45 / 99
天幻界の血
.
しおりを挟む
それから暫く、書類の確認やデザインの変更などをしながら夕方まで会社におり、17時に間に合うように車校へと行く。
1時間の講習と運転とあったが、初めての運転はただ広い道を回るだけでも疲れてしまったが楽しかった。
家に着いたのは20時過ぎ。
食事の準備をしてもらっていると、奥からイヴァンが出てきた。
「お帰りなさいませ。ちょうど食事ですので、テーブルマナーの方を……どの程度お知りになっているか確認したいのですが」
「えーっと、普通?1通りは教えてもらったんだけど」
「王族は常に見られております。粗相さえなければと思っていますが、ダンスなどは?」
「した事ないよ?」
「奏太様の食事の仕方は問題ないと思います。テーブルマナーは各界変わらないと思いますし、兄が教えましたので。ダンスは相手はどうなさるのですか?」
「私がと言いたい所なのですが、もしかしてと思い、魔王付きだったエマ様にお願いをしてきました」
「ん?エマ様?」
「男性のお付きの方は様付で呼ぶことは殆どありませんが、女性には様を付けます。王族の方はそのような気は使わなくとも構いません」
「じゃあさ、相手も王族だったら姫だったりするんだよね?親戚とかそういった人たちのことは?」
「王や妃様のご兄妹であれば様を、そのお子様である方々は王子や姫と言っても外のものですので、それほどお気になさることはありませんが、中にはプライドの高い方も見えますのでご注意を」
夜は魚のムニエルだったが、見られているのに緊張し、何とかこぼさず食べ切ることが出来た。
「姿勢、テーブルマナーなど合格です。明日はゆっくりお食べくださいませ」
「え?いいの?」
「出来る方は、普段はどうであれやらなければならない時は出来ると思っております。ダンスの練習はエマ様の結婚式に披露できれば良いと考えていますが」
「良いですね。姫様と踊られたらいかがですか?」
「やだよ。足踏んだら怒りそうだもん」
「ですが、お誘いがあれば断るのは失礼となりますので」
「いつから?」
「明日からの予定にしております。自動車学校の予定表を見て、最低就寝時間が0時を回らないように配慮しております」
「分かった」
「後こちらを……」
分厚い本を渡され中をみると天界の事が書いてある。
「お時間のある時に読んでいただければ、大体のことはわかるようになっております」
「ノアも読むの?」
「はい。字が読め、話すことも出来ると聞いておりますので。こちらの本はノアさんに。天界でのしきたりや振る舞いなどについても書かれています。かなり古いものですが、今とあまり変わらないので参考にしてください」
「ありがとうございます」
だめだ。もう疲れた……背中が痛い!
ソファに転がっていると、ノアが着替えを持ってきた。
「湯に浸かれば筋肉もほぐれると思います」
「うん。ムーたちは?車のこと話そうと思ったんだけどな」
「作業場で寝てしまったと兄から……それで、やはり姫様のお茶をイヴァンさんが飲んだようでして」
「うそ!やめておいた方がいいって言ったのに」
「姫特性激苦茶だったそうで」
「それで?」
「飲み干されたと……」
「あれ、不味いし苦いし飲み込めなかったよ俺。みんな嫌がってたもん。ユーリさんでさえ顔色変わってたんだから」
「それが、顔色一つ変えずに飲まれたそうで、返って姫様が、もっとすごいの作ってやると……」
「しばらく出てこないね?」
「はい」
お風呂に入ったら寝るからいいよとノアを下げて、ゆっくり湯に浸かって筋肉をほぐしてから、体の温まったいるうちにとベッドに入るとすぐに寝てしまった。
1時間の講習と運転とあったが、初めての運転はただ広い道を回るだけでも疲れてしまったが楽しかった。
家に着いたのは20時過ぎ。
食事の準備をしてもらっていると、奥からイヴァンが出てきた。
「お帰りなさいませ。ちょうど食事ですので、テーブルマナーの方を……どの程度お知りになっているか確認したいのですが」
「えーっと、普通?1通りは教えてもらったんだけど」
「王族は常に見られております。粗相さえなければと思っていますが、ダンスなどは?」
「した事ないよ?」
「奏太様の食事の仕方は問題ないと思います。テーブルマナーは各界変わらないと思いますし、兄が教えましたので。ダンスは相手はどうなさるのですか?」
「私がと言いたい所なのですが、もしかしてと思い、魔王付きだったエマ様にお願いをしてきました」
「ん?エマ様?」
「男性のお付きの方は様付で呼ぶことは殆どありませんが、女性には様を付けます。王族の方はそのような気は使わなくとも構いません」
「じゃあさ、相手も王族だったら姫だったりするんだよね?親戚とかそういった人たちのことは?」
「王や妃様のご兄妹であれば様を、そのお子様である方々は王子や姫と言っても外のものですので、それほどお気になさることはありませんが、中にはプライドの高い方も見えますのでご注意を」
夜は魚のムニエルだったが、見られているのに緊張し、何とかこぼさず食べ切ることが出来た。
「姿勢、テーブルマナーなど合格です。明日はゆっくりお食べくださいませ」
「え?いいの?」
「出来る方は、普段はどうであれやらなければならない時は出来ると思っております。ダンスの練習はエマ様の結婚式に披露できれば良いと考えていますが」
「良いですね。姫様と踊られたらいかがですか?」
「やだよ。足踏んだら怒りそうだもん」
「ですが、お誘いがあれば断るのは失礼となりますので」
「いつから?」
「明日からの予定にしております。自動車学校の予定表を見て、最低就寝時間が0時を回らないように配慮しております」
「分かった」
「後こちらを……」
分厚い本を渡され中をみると天界の事が書いてある。
「お時間のある時に読んでいただければ、大体のことはわかるようになっております」
「ノアも読むの?」
「はい。字が読め、話すことも出来ると聞いておりますので。こちらの本はノアさんに。天界でのしきたりや振る舞いなどについても書かれています。かなり古いものですが、今とあまり変わらないので参考にしてください」
「ありがとうございます」
だめだ。もう疲れた……背中が痛い!
ソファに転がっていると、ノアが着替えを持ってきた。
「湯に浸かれば筋肉もほぐれると思います」
「うん。ムーたちは?車のこと話そうと思ったんだけどな」
「作業場で寝てしまったと兄から……それで、やはり姫様のお茶をイヴァンさんが飲んだようでして」
「うそ!やめておいた方がいいって言ったのに」
「姫特性激苦茶だったそうで」
「それで?」
「飲み干されたと……」
「あれ、不味いし苦いし飲み込めなかったよ俺。みんな嫌がってたもん。ユーリさんでさえ顔色変わってたんだから」
「それが、顔色一つ変えずに飲まれたそうで、返って姫様が、もっとすごいの作ってやると……」
「しばらく出てこないね?」
「はい」
お風呂に入ったら寝るからいいよとノアを下げて、ゆっくり湯に浸かって筋肉をほぐしてから、体の温まったいるうちにとベッドに入るとすぐに寝てしまった。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる