63 / 103
森で出会った双葉
しおりを挟む
ある晴れた日の午後、ルカとカイルは山を散歩していました。
木漏れ日がきらきらと輝いて、澄み切ったおいしい空気が流れてゆきます。
道端に小さな双葉が揺れていました。
「カイル、この双葉、羽をパタパタさせてるみたいに動いてる」
「人懐っこくて可愛いなぁ。でも、こんなに小さくて大丈夫なのかな」
双葉はまだ2㎝くらいしかありません。
山で大きく成長できるのか心配になってきたカイルは、植物が速く成長する魔法をかけてあげました。
双葉はにょきにょきと育ち、あっという間に大きな樹になりました。
枝の先には、よく太った大きなえんどう豆のような形のものがたくさん成っています。
そのうちのひとつがカイルの腕の中へ落ちてきました。長さは40㎝くらいです。
「カイル、これ動いてるよ?」
うごめく巨大えんどう豆もどき。
プスッ! プスプスッ!!
「うわっ!」
なぜか蠢く巨大えんどう豆もどきから尖った何かが!
「「「ピヨピヨ♪」」」
尖ったくちばしでえんどう豆もどきの皮を破り現れたのは、5匹の元気なひな鳥たちでした。
一番最初に出会った生き物を親と思うひな鳥たちは、カイルとルカに懐いてきます。
「「「ピヨピヨ♪」」」
頭に乗ったり、肩に乗ったり、大騒ぎです。
「可愛い~♪」
「生まれたばかりなのに成長速いね。どんどん大きくなってる」
さっきのカイルの成長魔法がまだ効いているのか、どんどん大きく成長してゆくひな鳥たち。
5分ほどで30㎝ほどのアヒルのような種類の成鳥になりました。もう走り回っています。
「一緒に散歩する?」
カイルが鳥たちに聞くと、「「「グワ!!」」」と元気のいい返事が返ってきました。
みんなで楽しく散歩していると、湖が見えてきました。
「「「グワグワ!!」」」
水鳥らしく、柿色の水掻きで湖に駆けてゆき、水の中へ入ってゆくと、突撃魚の大群に囲まれてしまいました。
突撃魚は獲物に激突して気絶してるうちに食べてしまうという狂暴な魚です。
水鳥ピンチ!
湖の中から40㎝くらいの突撃魚がミサイルのごとく飛んできます。
ドゥッ!ドゥッ!ドゥッ!
しかし、太い体で意外と上手くかわす水鳥たち!
「「「グワグワ!!」」」
反撃開始とばかりに、激突してくる突撃魚に向かって飛んでゆきました。
真っ向勝負でぶつかりあうのか~?! 水掻きキック炸裂なのか~?!
と思いきや、空中を飛んできた突撃魚のさらに上を飛び、突撃魚の背中に乗ってしまいました!
「アヒルが魚の上に乗って、サーフィンしてる?」
「魚がサーフィンボードみたいだね!」
アヒルと魚が楽しそうなので、思わず観とれるカイルとルカ。
突撃魚の大群が移動するたびに起こる大きな波を、華麗に乗りこなす太いアヒルたちはとてもシュール?!
「「「グワグワ!!」」」
他のアヒルたちも真似をしはじめ、湖ではアヒル5羽が見事に突撃魚サーフィンを乗りこなしています。
なぜかサーフィンの高等技術といわれる、カットバック、オフザリップ、エアリアルまでこなしてしまい、あんた何者やねん展開に!
そのうちアヒルとのサーフィンが楽しくなってきた突撃魚たちは、
『なかなかやるじゃないか!』
『いやぁ~!そんなことあるけど~♪』
というような意思疎通があり、湖で共存することになりました。
「なんだかよくわからないけど、よかったね」
「そろそろお昼だし、湖のほとりでお弁当でも食べましょうか」
「うわぁ。ルカのお弁当、楽しみだ♪」
ルカとカイルが座ってお弁当の包みを開くと、
「「「グワグワグワ!!」」」
アヒルの目がキラン!と光ったかと思うと、突撃魚サーフィン中のアヒルが、次々とルカとカイル目掛けて飛んできました!
どうやらお弁当が気になるようです!
