34 / 99
仕事復帰
.
しおりを挟む
「その、天王の子になるというのは?やはり儀式が必要なのでは?」
「本来ならばあちらでするのだが、こちらでも簡易式に出来る。後は奏太次第だが……今、各界で色々と問題が起こっている。早いに越したことはない」
「簡易式でも認められるのですか?」
「何、お披露目やら色々と省くだけじゃから、何ら変わりはない。が、待てる時間もないんじゃ。だから来た」
「お、俺に選択肢はないの?」
「無いと言っていい」
「じゃあ、お願いがあるんだけど」
「なんじゃ?」
「ムーとブランと離れたくないし、みんなとも離れたくないから、人間界に居たい……その代わり、天界に行かないといけない時はちゃんと行くから……こっちで暮らしたい……」
「泣くな。お前はお前らしくしておればいい。許可しよう。その代わり儂の事は父と呼んではくれまいか?」
「……はい」
「では、ノアお主にも儂の血を。なにか皿はあるかの?」
「お待ちください」
お皿と蝋燭が用意され、その中に天王の持ってきた小瓶の水が流し込まれる。
「まずは儂の血を。そして奏太の血……」何やら唱えて入るが頭には入ってこない。
だんだんと煙のようなものが上がり、それが一塊になって天王と自分を包む。
その後ノアの血も混ぜて同じことを繰り返す。
「終わったぞ。これで、ノアも儂の臣下となった。が、お主の父と母は今まで通り何も変わらん。その約束だ」
「はい」
「奏太もこれからは儂になんでも言ってくれ。親子なんだから……奏太?どうした?」
「何か……頭がもやもやする。貧血みたいな感じ」
「とにかく横に。天王様、そこのクッションを取ってください。頭の下に!」そう指示し、奥から毛布を持ってきて掛けてくれる。
「ノア、王を使っちゃダメだよ?」
「構わん。必要とあれば息子のために親はなんでもするものだ。ノアよ、良くあるのか?」
「力を使った時によく熱が。それ以外では特には……」
「あの儀式自体は儂等を繋ぐものじゃから、負担はないはずじゃ。奏太、最近変わったことは無かったか?」
「夢を……見たくらいで」
「夢?まさか……いや……」とブツブツと言っているが、だんだんと気持ちが悪くなり、意識が遠のく。
燃える城の前で泣き叫ぶ結月。
それを止めるルーカス。
「母がまだ中に!助けなければ……」
草原も夕焼けより赤く、崩れ落ちていく城。
逃げ惑う人々……
「__奏太!おい、起きろ!」
「ぁ……」
「連絡が来てきてみれば、おっさんも何勝手なことしてるんだ!」
「俺どのくらい寝てた?」
「また呑気なことを。1時間と少しって所だ!何かおかしなところはあるか?」
「お腹がすいたくらい?」
「なら飯でも食いにいけ。お前、魔力は消費してないよな?」
「使ってないよ?」
「おっさんがいきなり奏太とあんな契約交わしたから、ストレスだ!ボケじじい!が、済んだ事だ。幻界の姫としては言うことは無いし喜ばしく思う。ルーカスもだ。ただ、最近お前から魔力を感じるんだ……ダダ漏れだぞ?薬置いておくから、一日三回飲めよ?私も飲んでいるやつだから大丈夫だ」
「本来ならばあちらでするのだが、こちらでも簡易式に出来る。後は奏太次第だが……今、各界で色々と問題が起こっている。早いに越したことはない」
「簡易式でも認められるのですか?」
「何、お披露目やら色々と省くだけじゃから、何ら変わりはない。が、待てる時間もないんじゃ。だから来た」
「お、俺に選択肢はないの?」
「無いと言っていい」
「じゃあ、お願いがあるんだけど」
「なんじゃ?」
「ムーとブランと離れたくないし、みんなとも離れたくないから、人間界に居たい……その代わり、天界に行かないといけない時はちゃんと行くから……こっちで暮らしたい……」
「泣くな。お前はお前らしくしておればいい。許可しよう。その代わり儂の事は父と呼んではくれまいか?」
「……はい」
「では、ノアお主にも儂の血を。なにか皿はあるかの?」
「お待ちください」
お皿と蝋燭が用意され、その中に天王の持ってきた小瓶の水が流し込まれる。
「まずは儂の血を。そして奏太の血……」何やら唱えて入るが頭には入ってこない。
だんだんと煙のようなものが上がり、それが一塊になって天王と自分を包む。
その後ノアの血も混ぜて同じことを繰り返す。
「終わったぞ。これで、ノアも儂の臣下となった。が、お主の父と母は今まで通り何も変わらん。その約束だ」
「はい」
「奏太もこれからは儂になんでも言ってくれ。親子なんだから……奏太?どうした?」
「何か……頭がもやもやする。貧血みたいな感じ」
