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第2章~竜と少女たち~
5話「わたし!竜王様に会いました!②」
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「えええええええええええええ!?」
わたしは小竜の言葉に絶叫した。
突然叫んだわたしに小竜は訝しげな視線を送ってきますが、こんな事を言われれば誰だって驚くはずです!
それに、小竜と呼ぶのは失礼だったかもしれません。
わたしは60センチにも満たない小さな姿に呆気にとられつつ、再度確かめるように尋ねました。
あ、あ、手が震えます。
「り、竜王・・・様?」
「もぐもぐ、うむ。いかにも。もぐもぐ」
穴だらけで香ばしい香りのするエメンタールチーズを頬張りながら、小竜・・・じゃなくて、竜王ウロボロス様が頷きました。
え、いや、だって、こんな小さな赤ちゃんドラゴンがあのウロボロス様だなんて、正直信じられません!
だって伝承では、竜王様は20メートル以上ある巨体だと語られていましたし、そっちの方が竜王っぽいじゃないですか!それっぽい貫禄がありそうじゃないですか!イメージ的に!!
てっきりわたし、この子竜は竜王様の眷属か何かだと思ってましたし・・・。
まさかご本人だとは・・・。
「ふむ、お主には食料を恵んでもらった恩があるからの。特別に見せてやろう。よく見るのだぞ?」
慌てふためくわたしの様子を見て頷いたウロボロス様は、コクンと大きな頭を縦に振ります。
どうやらウロボロス様自身も、今の姿が他人にどう見られているのかよくわかっているご様子。でも、何をするんでしょうか?
ウロボロス様は「よっこらせ」とおじさん臭い台詞を言うと、トテトテと短い足のせいか少々おぼつかない足取りでどこかに向かっていきます。
太い尻尾を引きずっているので、歩いた後に跡が残っているのが結構可愛いですね。
「あの?一体?」
「まぁ見ておれ」
ウロボロス様は洞窟の壁の近くまで近付くと、片手を振り上げ、引っ掻いたのです。
すると起こった事は・・・あぁ、なんと言う事でしょうか。わたしは幻覚でも見た気分を味わいました。
スガァァァア!!
瞬間、まるで鋼鉄の破城槌でも使ったかのような破壊音と、壁だった物の破片が飛び散りました。
モクモクと砂煙が上がる中、ウロボロス様の前に立つ壁に大きな爪痕が残されています。それはとても大きな亀裂でした。
多分・・・軽く引っ掻いただけで6メートルほどの高さまで斬撃が伸び、壁が抉られてしまったのです。
縦に走った5本の凶悪な線に、わたしは目が離せません。
「さて?こんな事が普通の子竜にできるかの?」
ウロボロス様は意地悪そうに笑みを浮かべながら、わたしの方へ振り向きます。たぶん、わたしに驚かされた仕返しをしたと思っているのかもしれません。
ですがわたしは、そんはことに気付けるほど余裕はありませんでした。
だ、だって、まさか・・・本当に。
「竜王ウロボロス様・・・なのですか?」
震える声を抑える事ができず、わたしはそう尋ねます。
すると竜王様は首を横に振って否定的な反応を示してきました。あれ?
「我は竜王の称号を捨てた。今の我はただのウロボロスであるぞ?」
そう言っていますが・・・え?竜王様が竜王様じゃない?えっと?つまり?
「どういうことなんですか?」
「ふーむ。どういう事と言われても・・・もう勇者に倒されるだけの人生を終わらせたくての」
竜王・・・じゃなくて、ウロボロス様はそう言うと疲れたような目をして虚空を眺めました。
そ、そうですよね。よく考えてみたら、ウロボロス様は何度も死を経験しているのですよね。そりゃあ、やめたくなりますよ。
わたしだってやめたいし。
というかドラゴンなのに人生なのでしょうか?と、小さな疑問が生まれますが、気にしないでおきます。
でも、あ、そういう事だとウロボロス様には貢物はいらないんじゃ・・・いえ、食料のことではなくわたし・・・。
「そういえば、お主はなぜここにおるのだ?ここは危険だし、女子1人で来るのは危ない・・・ぞ?」
ウロボロス様が心配そうに言ってくれますが、なぜ最後わたしの腕を見て疑問符を付けたんですかねー?
危ないですかね?わたし、いくらなんでも魔物とか素手で倒せませんからね?
