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迷子のペン子ちゃん  その1

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 残暑が暑いざんしょ~♪ なんて思ったので、寒い地方まで飛び空中散歩していると、流氷に乗ったペンギンの子供を見かけたの。

「もしかして、流されちゃったのかしら?」
「助けに行こう!」
 ペンギンの子供が乗る小さな流氷に向かって、カイルと飛ぶ。

「「ペンギンさ~ん! 大丈夫~?」」
 空から声をかけると、

「流氷に乗って遊んでたら、海流に流されちゃったの~! 迷子になっちゃった~!」
 ペンギンさんは慌てて、手をパタパタしてる。

 とりあえず、流氷に着陸し、
「背中に乗せて空を飛ぶから、家まで案内して?」
 と言うと、ペンギンのペン子ちゃんは迷わずカイルの背中に乗った。
 相変わらず、あらゆるジャンルの女子にモテモテのカイル。

「ペン子ちゃんの家は、どの方向?」
「え~~っとね…たぶん、こっち?」
 ペン子ちゃんと話してると、突然、流氷の下から『ズボッ!』っと大きなツノが突き出してきた!
 小さな流氷は、一瞬にして真っぷたつ!

「きゃ~っ!」
 ペン子ちゃんはチャンスとばかりにカイルにしがみつき、ついでにほっぺをくっつけてる。

 なんだその余裕は~!?

 なぜかちっとも怖がってないようにも見えるペン子ちゃんと共に空中へ浮かぶと、大きなツノを持った4mほどの大魚が海中から飛び出し、空中へと姿を現した!
 トビウオのような大きな羽が付いた大魚だ!

「きゃ~っ!」
 またもやカイルにしがみつくペン子ちゃん。
 今度の『きゃ~』は、ちょっと怖がってるみたい?

 大魚は暇なのか、私たちを食べたいのか、空中を素早く飛んで、どこまでも追いかけてくる。

「ルカ! 大魚に何か餌を投げて! 餌を食べてる間に逃げよう!」
「そうね!」

 私はマジックバッグから、大魚の餌になりそうなものを探す。

 これなんか、どうかしら?

 ジョーズのような大きな口を開けたまま追いかけてくる大魚に向かって、投げてみる。

 ズバ~ン! ストライク!

 見事に大魚の大口のド真ん中に入ったわ!

 なのに。

 ペッ。と、大魚は吐き出しちゃったわ。なんでかしら?

「ルカ! 巨大かぼちゃじゃなくて、ハロウィン用の巨大かぼちゃ型ランプだから食べれないよ!」

 どおりで軽いと思ったわ!
 1mの巨大かぼちゃがあんなに軽いわけないもの~。

 それに、魚はかぼちゃを食べるのかしら? 微妙だわ~。

 そうだわ! これはどうかしら?

 私は渾身の2投目を投げた!
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