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仕事復帰
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「おーい奏太ー!あいつら連れてこーい」遠くから声がするが全く反省の色がない。
わかったとだけ伝えて電話を切りムー達に元に戻ると話して連れていこうとするが、ブランは良いとしてもムーが動かない。
「ニコルさん……」
「ムーさんちょっとだけ我慢してくださいね?」
そう言うと魔法をかけたのかムーが剥製のように動かなくなってしまった。固まったままのムーを抱え作業場に全員で行くと、小鍋に冷まされた茶色い薬が用意されていた。
「余計に悪くなりそうな色なんだけど」
「色はな。ノアがちゃんと見ていたから大丈夫だ」
「大体間違えるって珍しくない?」
「この変色の葉で薬を作ってたんだ。少量ならば肌荒れにも効くからな。ほら、カッパの軟膏とか、ガマ親分の皮膚とかの……」
「何でエマさんは大丈夫でムーとブランがこうなったのか聞きたいんだけど」
「この葉はお茶一杯分であれば人体には影響はないが、ムー達は小さいだろう?効果が出すぎてしまったんだと思うんだ。まさか私も間違ってるとは思わなくて、ノアに言われて気づいた!」
「自信持って言うことじゃないけど?」
「ノアもユーリも見てる前で作ったから間違いはない!」
「姫様、この葉は効果が出てから一時間以上経たないと解毒になりませんし、少量であの色になったのならばもう少し時間をおくべきかと思うのですが」
「ノアは心配性だな。大丈夫だから、ニコル術を解け」
術を解かれたムーを抱き、暴れるのを押さえながら無理矢理薬を飲ませる。同時に元の大きさに戻ったブランも飲んだが、何も変化がない。
「飲んだのにっ!まだ緑……じゃないよぉ。何これ?うわーん!」
「ブランは?」
「あの、変なもようができてます……」
ムーはうぐいす色から黄色に。ブランは薄いクリーム色に黒の斑模様ができ、ルーカスにさらに笑われ、ユーリとノアには説教を食らっていた。
「どうするんだよ。撮影がないからいいものの、結婚式から一週間は行かせないし、プロジェクトにも参加してもらうからね!」
「ま、待て。それはちょっと酷くないか?」
「酷いのはそっちだろ?いつもこいつら実験台にしてさ!流石に俺だって怒るよ」
「そうです。姫は無茶をさせている自覚を持ってください」
「ユーリまで!」
「でも……どうするの?ムー達」
「これできついのならば薄めるしかあるまい。飲ませるのは明日だな」
「僕このままなの?やだよ!」
トテトテトテ……
ガブリッ!
「ムー!やめ……痛い……本気で噛むな馬鹿者!」
足を振って引き離そうとするが、流石のムーもかなり怒っている。
助けるものは誰もおらず、ルーカスに至ってはざまあみろと高笑いしている。
「だから、ごめん!ムー。明日必ず治すから!」
「ほんほひ?」
「ブランも治す。約束するから」
「やら!」
「ヤダって、治すから頼むから離して……」
「ぜっらい?」
「絶対治す!薬草……いや、お前達のために!」
「ムー、お前庭に遊び場欲しがってたよな?作ってもらう?」
「ふん!」
「作る!明日作るから離せ!」
やっと離したムーは、どうだとばかりに結月を睨んでいる。
「結月、俺の噛まれる痛さがわかったか?」
わかったとだけ伝えて電話を切りムー達に元に戻ると話して連れていこうとするが、ブランは良いとしてもムーが動かない。
「ニコルさん……」
「ムーさんちょっとだけ我慢してくださいね?」
そう言うと魔法をかけたのかムーが剥製のように動かなくなってしまった。固まったままのムーを抱え作業場に全員で行くと、小鍋に冷まされた茶色い薬が用意されていた。
「余計に悪くなりそうな色なんだけど」
「色はな。ノアがちゃんと見ていたから大丈夫だ」
「大体間違えるって珍しくない?」
「この変色の葉で薬を作ってたんだ。少量ならば肌荒れにも効くからな。ほら、カッパの軟膏とか、ガマ親分の皮膚とかの……」
「何でエマさんは大丈夫でムーとブランがこうなったのか聞きたいんだけど」
「この葉はお茶一杯分であれば人体には影響はないが、ムー達は小さいだろう?効果が出すぎてしまったんだと思うんだ。まさか私も間違ってるとは思わなくて、ノアに言われて気づいた!」
「自信持って言うことじゃないけど?」
「ノアもユーリも見てる前で作ったから間違いはない!」
「姫様、この葉は効果が出てから一時間以上経たないと解毒になりませんし、少量であの色になったのならばもう少し時間をおくべきかと思うのですが」
「ノアは心配性だな。大丈夫だから、ニコル術を解け」
術を解かれたムーを抱き、暴れるのを押さえながら無理矢理薬を飲ませる。同時に元の大きさに戻ったブランも飲んだが、何も変化がない。
「飲んだのにっ!まだ緑……じゃないよぉ。何これ?うわーん!」
「ブランは?」
「あの、変なもようができてます……」
ムーはうぐいす色から黄色に。ブランは薄いクリーム色に黒の斑模様ができ、ルーカスにさらに笑われ、ユーリとノアには説教を食らっていた。
「どうするんだよ。撮影がないからいいものの、結婚式から一週間は行かせないし、プロジェクトにも参加してもらうからね!」
「ま、待て。それはちょっと酷くないか?」
「酷いのはそっちだろ?いつもこいつら実験台にしてさ!流石に俺だって怒るよ」
「そうです。姫は無茶をさせている自覚を持ってください」
「ユーリまで!」
「でも……どうするの?ムー達」
「これできついのならば薄めるしかあるまい。飲ませるのは明日だな」
「僕このままなの?やだよ!」
トテトテトテ……
ガブリッ!
「ムー!やめ……痛い……本気で噛むな馬鹿者!」
足を振って引き離そうとするが、流石のムーもかなり怒っている。
助けるものは誰もおらず、ルーカスに至ってはざまあみろと高笑いしている。
「だから、ごめん!ムー。明日必ず治すから!」
「ほんほひ?」
「ブランも治す。約束するから」
「やら!」
「ヤダって、治すから頼むから離して……」
「ぜっらい?」
「絶対治す!薬草……いや、お前達のために!」
「ムー、お前庭に遊び場欲しがってたよな?作ってもらう?」
「ふん!」
「作る!明日作るから離せ!」
やっと離したムーは、どうだとばかりに結月を睨んでいる。
「結月、俺の噛まれる痛さがわかったか?」
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