そもそもわたしがここに送られたのはあなたが原因なんですけど・・・と、わたしはここに来た理由と経緯をウロボロス様に伝えました。
あ、笑顔が引きつっていらっしゃる。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?生贄ってなんだ!!我はそんなもの貰ったことないし要求したこともないぞ!?」
ウロボロス様、大変混乱・・・というよりご立腹の様子。
「クソ!ニンゲン共め!また我にあらぬ罪を着せようというのか!」
この様子を見ると、本当に生贄を欲していかなかったようです。
わたしはそんな慌てふためくウロボロス様を尻目に、生贄を言い渡された時のことを思い出していました。
今思えば、誰もわたしのことを見てなかったんだと思います。
叔母さんも村長さんも、生贄と宣言されることもすべて手順のように感じました。
わたしのことを道具・・・とまでは言いませんが、少なくとも悲しんでいるのは口だけで、みんな同じ目をしていました。
叔母さんがおかしくなった、あの日のような濁った目。
あの時集まった全てのエルフが、そんな目をしていました。
何がしたかったんでしょう?今だから言えることですけど、わたしたち・・・というより、ウロボロス様を利用しようとしているような、そんな感じがするんです。
つまり、わたしはあの場では「何か」をする手段でしかなかったんです。
「ウロボロス様」
「そもそも邪竜が生娘を要求するのが古いって、なんであるか?」
わたしが話しかけると、1人でブツブツと呟いていたウロボロス様はくるりとこちらへ向いてくれました。
これを聞くのは、いわゆる「地雷」というやつなのでしょうか?でもわたしは、たぶんこの事を聞かなければならない気がするんです。
深呼吸をし、わたしはウロボロス様に尋ねました。
「・・・ウロボロス様の素材は、どれほどの額で取引されるのですか?」
「なぜ、そんな事を聞く?」
ウロボロス様の瞳が鋭くなります。黄色い爬虫類じみ瞳が、爛々と光っているようにも感じました。
わたしの質問はウロボロス様の怒りを、少し触れてしまったようです。その瞳は、わたしの心臓が握られてしまったかのような緊張感を与えて来ます。
わたしは小さく息を呑み、改めてウロボロス様の疑問に答えました。
「たぶん・・・きっとそれが、叔母さんたちの目的なんです。わたしは知りたい。叔母さんに村長さん・・・みんなが何を企んでるのか」
わたしは力を込めて、ウロボロス様に言いました。
まるで叔母さんが悪人のような言い方をしてますが、メリーア叔母さんも最初はとても優しかったんです。両親をなくしたわたしとサエラを引き取ってくれましたし。
一緒に遊んだり、竜の巫女姫の修行もさせてもらいました。いっぱい良い思い出があるんです。
それは、たぶん本物でした。演技とか利害を求めてやっているとかそんなんじゃなかったと思います。
確かに、時々何か吹っ切れたような顔はしてましたが。
叔母さんも、善人だったんです。
でも変わってしまった。いえ、変わるというより叔母さんは、隠していた何かを吐き出すように本性を現したんです。
「ウロボロス様・・・あなたには、秘密があると思います。そしてそれは、あなたでもどうすることもできない事なんですよね?
魔法でも呪いでもない、あなたには人の欲を刺激する価値があると、わたしは思いました。思い浮かぶのは・・・優秀な素材。あなたは、搾取され続けたんじゃないですか?
それがあなたの、ウロボロス様の正体なのでは?」
「・・・」
ウロボロス様はわたしの質問に怒ることはありませんでした。ただ威圧感の消えた瞳をわたしに向け、力なく俯くだけでした。
「・・・我の素材は、世界を動かした」
誇張でも過大評価でもない、事実。ウロボロス様からそんな雰囲気が伝わって来ます。
「わかるだろう?我の爪を使えば、子供でも城壁を破壊できる武器が作れる。我の鱗を使えば、例え大砲でも破壊できない鎧になる。我の血を使えば、あらゆる病も治癒すると言われた」
素材としての価値。
本当にそんなものが実在するなら、ウロボロス様は比喩なしで宝の山なのではないでしょうか?
