウ、パイナップルなどの果物から、野菜類。肉コーナーでは、何の肉だよ！と思うような色の肉など、数種類。

レジの袋は何故か紙。
二人とも両手に持たされ、アギルだけがニコニコとまたビルの屋上へ飛び移ってしまったので、仕方なくエレベーターで屋上へと行く。

「楽しみにしててくださいねぇー。さ、帰りましょう！」

帰宅して直ぐに台所に行ったので、暫くは話しかけても返事もしないだろう。

テオの部屋へと行くと、雑にベッドなどが置いてあったので、位置を決めて置き、マットレスのカバーや布団カバーをつけていく。

「青に白い星の柄って……」

「だ、大丈夫だ。目を瞑ったら見えねーから……」

「そうか？」

テーブルを置いて、絨毯の上に座っていると、「冷蔵庫から持ってきた」とコーラを渡してくれる。

「なぁ、あの街のことだけど……」

「鎮魂した魂の街か？」

「そう。俺、死んだら天国とか地獄とか行くと思ってたんだよ」

「普通はそう思うだろうな。街というか、どちらかと言うと村だな。どちらにも行けなかったものが、あそこで生活するんだ。もちろん誰でもと言う訳には行かない。ただな、どちらにも行けなかったものもいるんだよ。真面目に働いて居たらそんな村でも生活はできる。ただ、無法者みたいなのがいて、俺たちはそんな奴らでも外敵がいたら守らなきゃいけねーし、下っ端はそういう仕事が多いんだ」