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陰陽の守り神
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リハビリを終えて外の待合に行くと二人が待っていたので、リハビリが月曜と木曜になったと話す。
「減りましたねぇ」
「えっと、2ヶ月くらい?このままだって。ゴムみたいなので足引っ張るんだ……それが痛くて……しばらく筋力を上げるからお休みも多いって言ってたけど……」
「しばらくの辛抱です。その後はまた元に戻るんでしょうかねぇ?」
「そうみたい。今日は足が腫れてたから、軽くして、あとは温めてもらってから電気当ててたけど」
「午前中で終わって良かったです。そろそろ隆弘が来ると思うので行きましょうか」
病院の車椅子は嫌だと言ったので、おんぶしてもらって車まで行って後部座席に乗せてもらう。
「先に家に帰ってください。その後ちょっと車出してもらえます?」
「どこ行くんですか?」
「お楽しみです」
家について、歩行器でリビングまで行き、前に借りたアニメの陰陽師を付けてみる。
自然とみんな出てきて、金と銀もおやつをもらってのんびり見ていると、「臨兵闘者皆陣烈在前!」と九字を切ってあやかしを退治している姿に、金と銀が真似して遊んでいたが、翡翠はじーっとテレビと僕の顔を交互に見ているだけだった。
「雪翔君、うどんにしようと思うんだけど食べれる?」
「少し……」
「じゃあ小さい丼にするわね」
出来たうどんはほんとに三口ぐらいで食べ切れそうな量だったが、ずっと食べてなかったせいか胃が痛く、結局吐いてしまった。
「ごめんなさい……」
「いいのよ。そうだ、夜はお鍋にするから雑炊にしてみる?少しずつなら食べれるかもしれないし」
「うん」
「お豆腐とかなら大丈夫かしら……」
「僕、頑張って食べるから……」
「無理しなくていいのよ?いきなり固形物はまた胃が痛くなっちゃうかもしれないから、少しずつね?」
「うん、わかった。車椅子っていつ直るのかなぁ」
「那智様が持っていったから私にもわからないの。聞いてみましょうか?」
「え?いいよ。なんか悪いし……」
金と銀がいきなり消えたのでなんだろうと思ったら、那智が車椅子を担いでリビングに急に現れたので栞もびっくりしている。
「な、那智様、せめて玄関から……」
「すまん、これを地面に起きたくなくてついな。ほら車椅子だ」
前と同じだと思って、広げて座ってみるとボタンが増えている。
「とにかく一度動かしてみろ」
「う、うん」
ボタンとレバーを動かしてリビングをくるくるっと回ると前と何の変わりも無かった。
「このボタンは何?」
「そうだな……」と玄関に連れていかれ、ボタンを押してみろと言われて押すと、ウィーンと機械の音がしてカシャッと言う。
「次にその横の緑のボタンを押す!」と説明書を見ながら那智が言う。
ウィーッカシャン、カシャン。ウィーン……と動き出し、ゆっくりではあるが玄関の段差を降りてくれる。
反対に登ってみろと言われ、どうやって向き変えるの?と聞くと操作は同じだという。
「何これ……凄い……」
「だろう?前のタイプの新しいやつらしくてな、試作品だそうだ。よかったら使って感想聞かせてくれと言われたから無料だ」
「しばらく使ってていいんですか?」
「あと一週間ほどで治るらしいが、その間に代わりをと言ったらこれを渡された。本当に登るんだな……」
「それって実験?」
「多分?」
「減りましたねぇ」
「えっと、2ヶ月くらい?このままだって。ゴムみたいなので足引っ張るんだ……それが痛くて……しばらく筋力を上げるからお休みも多いって言ってたけど……」
「しばらくの辛抱です。その後はまた元に戻るんでしょうかねぇ?」
「そうみたい。今日は足が腫れてたから、軽くして、あとは温めてもらってから電気当ててたけど」
「午前中で終わって良かったです。そろそろ隆弘が来ると思うので行きましょうか」
病院の車椅子は嫌だと言ったので、おんぶしてもらって車まで行って後部座席に乗せてもらう。
「先に家に帰ってください。その後ちょっと車出してもらえます?」
「どこ行くんですか?」
「お楽しみです」
家について、歩行器でリビングまで行き、前に借りたアニメの陰陽師を付けてみる。
自然とみんな出てきて、金と銀もおやつをもらってのんびり見ていると、「臨兵闘者皆陣烈在前!」と九字を切ってあやかしを退治している姿に、金と銀が真似して遊んでいたが、翡翠はじーっとテレビと僕の顔を交互に見ているだけだった。
「雪翔君、うどんにしようと思うんだけど食べれる?」
「少し……」
「じゃあ小さい丼にするわね」
出来たうどんはほんとに三口ぐらいで食べ切れそうな量だったが、ずっと食べてなかったせいか胃が痛く、結局吐いてしまった。
「ごめんなさい……」
「いいのよ。そうだ、夜はお鍋にするから雑炊にしてみる?少しずつなら食べれるかもしれないし」
「うん」
「お豆腐とかなら大丈夫かしら……」
「僕、頑張って食べるから……」
「無理しなくていいのよ?いきなり固形物はまた胃が痛くなっちゃうかもしれないから、少しずつね?」
「うん、わかった。車椅子っていつ直るのかなぁ」
「那智様が持っていったから私にもわからないの。聞いてみましょうか?」
「え?いいよ。なんか悪いし……」
金と銀がいきなり消えたのでなんだろうと思ったら、那智が車椅子を担いでリビングに急に現れたので栞もびっくりしている。
「な、那智様、せめて玄関から……」
「すまん、これを地面に起きたくなくてついな。ほら車椅子だ」
前と同じだと思って、広げて座ってみるとボタンが増えている。
「とにかく一度動かしてみろ」
「う、うん」
ボタンとレバーを動かしてリビングをくるくるっと回ると前と何の変わりも無かった。
「このボタンは何?」
「そうだな……」と玄関に連れていかれ、ボタンを押してみろと言われて押すと、ウィーンと機械の音がしてカシャッと言う。
「次にその横の緑のボタンを押す!」と説明書を見ながら那智が言う。
ウィーッカシャン、カシャン。ウィーン……と動き出し、ゆっくりではあるが玄関の段差を降りてくれる。
反対に登ってみろと言われ、どうやって向き変えるの?と聞くと操作は同じだという。
「何これ……凄い……」
「だろう?前のタイプの新しいやつらしくてな、試作品だそうだ。よかったら使って感想聞かせてくれと言われたから無料だ」
「しばらく使ってていいんですか?」
「あと一週間ほどで治るらしいが、その間に代わりをと言ったらこれを渡された。本当に登るんだな……」
「それって実験?」
「多分?」
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