そして絶命しても蘇るということは、何度でもお宝が取れるとも考えられます。
一度開けて終わりではなく、しばらくするとまた補充される宝箱なんて、人々にとってはなんと眩しく見えることなのか。
レッテルの人々は、蓋を開けてしまったのでしょう。
「あなたの価値は、人が抑制できる範疇じゃなかったんですね」
だから叔母さんたちは振り回されていたんだ。扱えきれない大きな宝石に、しがみつくことしかできなかったんですね。
ずっとそれに縋っていたから、自分で立つことができなくなった。
「うむ。我は、世界の経済を揺るがす価値があったのだ。全く、我をたった1つの村ごときで管理できるはずがないのに」
ウロボロス様は苦笑しながら、言いました。
「だから言ったのだ。自立しろバカ種族ってな」
わたしは小竜の言葉に絶叫した。
突然叫んだわたしに小竜は訝しげな視線を送ってきますが、こんな事を言われれば誰だって驚くはずです!
それに、小竜と呼ぶのは失礼だったかもしれません。
わたしは60センチにも満たない小さな姿に呆気にとられつつ、再度確かめるように尋ねました。
あ、あ、手が震えます。
「り、竜王・・・様?」
「もぐもぐ、うむ。いかにも。もぐもぐ」
穴だらけで香ばしい香りのするエメンタールチーズを頬張りながら、小竜・・・じゃなくて、竜王ウロボロス様が頷きました。
え、いや、だって、こんな小さな赤ちゃんドラゴンがあのウロボロス様だなんて、正直信じられません!
だって伝承では、竜王様は20メートル以上ある巨体だと語られていましたし、そっちの方が竜王っぽいじゃないですか!それっぽい貫禄がありそうじゃないですか!イメージ的に!!
てっきりわたし、この子竜は竜王様の眷属か何かだと思ってましたし・・・。
まさかご本人だとは・・・。
「ふむ、お主には食料を恵んでもらった恩があるからの。特別に見せてやろう。よく見るのだぞ?」
慌てふためくわたしの様子を見て頷いたウロボロス様は、コクンと大きな頭を縦に振ります。
どうやらウロボロス様自身も、今の姿が他人にどう見られているのかよくわかっているご様子。でも、何をするんでしょうか?
ウロボロス様は「よっこらせ」とおじさん臭い台詞を言うと、トテトテと短い足のせいか少々おぼつかない足取りでどこかに向かっていきます。
太い尻尾を引きずっているので、歩いた後に跡が残っているのが結構可愛いですね。
「あの?一体?」
「まぁ見ておれ」
ウロボロス様は洞窟の壁の近くまで近付くと、片手を振り上げ、引っ掻いたのです。
すると起こった事は・・・あぁ、なんと言う事でしょうか。わたしは幻覚でも見た気分を味わいました。
スガァァァア!!
瞬間、まるで鋼鉄の破城槌でも使ったかのような破壊音と、壁だった物の破片が飛び散りました。
モクモクと砂煙が上がる中、ウロボロス様の前に立つ壁に大きな爪痕が残されています。それはとても大きな亀裂でした。
多分・・・軽く引っ掻いただけで6メートルほどの高さまで斬撃が伸び、壁が抉られてしまったのです。
縦に走った5本の凶悪な線に、わたしは目が離せません。
「さて?こんな事が普通の子竜にできるかの?」
ウロボロス様は意地悪そうに笑みを浮かべながら、わたしの方へ振り向きます。たぶん、わたしに驚かされた仕返しをしたと思っているのかもしれません。
ですがわたしは、そんはことに気付けるほど余裕はありませんでした。
だ、だって、まさか・・・本当に。
「竜王ウロボロス様・・・なのですか?」
震える声を抑える事ができず、わたしはそう尋ねます。
すると竜王様は首を横に振って否定的な反応を示してきました。あれ?
「我は竜王の称号を捨てた。今の我はただのウロボロスであるぞ?」
そう言っていますが・・・え?竜王様が竜王様じゃない?えっと?つまり?
「どういうことなんですか?」
「ふーむ。どういう事と言われても・・・もう勇者に倒されるだけの人生を終わらせたくての」
竜王・・・じゃなくて、ウロボロス様はそう言うと疲れたような目をして虚空を眺めました。
そ、そうですよね。よく考えてみたら、ウロボロス様は何度も死を経験しているのですよね。そりゃあ、やめたくなりますよ。
わたしだってやめたいし。
というかドラゴンなのに人生なのでしょうか?と、小さな疑問が生まれますが、気にしないでおきます。
でも、あ、そういう事だとウロボロス様には貢物はいらないんじゃ・・・いえ、食料のことではなくわたし・・・。
「そういえば、お主はなぜここにおるのだ?ここは危険だし、女子1人で来るのは危ない・・・ぞ?」
ウロボロス様が心配そうに言ってくれますが、なぜ最後わたしの腕を見て疑問符を付けたんですかねー?
