72 / 87
東の浮遊城
.
しおりを挟む
「そうですか。雪翔も怖かったでしょう?体におかしなところはないですか?」
「うん、ない。でも、栞さんがあんなに怒るなんて……」
「一つ大切なこと聞きます。尾が出たのは外ですか?結界内ですか?」
「結界の中。目の色も変わってて、金色だった。僕も頑張ったんだけど、出ちゃったから。何かあるの?」
「いえ、これは少し調べます。雪翔は何にも気にしなくていいんですからね?」
下を向いていると、祖母が栞は落ち着いていると言いに来て、「雪翔、花ちゃんと遊んであげてくれる?」と言われたので、ソファで金たちも出してご褒美のおやつをあげ、気に入っている陰陽師の映画をつけてあげる。
「ひーたん、しおりさん見る」
「え?でもお婆ちゃんが大丈夫って言ってたよ?」
「ちなう。まだグルグルなの」
そう言って栞のとこまでピョコピョコと行くので任せ、花に「栞さんの気がおかしいの?」と聞くと、コクンと頷くので、やっぱり力を使いすぎたんだと思い、栞の方に目をやると、「ゆっきーもはなちゃんの治療を受けてくださいー!」と紫狐がヌッと出てくる。
治療を受けている間に寝てしまい、那智に起きろと言われて起きると、背中には侑弥が。
「那智さんがおんぶ紐……」
それだけで目が冴え、早く着替えろと言っている那智を携帯で撮り、朝から怒られながら顔を洗いに行く。
着替えてリビングに行くと、みんな集まっていて、「雪翔、終業式前なんですが、浮遊城に行きます」と言われる。
栞があまり良くないので向こうで療養させるということになり、持っていく荷物には航平がなにかの粉をかけている。
「それ何?」
「荷物にさ、九堂って奴がいたら行けないから、この粉であぶり出ししてるんだよ」
「匂いとかしないのに?」
「悪霊とか、映画であるだろ?なにかに変身したり取り憑かれたりって。そう言うのを引きはがす効果とかあるから、もし居たら姿丸出しになるんだけど、大丈夫そう」
そのあと車椅子にも掛けてもらい、みんなで狐の国に行く。
いつまでも侑弥をおんぶしている那智に、そろそろ下ろしていいんじゃない?と言うと、「寝かせる部屋がわからん!」と言われ、とにかく荷物だけ置いて一緒に部屋を見に行く。
「部屋聞いてるの?」
「入り口からまっすぐ行って突き当りを右。二番目の部屋って言われたんだが、ここだよな?」
「うん。でも、なんで那智さんがおんぶしてたの?」
「栞を俺が抱いて運ぶわけには行かないだろ?叔母上に任せてもよかったんだが、面白がって括りつけてきたんだよ」
「もう一枚写真撮っていい?」
「頼むから消してくれ」
ベビーベッドを見付けて、膝の上で支えて侑弥を下ろしてからベッドに寝かせると、那智の袖を掴んで離さないので、ミルクかもと近くにいた女中に頼む。
「懐かれてるね」
「まぁ、甥だからな。親戚と言ってもいとこの子になるから、言い方は面倒なんだ。従兄弟叔父なんて呼ばないだろ?」
「うん」
「だから叔父。弟の家系だから漢字だと伯父になるけど、細かいことはいいだろ。おじさんて呼ばれたらショックかもしれん。にしても肩がこるな」
「大きくなったもん。もう生まれた時の服きれないんだよ?まだ二ヶ月なのに」
「人の子でもそんなものだろう?」
「多分。でも、この部屋って玩具ばっかり。本棚には絵本もいっぱいあるけど」
「この国でいいところの家の息子だと、三歳くらいから文字や絵などを教える家が多いが、冬弥はしそうにないな」
「三歳でしょ?まだ早いよ?」
「うん、ない。でも、栞さんがあんなに怒るなんて……」
「一つ大切なこと聞きます。尾が出たのは外ですか?結界内ですか?」
「結界の中。目の色も変わってて、金色だった。僕も頑張ったんだけど、出ちゃったから。何かあるの?」