ルカとカイルはアヒルたちと仲良くランチタイムを楽しんだのでした♪
木漏れ日がきらきらと輝いて、澄み切ったおいしい空気が流れてゆきます。
道端に小さな双葉が揺れていました。
「カイル、この双葉、羽をパタパタさせてるみたいに動いてる」
「人懐っこくて可愛いなぁ。でも、こんなに小さくて大丈夫なのかな」
双葉はまだ2㎝くらいしかありません。
山で大きく成長できるのか心配になってきたカイルは、植物が速く成長する魔法をかけてあげました。
双葉はにょきにょきと育ち、あっという間に大きな樹になりました。
枝の先には、よく太った大きなえんどう豆のような形のものがたくさん成っています。
そのうちのひとつがカイルの腕の中へ落ちてきました。長さは40㎝くらいです。
「カイル、これ動いてるよ?」
うごめく巨大えんどう豆もどき。
プスッ! プスプスッ!!
「うわっ!」
なぜか蠢く巨大えんどう豆もどきから尖った何かが!
「「「ピヨピヨ♪」」」
尖ったくちばしでえんどう豆もどきの皮を破り現れたのは、5匹の元気なひな鳥たちでした。
一番最初に出会った生き物を親と思うひな鳥たちは、カイルとルカに懐いてきます。
「「「ピヨピヨ♪」」」
頭に乗ったり、肩に乗ったり、大騒ぎです。
「可愛い~♪」
「生まれたばかりなのに成長速いね。どんどん大きくなってる」
さっきのカイルの成長魔法がまだ効いているのか、どんどん大きく成長してゆくひな鳥たち。
5分ほどで30㎝ほどのアヒルのような種類の成鳥になりました。もう走り回っています。
「一緒に散歩する?」
カイルが鳥たちに聞くと、「「「グワ!!」」」と元気のいい返事が返ってきました。
みんなで楽しく散歩していると、湖が見えてきました。
「「「グワグワ!!」」」
水鳥らしく、柿色の水掻きで湖に駆けてゆき、水の中へ入ってゆくと、突撃魚の大群に囲まれてしまいました。
突撃魚は獲物に激突して気絶してるうちに食べてしまうという狂暴な魚です。
水鳥ピンチ!
湖の中から40㎝くらいの突撃魚がミサイルのごとく飛んできます。
ドゥッ!ドゥッ!ドゥッ!
しかし、太い体で意外と上手くかわす水鳥たち!
「「「グワグワ!!」」」
反撃開始とばかりに、激突してくる突撃魚に向かって飛んでゆきました。
真っ向勝負でぶつかりあうのか~?! 水掻きキック炸裂なのか~?!
と思いきや、空中を飛んできた突撃魚のさらに上を飛び、突撃魚の背中に乗ってしまいました!
「アヒルが魚の上に乗って、サーフィンしてる?」
「魚がサーフィンボードみたいだね!」
アヒルと魚が楽しそうなので、思わず観とれるカイルとルカ。
突撃魚の大群が移動するたびに起こる大きな波を、華麗に乗りこなす太いアヒルたちはとてもシュール?!
「「「グワグワ!!」」」
他のアヒルたちも真似をしはじめ、湖ではアヒル5羽が見事に突撃魚サーフィンを乗りこなしています。
なぜかサーフィンの高等技術といわれる、カットバック、オフザリップ、エアリアルまでこなしてしまい、あんた何者やねん展開に!
そのうちアヒルとのサーフィンが楽しくなってきた突撃魚たちは、
『なかなかやるじゃないか!』
『いやぁ~!そんなことあるけど~♪』
というような意思疎通があり、湖で共存することになりました。
「なんだかよくわからないけど、よかったね」
「そろそろお昼だし、湖のほとりでお弁当でも食べましょうか」
「うわぁ。ルカのお弁当、楽しみだ♪」
ルカとカイルが座ってお弁当の包みを開くと、
「「「グワグワグワ!!」」」
アヒルの目がキラン!と光ったかと思うと、突撃魚サーフィン中のアヒルが、次々とルカとカイル目掛けて飛んできました!
どうやらお弁当が気になるようです!
ルカとカイルはアヒルたちと仲良くランチタイムを楽しんだのでした♪
0
お気に入りに追加
705
あなたにおすすめの小説
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる