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第1章 転生して女の子になりました。(小学校1年生)
第3話 今世は可愛い女の子
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左腕をがっしりと掴む女の子。
右腕をがっしりと掴むこれまた女の子。
そして2人に挟まれる私、女の子。
いやはやどうしてこうなった。
ある冬の日。
冷たい風に窓が揺れ、街を歩く人々があったかい服を着込んでいる季節。
そんな一日に俺は、いや、私は生まれました。
生まれたときから意識がありしっかりと前世の記憶と女神様と話したことは覚えていて、暖かいタオルに包まれた私を抱く二人の腕は暖かかくて心から安心出来ました。
これは後でお母さんに聞いた話だけれど、この時のお父さんは号泣していたそうです。
ただあまりにも号泣顔が汚すぎてお母さんが父から私を奪い取ったらしいけど。
奪い取ったときの絶望顔は今でも記憶に残っていると、お母さんは笑顔で言っていました。
私がその顔を見れなかった理由は生まれたばかりの私には殆ど何も見えなかったからです。
勿論視覚障害とかではなく、生まれたばかりの赤ちゃんとはそういうもののようです。
ぼやっとした視界に不安になって盛大に泣いてしまったのは忘れたい記憶です!
こうして俺は転生して、私になりました。
何を言ってるのか分からないと思いますが言葉の通りである。
私こと諸弓千佳は女の子として生まれたのです。
神様は何を思って俺を私にしたのでしょうか。
人生が最高のものになるって言っていたけれど、女の子の方が最高になれるということでしょうか。
まぁきっと神様は私のことを想ってやってくれているはず。
何故なら、女の子に生まれたこと、お母さんに授乳をしてもらうこと、漏らしてオムツを交換してもらうこと、これらは前世の記憶を持っている私からすれば恥ずかしいことだらけなはず。
けれど私は不思議と受け入れることが出来ました。
この現象には神様の力が働いてるのではと私は考えました。
それにこれが無かったら今頃お漏らしの恥ずかしさでもう一回死んじゃう所です。
これからは毎日神様に祈りを奉げようと誓った私でした。
そんなカルトな私が生まれてから1年、なんと妹が生まれました!
前世は兄がいましたが妹も弟もいなかったので新鮮な気持ちです。
妹の名前は恵。
私が一ヶ月必死に呼び方を考えた結果、私の脳内会議満場一致でメグちゃんと呼ぶことに決定。
メグちゃんが私の手を握ったとき、私はこの子を一生涯守ろうと誓いました。
だって可愛いし柔らかいんだもの!
こんなの大好きになるに決まってる、ずるい。
でも可愛い妹をくれてありがとう、そう私は神様に祈ったのです。
それから1ヶ月、お隣さんの家にも赤ちゃんが生まれました!
これまた女の子で名前は千草花。
こちらも一ヶ月必死に呼び名を考えて、脳内会議にて花ちゃんと呼ぶことに決定。
この子も可愛いんですよこれが!
一生涯とは言わずとも、この子が結婚するまで守ってみせよう。
その後は旦那さんが守ってくれるだろうから。
……もしも彼氏を連れてきたとしてもそう簡単にはくれてやるつもりはないがね!