「とにかく横に。天王様、そこのクッションを取ってください。頭の下に!」そう指示し、奥から毛布を持ってきて掛けてくれる。
「ノア、王を使っちゃダメだよ?」
「構わん。必要とあれば息子のために親はなんでもするものだ。ノアよ、良くあるのか?」
「力を使った時によく熱が。それ以外では特には……」
「あの儀式自体は儂等を繋ぐものじゃから、負担はないはずじゃ。奏太、最近変わったことは無かったか?」
「夢を……見たくらいで」
「夢?まさか……いや……」とブツブツと言っているが、だんだんと気持ちが悪くなり、意識が遠のく。
燃える城の前で泣き叫ぶ結月。
それを止めるルーカス。
「母がまだ中に!助けなければ……」
草原も夕焼けより赤く、崩れ落ちていく城。
逃げ惑う人々……
「__奏太!おい、起きろ!」
「ぁ……」
「連絡が来てきてみれば、おっさんも何勝手なことしてるんだ!」
「俺どのくらい寝てた?」
「また呑気なことを。1時間と少しって所だ!何かおかしなところはあるか?」
「お腹がすいたくらい?」
「なら飯でも食いにいけ。お前、魔力は消費してないよな?」
「使ってないよ?」
「おっさんがいきなり奏太とあんな契約交わしたから、ストレスだ!ボケじじい!が、済んだ事だ。幻界の姫としては言うことは無いし喜ばしく思う。ルーカスもだ。ただ、最近お前から魔力を感じるんだ……ダダ漏れだぞ?薬置いておくから、一日三回飲めよ?私も飲んでいるやつだから大丈夫だ」
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
転生したので生活環境(ダンジョン)作ります。
mabu
ファンタジー
気がついたらダンジョンコアとして転生してしまったので開きなおって生活環境を整えていこうと思います。
普通に環境を整えるのとは違うみたいだけど
好きにしてイイそうなので楽しみます!
書き溜めをしてから投稿していこうと思っていたのですが
間違えて即投稿してしまいました。
コチラも不定期でマイペースに進めていくつもりの為
感想やご指摘等にお応えしかねますので宜しくお願いします。
公爵令嬢は見極める~ある婚約破棄の顛末
ひろたひかる
恋愛
「リヨン公爵令嬢アデライド。君との婚約は破棄させてもらう」――
婚約者である第一王子セザールから突きつけられた婚約破棄。けれどアデライドは冷静な態度を崩さず、淡々とセザールとの話し合いに応じる。その心の中には、ある取り決めがあった。◆◆◆「小説家になろう」にも投稿しています。
異世界で森の隠者のヒモになります。
I
BL
「俺の、俺の大学デビューは!? 返して!?」
大学の入学式へ向かう途中に突然異世界の森に転移した主人公と、森で隠遁生活を送る訳あり美人の異世界ライフ。
森の隠者(アラサー)×主人公(18才)
※基本的に隔日17時更新です。
読んでいただきありがとうございます。エール感謝いたします。
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
お母さん冒険者、ログインボーナスでスキル【主婦】に目覚めました。週一貰えるチラシで冒険者生活頑張ります!
林優子
ファンタジー
二人の子持ち27歳のカチュア(主婦)は家計を助けるためダンジョンの荷物運びの仕事(パート)をしている。危険が少なく手軽なため、迷宮都市ロアでは若者や主婦には人気の仕事だ。
夢は100万ゴールドの貯金。それだけあれば三人揃って国境警備の任務についているパパに会いに行けるのだ。
そんなカチュアがダンジョン内の女神像から百回ログインボーナスで貰ったのは、オシャレながま口とポイントカード、そして一枚のチラシ?
「モンスターポイント三倍デーって何?」
「4の付く日は薬草デー?」
「お肉の日とお魚の日があるのねー」
神様からスキル【主婦/主夫】を授かった最弱の冒険者ママ、カチュアさんがワンオペ育児と冒険者生活頑張る話。
※他サイトにも投稿してます
転生したら『無職』でした~モフモフお兄さんたちに囲まれてスローライフのつもりが商人無双しています~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
悪神を倒して死んだ僕は、異世界に転生してました。もちろん、3人の兄も一緒でした。
ええっ?
こんなとこまで、ついてこないでよ、お兄ちゃん!
エブリスタにも、掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる