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さすらいの必殺○○!
しおりを挟むルンタッタ♪ ルンタッタ♪
くるくるくるりん♪と子リスちゃんたちが輪になって踊っているわ。
なんて可愛いのかしら♪
美味しい木の実がたくさん実りそうなので嬉しいのね。
カイル父のレオンさんが開発した年中木の実が実る新種の木を、泉の森に植えたら皆大喜び。
木の周りでコロコロ太った子リスちゃんたちがくるくる踊っていると、それを狙っているようなハイエナ軍団が現れたの。
子リスちゃんたちはまだ気付いていないわ。
ハイエナ軍団がじりじりと距離を詰めていったとき、
ヒュン! ヒュン! ヒュン!!
細長く黄色いものが、ハイエナたち目掛けて飛んできたの。
「「「だっ、誰だ!?」」」
なんとかよけたハイエナ軍団が振り返ると、
チャララ~、チャッチャッチャッチャッチャッチャッ、チャララ~!
ジャカジャ~ン!
という、どこかで聞いた渋いBGMと共に現れた──
「可愛い子リスちゃんたちを食っちまおうなんて、許さねぇぜ!」
と、啖呵を切る1本の木。
渋い着物と草履姿。頭部の枝はちょんまげの形になってるし、さては時代劇マニアね?
「おっ、お前はもしかして、あの、噂の──」
「夏場、大人気で引っ張りだこというお手軽メニューの──」
ハイエナたちが後ずさっているわ。
「ふふふ。俺は夏場だけは大人気! ゴマダレ味とレモン醤油味、どちらにするんだ!」
とうっ!
麺の木は高くジャンプすると、黄色く細長い麺を魔法で茹で始めた!
「さっきの細長い黄色いものは、中華麺だったのか!
くそぅ、当たっても痛くなかったのに思いっきり逃げちゃったじゃないか!」
くやしがるハイエナ軍団たち。
麺の木は茹でた麺を魔法で水もみ、氷で絞めて、大皿に盛ると、
宙を舞うように次々と、錦糸卵、刻みハム、刻みキュウリ、スライストマト、レタスたちがトッピング!
「必殺! 冷やし中華だ!」
突如、森の中に燦然と現れた、出来立てホヤホヤの冷やし中華にハイエナ以外の森の皆も大喜び♪
うぉぉぉぉぉぉ~!
「麺が伸びるまえに食べるんだっ!」
「子リスちゃんを狙っている場合ではないっ!」
「は、早く、ゴマダレをかけてくれ~~~っ!」
早く食べたくて懇願するハイエナたち!
麺の木が、ドヤ顔でゴマダレを振りかけると、
「「「わ~~い! いっただっきま~~す!!」」」
大喜びで冷やし中華に群がるハイエナ&森の動物たちでした。
「「「麺の木さん、ありがとう~!」」」
感謝の舞を踊るかわいい子リスちゃんたちに、爽やかな笑顔を向け、
「達者でな!」
時代劇大好きな麺の木は、1杯の冷やし中華で森の平和を守ったのでした♪
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