そんな感じで妹が2人いるかのような状態になった私は、特に大きな出来事もなく健やかに成長していきました。
いやぁ神様ありがとう。本当に。
毎日この子たちといるだけで生まれてよかったなと思うのです。
円満な家庭、可愛い妹たち、まだ女の子としての生活には慣れないけれど、少なくとも今世が期待に満ち溢れたものだということは身に沁みて分かりました。
そして生まれてから六年が経過して。
随分とあっという間に感じるのは多くの時間を寝て過ごしているからかもしれません。
いやさ、子供って体力無いのね。すぐに眠たくなってしまうんだよ。
だから一年一年がとても短く感じました。
妹と幼馴染と遊びながら偶には一人でぼんやりしながら、六年間ずっと考えていたことがあります。
せっかく生まれ変わったのだ、私は前世に出来なかったことやりたい。
妹や幼馴染と遊びに行くのは勿論、両親とも沢山思い出を作って周りの人に好かれるような、そんな私になりたい。
そう思うのはやはり前世を後悔しているということかもしれません。
ともあれ今世こそは好きなことをやって沢山の友達と笑って過ごしたい。
――考え事の日々が過ぎ、明日は小学校の入学式。
右腕をがっしりと掴むこれまた女の子。
そして2人に挟まれる私、女の子。
いやはやどうしてこうなった。
ある冬の日。
冷たい風に窓が揺れ、街を歩く人々があったかい服を着込んでいる季節。
そんな一日に俺は、いや、私は生まれました。
生まれたときから意識がありしっかりと前世の記憶と女神様と話したことは覚えていて、暖かいタオルに包まれた私を抱く二人の腕は暖かかくて心から安心出来ました。
これは後でお母さんに聞いた話だけれど、この時のお父さんは号泣していたそうです。
ただあまりにも号泣顔が汚すぎてお母さんが父から私を奪い取ったらしいけど。
奪い取ったときの絶望顔は今でも記憶に残っていると、お母さんは笑顔で言っていました。
私がその顔を見れなかった理由は生まれたばかりの私には殆ど何も見えなかったからです。
勿論視覚障害とかではなく、生まれたばかりの赤ちゃんとはそういうもののようです。
ぼやっとした視界に不安になって盛大に泣いてしまったのは忘れたい記憶です!
こうして俺は転生して、私になりました。
何を言ってるのか分からないと思いますが言葉の通りである。
私こと諸弓千佳は女の子として生まれたのです。
神様は何を思って俺を私にしたのでしょうか。
人生が最高のものになるって言っていたけれど、女の子の方が最高になれるということでしょうか。
まぁきっと神様は私のことを想ってやってくれているはず。
何故なら、女の子に生まれたこと、お母さんに授乳をしてもらうこと、漏らしてオムツを交換してもらうこと、これらは前世の記憶を持っている私からすれば恥ずかしいことだらけなはず。
けれど私は不思議と受け入れることが出来ました。
この現象には神様の力が働いてるのではと私は考えました。
それにこれが無かったら今頃お漏らしの恥ずかしさでもう一回死んじゃう所です。
これからは毎日神様に祈りを奉げようと誓った私でした。
そんなカルトな私が生まれてから1年、なんと妹が生まれました!
前世は兄がいましたが妹も弟もいなかったので新鮮な気持ちです。
妹の名前は恵。
私が一ヶ月必死に呼び方を考えた結果、私の脳内会議満場一致でメグちゃんと呼ぶことに決定。
メグちゃんが私の手を握ったとき、私はこの子を一生涯守ろうと誓いました。
だって可愛いし柔らかいんだもの!
こんなの大好きになるに決まってる、ずるい。
でも可愛い妹をくれてありがとう、そう私は神様に祈ったのです。
それから1ヶ月、お隣さんの家にも赤ちゃんが生まれました!
これまた女の子で名前は千草花。
こちらも一ヶ月必死に呼び名を考えて、脳内会議にて花ちゃんと呼ぶことに決定。
この子も可愛いんですよこれが!
一生涯とは言わずとも、この子が結婚するまで守ってみせよう。
その後は旦那さんが守ってくれるだろうから。
……もしも彼氏を連れてきたとしてもそう簡単にはくれてやるつもりはないがね!
そんな感じで妹が2人いるかのような状態になった私は、特に大きな出来事もなく健やかに成長していきました。
いやぁ神様ありがとう。本当に。
毎日この子たちといるだけで生まれてよかったなと思うのです。
円満な家庭、可愛い妹たち、まだ女の子としての生活には慣れないけれど、少なくとも今世が期待に満ち溢れたものだということは身に沁みて分かりました。
そして生まれてから六年が経過して。
随分とあっという間に感じるのは多くの時間を寝て過ごしているからかもしれません。
いやさ、子供って体力無いのね。すぐに眠たくなってしまうんだよ。
だから一年一年がとても短く感じました。
妹と幼馴染と遊びながら偶には一人でぼんやりしながら、六年間ずっと考えていたことがあります。
せっかく生まれ変わったのだ、私は前世に出来なかったことやりたい。
妹や幼馴染と遊びに行くのは勿論、両親とも沢山思い出を作って周りの人に好かれるような、そんな私になりたい。
そう思うのはやはり前世を後悔しているということかもしれません。
ともあれ今世こそは好きなことをやって沢山の友達と笑って過ごしたい。
――考え事の日々が過ぎ、明日は小学校の入学式。
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