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永遠の愛を、あなたに

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 あれから、王様殺害に関わった人は一人残らず捕らえられた。
 サファーロは、窃盗団や山賊など悪の組織をくまなく撲滅して、治安の良い国づくりを進めていった。
 国民の税金で私腹を肥やした政治家も何人も捕まえ、税金を減額した。
 産業も栄え、スティファニー王国は、ますます豊かな国になっていった。


 一年後。
 宮殿の外には私たちの結婚を祝おうと、大勢の国民が集まり祝賀ムードに溢れていた。

「お嬢様、とてもお綺麗です! あっ…王太子妃殿下でした…」
「いいのよ、エミリー。これからもよろしくね」
 エミリーは侍女長に就任。

「うわっ! 綺麗だ~! シャルル様…」
「もぅっ! 覗いちゃダメでしょ? モーリス!」
 エミリーに叱られているモーリスは、サファーロの執事に昇格した。

 これから結婚式だというのに、サファーロの美貌の虜になった若い女の子たちがアイドルの追っかけみたいにキャーキャー騒いでいるらしい。
 もう。私の夫なのに。

「シャルル、おめでとう。とっても綺麗な花嫁だわ」
「おばあさま、来てくれたのね」
「あたりまえよ。大事なシャルルの結婚式なんだもの」
 
 元気でにこやかなおばあさまと手を握り合う。
 おばあさまに会うと、いつも幸せな気持ちになれるわ…。

「おばあさまが休憩できる部屋を用意してあるの。ゆっくりしていてね」
「ありがとう、シャルル」
 
 おばあさまを部屋に案内して戻ると、執事が待っていた。
「王太子妃殿下のご家族と仰られる方が、結婚式場の招待状が届いていないと正門でお待ちですが…。如何いたしましょうか?」
 落ち着いた声で告げる。

「私には、父も義母も義妹もおりません。帰っていただいてください。絶対に宮殿内へ入れないで」
「畏まりました」

 虐待された日々が脳裏に浮かび、目眩がする。

「大丈夫ですか?」
 エミリーが体を支えてくれた。
「ありがとう。大丈夫よ」

 辛い記憶はいつかきっと忘れられる。
 そう信じて、私は一歩を踏み出した。


 澄み渡る青空。
 雄々しく巨大な白竜が、結婚式場の教会の上をまるで祝福してくれているかのように旋回している。
 小さな白竜は、サーシャちゃんかしら。
 金粉を降らせながら、ゆっくりと艶やかに舞う白竜の圧倒的な美しさに、感動で胸がいっぱいになってゆく。

「王太子殿下、ばんざ~い!」
「王太子妃殿下、ばんざ~い!」
「ご結婚おめでとうございま~す!」

 巻き起こる拍手と歓声の中、教会で待つサファーロのもとへと向かう。

 教会の扉を開けると、祭壇の前から私に振り向く最愛の人―――

 やさしく甘い眼差しに、ときめきが止まらない。

 これからも、ずっと貴方を愛してる。

 来世も、貴方に愛を誓うわ。











end








最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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