天満堂へようこそ 5

浅井 ことは

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仕事復帰

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「ルーカスさんがすればいいのに」

「王子は面倒腐り屋ですから。それに姫様の結界の方が強力なので」

「そうなんだ。あれ?エマさん寝てるんなら呼んできて貰えばいいけど」

ソファを見ると横になっているのがわかったので言ったのだが、すぐに奏太様!と飛び起きてしまった。

「いいよ寝てて」

「いえ、姫様からも魔王様からも王子と呼ぶようにと言われたんだけど……」

「俺が王子に見える?それより大丈夫なの?」

「大丈夫。姫様から貰った薬は良く効くから。でも、ブランちゃんとムーちゃんが。
特にムーちゃんがショック大きかったみたいで……」

「今呼んできます」

奥にニコルが呼びに行き、進められてソファに座る。

「ルーカスさんが笑ったって聞いたんだけど」

「酷いの。本当に!私も手伝ってて、同じお茶を飲んだんだけど、あの子達だけあんな色になってしまって」

「ショッキングピンクとうぐいす色……」

「あの、お茶だったのですよね?」

「ええ。紅茶の味がしたけど」

「色は何色だったかわかりますか?」

「ノアわかるの?」

「兄に分からないものはわかりませんが、旅での植物のことでしたら兄よりは知識はあると自負しています」

「色は薄いレモン色?だったと思うけど、味は普通だったから」

「奏太様こちらにて少しお待ちいただけますか?姫様に確認してみます」

「エマさんいいかな?」

「構わないわ。今コーヒー煎れるわね」

ノアが走って出ていき、奥からはムーの鳴き声ばかり聞こえる。

「ムー我が儘ばかり言ってないで出てこい!」

「やだもん!」

キリがないとエマに断りを入れて奥の部屋に行き、無理矢理連れ出す。

「ブランは……ここでは小さいままのがいいよな。ムーはよもぎ餅みたいな色だな……」

「結月ちゃんが悪いんだもん!」

「わかってる。手伝ってただけなんだろ?だったらムーやブランが悪い訳じゃないから怒らないし、もしかしたらノアが治してくれるかもしれない」

「本当に?また変な色にならない?見て僕のお手々」

「でも斑は残ってるんだ……何でこの色になったんだろ?エマさんと同じの飲んだんだろ?」

「うん、エマちゃんも飲んだのに何もならなかったんだよ?」

「エマちゃん?」

「そうなの。ブランちゃんはエマさんなんだけど、ムーちゃんはエマちゃんて呼んでくれるのよね」

「仲良くなったんだ。ブランも?」

「はい。一緒に荷物を運びました!」

「良かったな!お友だちができて」

「とても優しいです!」

奏太様とニコルに呼ばれ、ちょっと待っててと言い話を聞きに行く。

「この電話を。今作業部屋と繋がっています」

「え?」

「会社や天満家、それにバー等短縮に入ってますので」

電話を代わると、ノアからでお茶にと煎じた葉の中にお茶に使われる葉と間違えやすい変色の葉が入っていたので元に戻せるとのことだった。
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