天満堂へようこそ 5

浅井 ことは

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「寝るだけなんだったら、ゲストハウスにいれば?」

「さすが奏太!」

「お前の食費は給料から引いておくからな!」

「はいはい。じゃぁ、俺は早速夜の街に遊びに行ってくるから」

「帰った早々女遊び?魔界でも遊んだじゃん」

「わかってないなぁ。魔界は魔界、人間界は人間界だ!ノア、撮影の間にでも予約すれば、結月に報告できるだろ。頼んだからな」

「わかりました。お気をつけて行ってらっしゃいませ」

「ノアも送り出してどうするんだよ」

「止めても聞かないと思いますが?」

「そうだぞ。あいつは昔から夜になると遊びに何処へと行くから、朝までは帰ってこない」

「溜め息しかでない。王子でしょ?何処かのお姫様と結婚とかないわけ?結月さんも……そうだ、二人が結婚したら良いじゃん」

「馬鹿か?できるわけないだろう?」

「なんで?お似合いだと思うけど?」

「魔界の跡継ぎはルーカスしかいない。幻界の方は代々女性が継いできたから私しかいない。天界も今ではお前しかいないんだ。これの意味がわかるか?」

「うーん、わからない!けど、出来ないのならそれなりの人と結婚するんじゃないの?」

「確かにな。だが、幻界はともかく魔界は争いが耐えないんだ。だから強い女でないとすぐに殺されてしまう」

「それ、すごく物騒な話しなんだけど」

「ユーリ、私がいない間に奏太になにも教えなかったのか?」

「まだ早いかとも思いましたので」

「責任もって教えておけ……嫌だめだ。薬そ……爺、そうだ、爺に教えてもらえ奏太」

これは隠して行くんだとすぐにわかり、じーっと結月を見る。

「な、なんだ?」

「お姉様?」

「ひぃぃぃぃぃ」と結月は転移して逃げ、後にユーリが続く。

「姫はいかがされたのでしょう?」と田中さんが言うので、「わかんないけど」とだけ誤魔化しておいた。

部屋に戻ると、ブランの布団が用意されていて、寝室にはムーとブランのベッドに自分のベッドで広かったのが大分と狭くなってしまったが、遊び盛りの二匹を監視するのにはちょうど良いのかもしれない。
そこで仲良く寝ているのを見ると、可愛いなとつい要らないであろう毛布を掛けてしまう。

「奏太様、明日なのですが……」

「寝ちゃったから、明日キャリーバッグにでもいれて連れていくよ。ブランなんだけど……」

「お爺様に任せますので大丈夫かと思います」

「なら安心だね。それにしても巨人族の所って田中さんにも知られたらダメなの?」

「絶対に止められます」

「そんなに危険なんだ」

「普段はおとなしい一族なのですが、姫様の性格でしょう?必ず何かあると思うのは誰でも同じなんです」

「でも、田中さんが怒ってるの見たことないよ?ユーリさんが怒ってるのも初めて見たし。許可しなかったら勝手に行くと思ったんだよ」
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