旦那様は甘かった

松石 愛弓

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 フランク王子様は護衛にドアを開けさせると、

「フィリオとふたりで話がある! おまえは外に出ていろ!」
 と、ピンクブロンドの女性をつまみ出したのでした。

「ちょっと! ここは私の部屋なのに! 横暴ね!」
 
 ぷりぷり怒りながら出てきた派手な女性は、部屋の前で佇む私とリノンに気付きました。

 ピンクブロンドのゴージャスカール。濃い化粧。大きな胸を強調した洋服。私とは対照的な派手な女性。

 ニヤッと嫌な笑い方をして近づいてきます。

「あ~ら。初めまして奥様。旦那様にはいつもお世話になっております」

 見下し目線の明らかに失礼な態度に、ムカッときました。

「まぁぁ! 何? その馬鹿にした言い方は! 一体、何のお世話をしてもらったっていうのよ!」
「え~~? そんなこと言えませ~ん」
「なっ、なっ、なんですって~~っ!?」
「あ~ら、奥様。美しいストレートブロンドが怒りで逆立っておりますわよ! おほほほほ~っ!」

 嘲るピンクブロンドに、怒りで目がチカチカします。信じられない!

 どうして? 旦那様はあんなに優しかったのに。

 嫌な予感なんて、一度も無かったのに。


 その時、ドアが開きました。

 
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