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(日常小話)My favorite song is...
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side かなてぃ
「そういや結城って普段どんな歌聴くん?」
昼休み。
俺はいつも結城空と一緒にご飯を食べる。
机を繋げて仲良く向かい合いながら他愛の無い話をして米をむさぼる。
俺の至福の時間だ。
「えーなんだろ。プレイリスト見る?」
「お、見たい」
「おっけー」
結城はニコッと天使のスマイルを俺に向けると、カバンをガサゴソと漁り始める。
はぁ…ほんと可愛いよな、結城って。
結城にはひよし先生という恋人がいる。
どこがいいのかわかんないけど、結城はひよし先生にゾッコンだ。
正直、俺の入り込む隙間はない。
「はい、こんな感じ」
そう言うと、結城は曲のプレイリストを見せてくれた。
「すげー、結構いっぱい入ってるな。アニソンから洋楽まで」
「へへ、幅広いでしょ」
結城が得意げな表情を見せる。
「…ったく、イチイチかわいい顔しやがって」
「え、なに?」
「なんでもねー」
俺の呟きは聞こえなかったみたいだ。
「かなてぃって最近独り言多いよね」
結城が楽しそうに笑う。
お前のせいで増えたんだよ。
お前に聞こえないようにお前のことを呟いてんだからな。
「つーかさ、結構知らないアーティストも入ってるな。」
俺はプレイリストを見ながら言った。
「え、例えば?」
結城が画面を覗き込むように俺に顔を寄せる。
「おま…っ、ちけーよ!」
突然急接近した可愛い顔に思わず照れて言ってしまう。
「あ、ごめん」
結城が元の位置に戻ろうとしたので慌てて止める。
「いや、わりぃ!もっと近寄っていいよ」
「どっちだよぉ」
結城が頬を膨らませて言う。
天使かよ。
「近寄れください」
「なにそれ」
ふふ、と笑いながら再び結城が近付く。
ドキドキと高鳴る胸の鼓動を誤魔化すように言った。
「ほ、ほらこのGLAYとかさ。これバンド名?俺知らないんだけど」
「あー、これは…」
結城が一瞬口ごもり、少し顔を赤らめて言った。
「ひよしさんが高校生のときに好きだったバンドなんだってさ。ひよしさんに教えてもらって聴いてみたら僕もちょっと好きになったんだ」
少し照れたように結城が言った。
「へー、そうなんだ」
ひよしさんという言葉に胸がチクリとするのを感じながら俺は気のない返事をしてしまう。
「僕とひよしさんって一回り以上年が離れてるでしょ?だから知ってる歌とかも違うんだよね」
「ジェネレーションギャップってやつだな」
「うん。でも、僕楽しいよ。知らない事をたくさん知ることができるし。それに、嬉しいんだ。ひよしさんのことを少しずつ知っていけることが」
そう言った結城はマジで幸せそうな顔をしていた。
結城にはひよし先生という恋人がいる。
どこがいいのかわかんないけど、結城はひよし先生にゾッコンだ。
正直、俺の入り込む隙間はない。
でも…俺は結城の幸せそうな顔を見るのが好きだ。
「あ…っ、ごめん…」
俺が結城の顔をずっと見ていたからか、結城はハッとした顔をして、次に顔を赤らめて謝った。
「はは、なに謝ってんだよ。なぁなんかオススメの曲ねーの?」
「あ、聴く?これとかオススメだよ」
そう言って俺にイヤホンを進めてきた。
2人で片方ずつイヤホンをはめて結城のオススメの曲を聴く。
そんな昼休み。
俺の至福の時間だ。
END
「そういや結城って普段どんな歌聴くん?」
昼休み。
俺はいつも結城空と一緒にご飯を食べる。
机を繋げて仲良く向かい合いながら他愛の無い話をして米をむさぼる。
俺の至福の時間だ。
「えーなんだろ。プレイリスト見る?」
「お、見たい」
「おっけー」
結城はニコッと天使のスマイルを俺に向けると、カバンをガサゴソと漁り始める。
はぁ…ほんと可愛いよな、結城って。
結城にはひよし先生という恋人がいる。
どこがいいのかわかんないけど、結城はひよし先生にゾッコンだ。
正直、俺の入り込む隙間はない。
「はい、こんな感じ」
そう言うと、結城は曲のプレイリストを見せてくれた。
「すげー、結構いっぱい入ってるな。アニソンから洋楽まで」
「へへ、幅広いでしょ」
結城が得意げな表情を見せる。
「…ったく、イチイチかわいい顔しやがって」
「え、なに?」
「なんでもねー」
俺の呟きは聞こえなかったみたいだ。
「かなてぃって最近独り言多いよね」
結城が楽しそうに笑う。
お前のせいで増えたんだよ。
お前に聞こえないようにお前のことを呟いてんだからな。
「つーかさ、結構知らないアーティストも入ってるな。」
俺はプレイリストを見ながら言った。
「え、例えば?」
結城が画面を覗き込むように俺に顔を寄せる。
「おま…っ、ちけーよ!」
突然急接近した可愛い顔に思わず照れて言ってしまう。
「あ、ごめん」
結城が元の位置に戻ろうとしたので慌てて止める。
「いや、わりぃ!もっと近寄っていいよ」
「どっちだよぉ」
結城が頬を膨らませて言う。
天使かよ。
「近寄れください」
「なにそれ」
ふふ、と笑いながら再び結城が近付く。
ドキドキと高鳴る胸の鼓動を誤魔化すように言った。
「ほ、ほらこのGLAYとかさ。これバンド名?俺知らないんだけど」
「あー、これは…」
結城が一瞬口ごもり、少し顔を赤らめて言った。
「ひよしさんが高校生のときに好きだったバンドなんだってさ。ひよしさんに教えてもらって聴いてみたら僕もちょっと好きになったんだ」
少し照れたように結城が言った。
「へー、そうなんだ」
ひよしさんという言葉に胸がチクリとするのを感じながら俺は気のない返事をしてしまう。
「僕とひよしさんって一回り以上年が離れてるでしょ?だから知ってる歌とかも違うんだよね」
「ジェネレーションギャップってやつだな」
「うん。でも、僕楽しいよ。知らない事をたくさん知ることができるし。それに、嬉しいんだ。ひよしさんのことを少しずつ知っていけることが」
そう言った結城はマジで幸せそうな顔をしていた。
結城にはひよし先生という恋人がいる。
どこがいいのかわかんないけど、結城はひよし先生にゾッコンだ。
正直、俺の入り込む隙間はない。
でも…俺は結城の幸せそうな顔を見るのが好きだ。
「あ…っ、ごめん…」
俺が結城の顔をずっと見ていたからか、結城はハッとした顔をして、次に顔を赤らめて謝った。
「はは、なに謝ってんだよ。なぁなんかオススメの曲ねーの?」
「あ、聴く?これとかオススメだよ」
そう言って俺にイヤホンを進めてきた。
2人で片方ずつイヤホンをはめて結城のオススメの曲を聴く。
そんな昼休み。
俺の至福の時間だ。
END
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