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帰還
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「行くでしょうね。なので奏太様の判断は間違っていないと思います。幻界の姫ですので巨人族の長も顔はしっていると思いますし」
「本当に自由だよね」
「奏太様ももっと自由で良いのですよ?」
「うん、でもお給料貰ってる分はちゃんと働かないといけないと思うんだ」
「ちょっとよろしいですか?」と手を触られるので、なに?と聞くと、「爪の垢を」とバカなことを言っている。
「ちょっと、それは例えであって、本当に飲ませるものじゃないからね?」
「そうなのですか?此方の本に良く書かれていたもので」
「どんな本読んでるんだよ。俺もずっと読んでなかったから、なにか読みたいな。持ってる?」
「私は剣の本ばかりなので。兄は結構持っていますので聞いてみたらどうでしょう?」
「明日にでも聞いてみるよ。今から書斎の方で少し調べ物したいんだけど」
「初めて使われますね」
「なんだか照れ臭いけど」
「コーヒーをお持ちしますので」
「先に行ってるね」
初めて使う書斎の机は会社のよりは小ぶりだが、重厚感があり、椅子もソファのように座り心地がいい。
パソコンも最新式のもので、必要なものはすべて揃っている。
本棚にも色々と仕事に関係する本や資料がたくさん並べられ、最初に入った時とはまた印象が違っていた。
パソコンを起動させ、新商品で思いついたことを箇条書していく。
その中から、若い中高生や独身女性向けのもの。
家庭では普段使えて、収納にも邪魔にならないようなものとさらに分類していき、素材や耐久性などを考え、低コストでできないかと書いていき、今日見てきたものの値段を考えると、使い回しのできるものはセットで3500円。使い捨てならば1500円での販売が望ましいと書き加えておく。
安いのはやはり材料が入っていないのもあるが、失敗した時にはやはり、ケーキミックスなどの粉を買って作ると思ったからだ。
書き上げた時丁度ノアがコーヒーを持ってきてくれたので、そのまま画面を見せる。
ノアが見てくれている横で、コーヒーを飲みながら本棚を見ていく。
辞書や経営などに関するものが多く、あっても魔法に関する書物ばかりだった。
「奏太様、これをこのまま会社のパソコンに送ってしまってもいいのでしょうか?」
「出来るの?俺やり方わからなくて」
「出来ます。資料を作るのに、私の方のパソコンにも送らせてもらいますね。商品のイメージなどはできてますか?」
「うん。でも、企画が通ったら開発部の人とまた一緒でしょ?その時に見せてもらいたいものもあるから、まずは会議通さないとね」
「では、明日の撮影中にでも、私が纏めておきますので」
「うん。ノアも疲れたでしょ?もう休んでいいよ。俺、もう1回温泉入ってから寝るから」
「そうですか?では御言葉に甘えて……流石に私も筋肉がバキバキです」
「みんな疲れてるんだよ。俺もノアも旅ばかりしてたし。じゃぁ、明日ね」
「はい、お休みなさいませ」
「本当に自由だよね」
「奏太様ももっと自由で良いのですよ?」
「うん、でもお給料貰ってる分はちゃんと働かないといけないと思うんだ」
「ちょっとよろしいですか?」と手を触られるので、なに?と聞くと、「爪の垢を」とバカなことを言っている。
「ちょっと、それは例えであって、本当に飲ませるものじゃないからね?」
「そうなのですか?此方の本に良く書かれていたもので」
「どんな本読んでるんだよ。俺もずっと読んでなかったから、なにか読みたいな。持ってる?」
「私は剣の本ばかりなので。兄は結構持っていますので聞いてみたらどうでしょう?」
「明日にでも聞いてみるよ。今から書斎の方で少し調べ物したいんだけど」
「初めて使われますね」
「なんだか照れ臭いけど」
「コーヒーをお持ちしますので」
「先に行ってるね」
初めて使う書斎の机は会社のよりは小ぶりだが、重厚感があり、椅子もソファのように座り心地がいい。
パソコンも最新式のもので、必要なものはすべて揃っている。
本棚にも色々と仕事に関係する本や資料がたくさん並べられ、最初に入った時とはまた印象が違っていた。
パソコンを起動させ、新商品で思いついたことを箇条書していく。
その中から、若い中高生や独身女性向けのもの。
家庭では普段使えて、収納にも邪魔にならないようなものとさらに分類していき、素材や耐久性などを考え、低コストでできないかと書いていき、今日見てきたものの値段を考えると、使い回しのできるものはセットで3500円。使い捨てならば1500円での販売が望ましいと書き加えておく。
安いのはやはり材料が入っていないのもあるが、失敗した時にはやはり、ケーキミックスなどの粉を買って作ると思ったからだ。
書き上げた時丁度ノアがコーヒーを持ってきてくれたので、そのまま画面を見せる。
ノアが見てくれている横で、コーヒーを飲みながら本棚を見ていく。
辞書や経営などに関するものが多く、あっても魔法に関する書物ばかりだった。
「奏太様、これをこのまま会社のパソコンに送ってしまってもいいのでしょうか?」
「出来るの?俺やり方わからなくて」
「出来ます。資料を作るのに、私の方のパソコンにも送らせてもらいますね。商品のイメージなどはできてますか?」
「うん。でも、企画が通ったら開発部の人とまた一緒でしょ?その時に見せてもらいたいものもあるから、まずは会議通さないとね」
「では、明日の撮影中にでも、私が纏めておきますので」
「うん。ノアも疲れたでしょ?もう休んでいいよ。俺、もう1回温泉入ってから寝るから」
「そうですか?では御言葉に甘えて……流石に私も筋肉がバキバキです」
「みんな疲れてるんだよ。俺もノアも旅ばかりしてたし。じゃぁ、明日ね」
「はい、お休みなさいませ」
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