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仕事復帰
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「おい、この女からの契約は無効にしたから帰れ」
「え?せっかく人間界に来たのに!初めての契約だったのに親父殿に怒られるではないか」
「そうか、まだ子供か。だったら俺のことも知らんだろうな。ルーカスって聞いたことはないか?」
「魔界の王子の名前を語るでないわ!コワッパ!」
「そうか。なら親父のところにでも送ってやるよ。それで、この奏太。こいつは現天界の王子だ。誰に手をだしたのか身を持って思い知るといい!」
すぐに小さな魔方陣が展開され、吸い込まれるようにグラスと瓶に入ったインプはいなくなってしまった。
「それでどうするんだその女達」
「どうするって言われても……」
「やつを魔界に送ったことですでに女達の記憶はなくなってる筈なんだが、そう言った奴等はまた同じことをする傾向にある」
「ノアこの場合どうするの?」
「大体が魔界のことは魔界の方に任せてましたので。同じことが繰り返されても困るので、姫様に言って結界の一つでも掛けておいて貰えば良いのではないでしょうか?」
「ルーカスさん頼んでもいい?俺もういかないと」
「あぁ、そうだ。お前今日から車の免許取りに行くんだろ?夜道は魔のものが出やすいから気を付けろよ」
「怖いこと言わないでよ。魔界のもののこと?」
「いや、日本には魑魅魍魎とか言うのがいるんだろ?それも含めてだ」
「余計に怖いってば!」
「ノアは着いていくのか?」
「勿論です」
「なら、これ持っていけ」
ポイッと投げて渡されたものは、キーホルダーが二つ。
真ん中に黒い珠が入っているものだった。
「身に付けておくといい。俺の魔力が込められているから、大体のモノは弾くはずだ」
「魔界の王子なのに、陰陽師みたい……」
「あんなのと一緒にするな。天敵だぞ?今も居るらしいじゃないか!忌々しい」
「でもさ、あの人は妖怪退治だと思ったんだけど」
「それはお前達が勝手に思ってるだけで、実話は違うんだよ。じゃぁ、俺はバーに戻るから、ちゃんと身に付けろよ」
ひとまずポケットにしまい、開発部まで急ぐことにした。
「ノア、あのキーホルダーだけど……」
「私も今ポケットに入れていますが大丈夫です。多分保護魔法がかかっているんだと思います」
「でも、珍しくない?」
「もしかしたら、姫様に言われたのかもしれませんよ?ルーカス様も高魔力の方ですので、今まで何もされて来ていなかったのがおかしいくらいですから。本当は使えたけど黙っていた感じでしょうか」
「隠すことなんてないのにね」
「姫様が強すぎるからです。が、前のことを考えると、姫様もルーカス様も優しくなったように感じますが」
「……リアムさんのこと?」
「はい」
「俺も好きだったよ。優しいし、やることが面白いんだ。会えるならまた会いたいけど、無理だろうな……」
「奏太様、開けますが準備はよろしいですか?」
「うん。前は途中になってみんなが頑張ってくれたから、今回は俺頑張るよ」
「え?せっかく人間界に来たのに!初めての契約だったのに親父殿に怒られるではないか」
「そうか、まだ子供か。だったら俺のことも知らんだろうな。ルーカスって聞いたことはないか?」
「魔界の王子の名前を語るでないわ!コワッパ!」
「そうか。なら親父のところにでも送ってやるよ。それで、この奏太。こいつは現天界の王子だ。誰に手をだしたのか身を持って思い知るといい!」
すぐに小さな魔方陣が展開され、吸い込まれるようにグラスと瓶に入ったインプはいなくなってしまった。
「それでどうするんだその女達」
「どうするって言われても……」
「やつを魔界に送ったことですでに女達の記憶はなくなってる筈なんだが、そう言った奴等はまた同じことをする傾向にある」
「ノアこの場合どうするの?」
「大体が魔界のことは魔界の方に任せてましたので。同じことが繰り返されても困るので、姫様に言って結界の一つでも掛けておいて貰えば良いのではないでしょうか?」
「ルーカスさん頼んでもいい?俺もういかないと」
「あぁ、そうだ。お前今日から車の免許取りに行くんだろ?夜道は魔のものが出やすいから気を付けろよ」
「怖いこと言わないでよ。魔界のもののこと?」
「いや、日本には魑魅魍魎とか言うのがいるんだろ?それも含めてだ」
「余計に怖いってば!」
「ノアは着いていくのか?」
「勿論です」
「なら、これ持っていけ」
ポイッと投げて渡されたものは、キーホルダーが二つ。
真ん中に黒い珠が入っているものだった。
「身に付けておくといい。俺の魔力が込められているから、大体のモノは弾くはずだ」
「魔界の王子なのに、陰陽師みたい……」
「あんなのと一緒にするな。天敵だぞ?今も居るらしいじゃないか!忌々しい」
「でもさ、あの人は妖怪退治だと思ったんだけど」
「それはお前達が勝手に思ってるだけで、実話は違うんだよ。じゃぁ、俺はバーに戻るから、ちゃんと身に付けろよ」
ひとまずポケットにしまい、開発部まで急ぐことにした。
「ノア、あのキーホルダーだけど……」
「私も今ポケットに入れていますが大丈夫です。多分保護魔法がかかっているんだと思います」
「でも、珍しくない?」
「もしかしたら、姫様に言われたのかもしれませんよ?ルーカス様も高魔力の方ですので、今まで何もされて来ていなかったのがおかしいくらいですから。本当は使えたけど黙っていた感じでしょうか」
「隠すことなんてないのにね」
「姫様が強すぎるからです。が、前のことを考えると、姫様もルーカス様も優しくなったように感じますが」
「……リアムさんのこと?」
「はい」
「俺も好きだったよ。優しいし、やることが面白いんだ。会えるならまた会いたいけど、無理だろうな……」
「奏太様、開けますが準備はよろしいですか?」
「うん。前は途中になってみんなが頑張ってくれたから、今回は俺頑張るよ」
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