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天幻界の血
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本来ならば、終始和やかに済むはずの晩餐会は、vampire一族の長が来ているにもかかわらず、結月とルーカス、天王の言い合いが続くなか進んでいった。
最初の乾杯から30分も経たないうちから、お風呂での喧嘩の話になり、今は2人とも天界に遊びに来ないなどと言っている。
流石にローズはルーカスとは既に顔見知りで王子とも知っているので、フレッドと仲良く食事を楽しみ、ニコル夫妻とご近所になったのだからと楽しそうに話をしている。
「あ、伊勢海老……俺の……」
運ばれてきた伊勢海老を食べようとしたが、隣に座っていた結月に取られ、その前はステーキも取られ……シェフが代わりにともってきてくれるメインばかり取られてしまい、席を立つ。
「奏太様……」とノアが後についてきたが、落ち着いて食べることも出来ないので、少し外れたところにあった奥の丸いテーブルの所に腰掛ける。
「どうかされましたか?」
「俺のところに来るご飯、みんな取られちゃうし、喧嘩ばっかりしてるから煩くて……」
「今、何か持ってこさせますので」
ノアが取りに行っている間、みんなを見ていると、何だかんだと喧嘩しているようで愉しそうにしている結月とルーカス。
新婚同士仲良く話しているローズ夫妻とニコル夫妻。
イヴァンは天王の世話に忙しく、ユーリも結月たちの世話でいっぱいだった。
その中で自由にみんなからご飯をもらっている2匹に加え、今日はドラゴンの白とグレイ、犬のチョコも来ていて賑やかだ。
ワゴンを引いてノアが戻ってきて食事の準備をしてくれる。
「ノアは食べたの?」
「あの状態ですので……」
「だったら一緒に食べよう?」
「分かりました」そう言ってシェフに合図したのだろう。
他にも食事が並べられ、ノアと食事をする。
「お疲れですか?」
「ん?そんなことは無いよ?また音とか声とかよく響くようになったけど、前よりは酷くないし食欲もあるし。だけどさ、俺あんまり騒がしいのは苦手なのかもしれない……」
「姫様方も久しぶりに天王に会われて喜んでいるのではないかと」
「うん、それはわかるから邪魔したくないって感じかな?」
「ですがあまり離れますと……」
「分かってる。とにかくご飯だけでも確保しないと、お腹すいて寝れなくなっちゃうよ」
食べそびれた伊勢海老やステーキ、サラダにスープと食べ、デザートは数種類あった中から、オレンジのムースを選んでゆっくりと食べる。
いつまで食べているのか結月とルーカスはまだ呑んで食べて騒がしかったが、コーヒーを飲んでいると、天王がここの席は空いておるのか?と側に来た。
「あ、空いてる。席を離れてごめんなさい……」
「良い良い。儂も久しぶりに笑ったわ!まだまだ奴らには負けてはおれんからな。それより、ちゃんと食べたのか?」
最初の乾杯から30分も経たないうちから、お風呂での喧嘩の話になり、今は2人とも天界に遊びに来ないなどと言っている。
流石にローズはルーカスとは既に顔見知りで王子とも知っているので、フレッドと仲良く食事を楽しみ、ニコル夫妻とご近所になったのだからと楽しそうに話をしている。
「あ、伊勢海老……俺の……」
運ばれてきた伊勢海老を食べようとしたが、隣に座っていた結月に取られ、その前はステーキも取られ……シェフが代わりにともってきてくれるメインばかり取られてしまい、席を立つ。
「奏太様……」とノアが後についてきたが、落ち着いて食べることも出来ないので、少し外れたところにあった奥の丸いテーブルの所に腰掛ける。
「どうかされましたか?」
「俺のところに来るご飯、みんな取られちゃうし、喧嘩ばっかりしてるから煩くて……」
「今、何か持ってこさせますので」
ノアが取りに行っている間、みんなを見ていると、何だかんだと喧嘩しているようで愉しそうにしている結月とルーカス。
新婚同士仲良く話しているローズ夫妻とニコル夫妻。
イヴァンは天王の世話に忙しく、ユーリも結月たちの世話でいっぱいだった。
その中で自由にみんなからご飯をもらっている2匹に加え、今日はドラゴンの白とグレイ、犬のチョコも来ていて賑やかだ。
ワゴンを引いてノアが戻ってきて食事の準備をしてくれる。
「ノアは食べたの?」
「あの状態ですので……」
「だったら一緒に食べよう?」
「分かりました」そう言ってシェフに合図したのだろう。
他にも食事が並べられ、ノアと食事をする。
「お疲れですか?」
「ん?そんなことは無いよ?また音とか声とかよく響くようになったけど、前よりは酷くないし食欲もあるし。だけどさ、俺あんまり騒がしいのは苦手なのかもしれない……」
「姫様方も久しぶりに天王に会われて喜んでいるのではないかと」
「うん、それはわかるから邪魔したくないって感じかな?」
「ですがあまり離れますと……」
「分かってる。とにかくご飯だけでも確保しないと、お腹すいて寝れなくなっちゃうよ」
食べそびれた伊勢海老やステーキ、サラダにスープと食べ、デザートは数種類あった中から、オレンジのムースを選んでゆっくりと食べる。
いつまで食べているのか結月とルーカスはまだ呑んで食べて騒がしかったが、コーヒーを飲んでいると、天王がここの席は空いておるのか?と側に来た。
「あ、空いてる。席を離れてごめんなさい……」
「良い良い。儂も久しぶりに笑ったわ!まだまだ奴らには負けてはおれんからな。それより、ちゃんと食べたのか?」
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