天満堂へようこそ 5

浅井 ことは

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記憶と夢

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「儂が話そう。挨拶は省かせてくれ。緊急事態じゃ……狭間の牢が破られ、リアムが逃走した……」

「そんな筈は……各王みんなでしましたのよ?」

「そうだ。あそこは中からは出られんはずだぞ?それに、リアムは怪我もしていただろう?」

「そうじゃ。じゃが、奏太が毒剣に倒れ、今も寝ておる」

「陛下、私が奏太様を守りきれず申し訳有りません……」

「ノア、貴方は怪我はないのね?」

「は、はい」

「なら良かったわ。ちゃんとお守りしたのでしょう?ね?天王……」

「ノアのせいではない。気付かなんだ儂のせいじゃ……」

「ノアと言ったな。その時の状況を教えてくれんか」

魔王に言われ、その時のことをノアが話し、魔王が珍しく何か考えており、幻界の女王さえも顔を歪めている。

「我等三人の力をあの狭間で超えれるものなのか?」

「聞いたことがありません。それに、結月も結界を張りました……中からも外からも干渉出来ないはずです」

「母よ……マー坊もよく聞いてくれ。私がいなかった期間、ずっと禁術の本を読み脱出を試みていた時にわかったことがあるんだが、我らの使う魔法には必ず何処かに綻びや、弱い部分が存在すると書いてあった……もし、アイツがそのことを知っていたのなら、私の術程度は破られる可能性もある」

「じゃとしても、我等の掛けた鎖までは解けまい?」

「どうなってたんだ?」

「千切れておった……」

「そんな事が出来るはず……待って。あの子は賢い子でした。こうなることを予測して、結月のクローンを作ったように、自分のクローンを作って魔力を貯めていたとしたら……?」

「まてまて、それでも手引きがいるだろう?各城の地下の盆からでないと覗けんし、我らと同等の力を持つものが居らねば無理だ」

「親父、例えばだが……魔力の高いものがリアムのクローンか知らないが、それを連れて開けたならってことは無いのか?」

「はっきり言って、結月とお前ならば覗けはするだろうが、それでも手出しはできん」

「取り敢えず、各界厳重にゲートの強化と監視、リアムと不審な動きのものに注意位しかないか……?」

「そうですね。周りにも注意しておかなければいけませんね。ユーリ、結月を頼みます。ノア、ジョナスと奏太さんと結月をお願いね」

「はい」

「ルーカス、お前もそちらでみんなを守れ。ニコル、天王に今は付いている剣士はいない。皆で協力して守れ」

「畏まりました」

「では、1度通信を切るが良いか?」

みんなが頷き通信が切れ、緊張とありえない話でみんな床に座り込んでしまった。

「ルーカス」

「ん?」

「たとえの話はしたが、あり得ると思うか?」

「あいつは頭が良かったし、色々と研究はしていただろうなとは思うが……王三人分の魔力だぞ?」

「そこなんだよ……それに城の地下まで簡単には入れない。おっさん、普段の警備はどうなってる?」

「普段は入口に兵が二人交代でいるが、抜け道もないし、他の城も同じだと思うが……」

「少し考える時間をくれ。奏太を見てくる」
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