下宿屋 東風荘 3

浅井 ことは

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陰陽の守り神

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「流石に俺にもわからん。お前がいいと思った頃に出てこいと念じればいいんじゃないのか?」

「そうなのかな?だったらもう少し経ってからかな?」

「なぜそう思う?」

「え?勘かな?」

「まぁいい。出てきたら見せてくれ、興味がある」

「わかった。どんな形かもわからないけど連絡するね」

「後、秋彪がたまには社に遊びに来いって言ってたぞ」

「そうなの?いつも会ってる気がしてた」

「まぁな、でも社にはあまり行った事ないだろう?ここの四社は観光客が来るほど賑わってる。東から周り北まで参ると御利益があるとされてる。雪翔もやってみるといい」

「いつ回ってもいいの?」

「午前から回ったら午後には冬の社につく。間には土産物屋や昔の茶屋を再現した所もある。たまには気分転換にいいんじゃないか?秋彪もそう言いたいのだろう。よく喋るくせに、あちらの世界の情報も早いやつだから、もしかしたら知っていたのかもしれん」

那智と別れて家に帰り、下宿に行くと冬弥がご飯を作っていた。

「あれ?どうしたの?」

「残りは海都君だけなので、もう通常にしようと思って。なので夕飯はこちらで食べようと思うんですけど……お昼まだ受け付けなかったようですね」

「うん。ごめんなさい……」

「謝らなくていいです。また少しづつ食べられるようにしていきましょう」

「うん、さっき那智さんと話してたんだけど……」

「那智ですか?」

「東の神社から北の冬の神社まで回ってみたらどうかって」

「それはいいと思いますよ?観光地にもなってますし、なにより今流行のパワースポットとかいうのになってるそうです」

「それ最近?」

「私たちも知らなかったんですけど、最近観光地化してきたとは秋彪から聞いてたぐらいです」

いつでも行っていいと言われたので、込み合いそうな週末はやめて平日に行くことを伝え、夕食の支度を手伝う。

「そこの奥にぬか漬けを置いたんですよ。茄子とか適当に出して切ってください。それが終わったらみんな呼んでください……そこのボタン押したら食事のアナウンス代わりの音楽が鳴りますので」

音楽と聞いていたが、押し間違えたのかと思うくらいうるさいベルが鳴り、それは防犯のベルですと言われ、ラベルを貼ってほしいと頼む。

びっくりしたとみんなが下りてきたので謝り、本当の音はどれなのかと押すと『カノン』が流れたので、静かなのに聞こえるの?と返って疑問を口にしてしまった。

「それが意外に聞こえるんだよ。部屋の天井にスピーカーがついててさ、それの音量の調節も可能だし、俺は音楽はかけないから小さめでもよく聞こえるよ」と隆弘が教えてくれ、海都だけは目覚まし代わりに朝大音量が流されると聞かされた。

「僕、そんな音で起こされたら嫌かも」

「懲りて起きてこればいいんだけどな、それでも寝てるから大したものだと思うよ?」

「耳栓してるとか?」

「してなくてもあいつどこでも寝るからなぁ」

「ほらほら食べちゃってください。雪翔は栞さんが待ってるので家に戻ってください。ちゃんと薬飲むんですよ?」

「はーい」
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