「いえ、これは少し調べます。雪翔は何にも気にしなくていいんですからね?」
下を向いていると、祖母が栞は落ち着いていると言いに来て、「雪翔、花ちゃんと遊んであげてくれる?」と言われたので、ソファで金たちも出してご褒美のおやつをあげ、気に入っている陰陽師の映画をつけてあげる。
「ひーたん、しおりさん見る」
「え?でもお婆ちゃんが大丈夫って言ってたよ?」
「ちなう。まだグルグルなの」
そう言って栞のとこまでピョコピョコと行くので任せ、花に「栞さんの気がおかしいの?」と聞くと、コクンと頷くので、やっぱり力を使いすぎたんだと思い、栞の方に目をやると、「ゆっきーもはなちゃんの治療を受けてくださいー!」と紫狐がヌッと出てくる。
治療を受けている間に寝てしまい、那智に起きろと言われて起きると、背中には侑弥が。
「那智さんがおんぶ紐……」
それだけで目が冴え、早く着替えろと言っている那智を携帯で撮り、朝から怒られながら顔を洗いに行く。
着替えてリビングに行くと、みんな集まっていて、「雪翔、終業式前なんですが、浮遊城に行きます」と言われる。
栞があまり良くないので向こうで療養させるということになり、持っていく荷物には航平がなにかの粉をかけている。
「それ何?」
「荷物にさ、九堂って奴がいたら行けないから、この粉であぶり出ししてるんだよ」
「匂いとかしないのに?」
「悪霊とか、映画であるだろ?なにかに変身したり取り憑かれたりって。そう言うのを引きはがす効果とかあるから、もし居たら姿丸出しになるんだけど、大丈夫そう」
そのあと車椅子にも掛けてもらい、みんなで狐の国に行く。
いつまでも侑弥をおんぶしている那智に、そろそろ下ろしていいんじゃない?と言うと、「寝かせる部屋がわからん!」と言われ、とにかく荷物だけ置いて一緒に部屋を見に行く。
「部屋聞いてるの?」
「入り口からまっすぐ行って突き当りを右。二番目の部屋って言われたんだが、ここだよな?」
「うん。でも、なんで那智さんがおんぶしてたの?」
「栞を俺が抱いて運ぶわけには行かないだろ?叔母上に任せてもよかったんだが、面白がって括りつけてきたんだよ」
「もう一枚写真撮っていい?」
「頼むから消してくれ」
ベビーベッドを見付けて、膝の上で支えて侑弥を下ろしてからベッドに寝かせると、那智の袖を掴んで離さないので、ミルクかもと近くにいた女中に頼む。
「懐かれてるね」
「まぁ、甥だからな。親戚と言ってもいとこの子になるから、言い方は面倒なんだ。従兄弟叔父なんて呼ばないだろ?」
「うん」
「だから叔父。弟の家系だから漢字だと伯父になるけど、細かいことはいいだろ。おじさんて呼ばれたらショックかもしれん。にしても肩がこるな」
「大きくなったもん。もう生まれた時の服きれないんだよ?まだ二ヶ月なのに」
「人の子でもそんなものだろう?」
「多分。でも、この部屋って玩具ばっかり。本棚には絵本もいっぱいあるけど」
「この国でいいところの家の息子だと、三歳くらいから文字や絵などを教える家が多いが、冬弥はしそうにないな」
「三歳でしょ?まだ早いよ?」
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
小児科医、姪を引き取ることになりました。
sao miyui
キャラ文芸
おひさまこどもクリニックで働く小児科医の深沢太陽はある日事故死してしまった妹夫婦の小学1年生の娘日菜を引き取る事になった。
慣れない子育てだけど必死に向き合う太陽となかなか心を開こうとしない日菜の毎日の奮闘を描いたハートフルストーリー。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる