天満堂へようこそ 5

浅井 ことは

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仕事復帰

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少しお待ち下さいと言われたので、近くにある椅子に腰を下ろして、ムーのキャリーバッグも隣に置く。

「すいません、お待たせしてしまって。私、カメラマンの大木と申します。隣にいるのが、奏太君と、ムーくんの衣装やメイクなど専属担当の堀内。内容は聞かれていますか?」

「宜しくお願いします。内容は撮影とだけ……ムーはドッグランだと聞いてますが」

「別々での撮影は禁止と社長の天満様から聞いておりますので、一緒にと思っております。ですので、最初にファッション誌の方から、次からムーくんと天満製品の撮影をし、お昼を挟んでドッグランでの撮影となります」

「はい……今日全部ですか?」

「初めてではないと聞いていますし、有名だったんですよ?モデルSOUTA病に倒れる!って見出しで週刊誌に載ったりと」

聞いてないよそんな事と思いながらも、宜しくお願いしますと準備に取りかかる。

「ノア、俺の事はいいからさ、ムーお願い。後、式場も」

「畏まりました」

撮影は順調に進んでいき、撮る時に気になっていたあの変な掛け声もなく、たまに立ち位置を言われるだけでスムーズに進み、ムーとの撮影はおもちゃで遊んでいればいいだけだったので、楽だった。

だんだんムーも慣れてきたのか、撮影の合間には探検に行くなど楽しんでいたようだ。

お昼前には式場が取れたとノアから報告を受け、結月にも連絡済みだと聞いて安心し、お昼もお弁当だったので、ノアも含めてみんなで食べることにした。

「あの、この後なんですけど、俺達は自分の車で行ってもいいですか?」

「構わないですよ。場所はわかっていますし、特に貸切にはしていませんので」

「どうやって撮るんですか?」

「洋服だけ着てもらって、遊んでいるところを撮影となります。着替えの時だけ呼んでもらえればいいので」

「分かりました。ムー頑張れよ!」

「わん!」

撮影スタジオの入口まで車で来ても良いと言うので、運転手に連絡して迎えに来てもらう。
そのままドッグランまで向かっても、一時間もかからないだろうが、ムーを自由にしてあげたくてキャリーバッグから出す。

「僕、この中嫌い!」

「今からはリードつけて歩けるからもう出たままでいいよ。それにしても、普通に話せない事がこんなにも苦痛だとは思わなかったよ」

「頭の中で会話はできますよね?」

「喋りながら、頭で話すのは物凄く疲れるんだよ……いつも、声に出して喋っちゃうから慣れてないし……」

「僕が話すと、わんわんて聞こえる?」

「そう言えば……ノアは?」

「いえ、普通の犬のように鳴いたりは無いですね。私も会話で慣れてしまってますので」

「でも、オバサマ軍団に囲まれた時や、ほら、あの大学の部長さんに触られた時は唸ってたよな?」

「僕のお尻の危機だったから鳴くよ!」
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