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 爽やかな風を楽しみながら空を飛んでいると、海が見えてきました。

「海だぁ~っ!」
 ジャックは海に惹き寄せられるように砂浜に降りると、大喜びで波打ち際を全力疾走していきます。

 熱血スポ根ドラマの主人公のような熱い男ジャックを、インコたちは感心しながら見ていました。
「ナンデ 走ルノカシラ?」
「ソコニ 海ガ アルカラサ!」
「ナルホド」

「あっ! 魚が跳ねた! マリーとライに美味しい魚を釣ってあげるよ!」
「本当?」喜ぶマリー。
「「「ジャック、ガンバレ!」」」インコたちの声援を受けて、ジャックはマジックバッグから出した小舟に乗って沖に出ると海釣りを始めました。
 小舟には、マリーとインコたちも乗っています。

「あれ? ライは?」
 釣り糸を海に垂らしながら、ジャックがマリーに聞くと、
「ライも釣りをしてくるって、海に飛んでいったわよ」
「そうか~。ライに負けないようにたくさん釣らないとな。おっ、引いてる!」
 ジャックは30㎝くらいのアジに似た魚を釣りました。

「すご~い!ジャック」
 マリーに褒められ嬉しくなるジャック。
「後で料理してあげるからね。マリーも釣る?」
「うんっ!」
 2人は仲良く釣りを始めました。

「あっ、ライが海面の少し上に浮かんでる。海の中を見てるのかな?」
 マリーが指差し、ジャックと2人でライを見ていると、
 海上に佇んでいたライは、静かにすっと海を指差し、腕を上に振り上げると、直径20mほどの海水の球を海から引き上げました。
 空中に浮かぶ海水の球の中では、巨大マグロがうようよと泳いでいます。

「ジャック、マリー。マグロの群れを獲ったよ!」手を振るライ。
「海水ごと釣るのか?!」
 こんな釣り方は初めて見たとジャックが感心していると、ライの背後に10mほどの巨大なタコのような魔物が海中から現れました。

「ライ、後ろ!!」
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