危ないですかね?わたし、いくらなんでも魔物とか素手で倒せませんからね?
そもそもわたしがここに送られたのはあなたが原因なんですけど・・・と、わたしはここに来た理由と経緯をウロボロス様に伝えました。
あ、笑顔が引きつっていらっしゃる。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?生贄ってなんだ!!我はそんなもの貰ったことないし要求したこともないぞ!?」
ウロボロス様、大変混乱・・・というよりご立腹の様子。
「クソ!ニンゲン共め!また我にあらぬ罪を着せようというのか!」
この様子を見ると、本当に生贄を欲していかなかったようです。
わたしはそんな慌てふためくウロボロス様を尻目に、生贄を言い渡された時のことを思い出していました。
今思えば、誰もわたしのことを見てなかったんだと思います。
叔母さんも村長さんも、生贄と宣言されることもすべて手順のように感じました。
わたしのことを道具・・・とまでは言いませんが、少なくとも悲しんでいるのは口だけで、みんな同じ目をしていました。
叔母さんがおかしくなった、あの日のような濁った目。
あの時集まった全てのエルフが、そんな目をしていました。
何がしたかったんでしょう?今だから言えることですけど、わたしたち・・・というより、ウロボロス様を利用しようとしているような、そんな感じがするんです。
つまり、わたしはあの場では「何か」をする手段でしかなかったんです。
「ウロボロス様」
「そもそも邪竜が生娘を要求するのが古いって、なんであるか?」
わたしが話しかけると、1人でブツブツと呟いていたウロボロス様はくるりとこちらへ向いてくれました。
これを聞くのは、いわゆる「地雷」というやつなのでしょうか?でもわたしは、たぶんこの事を聞かなければならない気がするんです。
深呼吸をし、わたしはウロボロス様に尋ねました。
「・・・ウロボロス様の素材は、どれほどの額で取引されるのですか?」
「なぜ、そんな事を聞く?」
ウロボロス様の瞳が鋭くなります。黄色い爬虫類じみ瞳が、爛々と光っているようにも感じました。
わたしの質問はウロボロス様の怒りを、少し触れてしまったようです。その瞳は、わたしの心臓が握られてしまったかのような緊張感を与えて来ます。
わたしは小さく息を呑み、改めてウロボロス様の疑問に答えました。
「たぶん・・・きっとそれが、叔母さんたちの目的なんです。わたしは知りたい。叔母さんに村長さん・・・みんなが何を企んでるのか」
わたしは力を込めて、ウロボロス様に言いました。
まるで叔母さんが悪人のような言い方をしてますが、メリーア叔母さんも最初はとても優しかったんです。両親をなくしたわたしとサエラを引き取ってくれましたし。
一緒に遊んだり、竜の巫女姫の修行もさせてもらいました。いっぱい良い思い出があるんです。
それは、たぶん本物でした。演技とか利害を求めてやっているとかそんなんじゃなかったと思います。
確かに、時々何か吹っ切れたような顔はしてましたが。
叔母さんも、善人だったんです。
でも変わってしまった。いえ、変わるというより叔母さんは、隠していた何かを吐き出すように本性を現したんです。
「ウロボロス様・・・あなたには、秘密があると思います。そしてそれは、あなたでもどうすることもできない事なんですよね?
魔法でも呪いでもない、あなたには人の欲を刺激する価値があると、わたしは思いました。思い浮かぶのは・・・優秀な素材。あなたは、搾取され続けたんじゃないですか?
それがあなたの、ウロボロス様の正体なのでは?」
「・・・」
ウロボロス様はわたしの質問に怒ることはありませんでした。ただ威圧感の消えた瞳をわたしに向け、力なく俯くだけでした。
「・・・我の素材は、世界を動かした」
誇張でも過大評価でもない、事実。ウロボロス様からそんな雰囲気が伝わって来ます。
「わかるだろう?我の爪を使えば、子供でも城壁を破壊できる武器が作れる。我の鱗を使えば、例え大砲でも破壊できない鎧になる。我の血を使えば、あらゆる病も治癒すると言われた」
素材としての価値。
本当にそんなものが実在するなら、ウロボロス様は比喩なしで宝の山なのではないでしょうか?
そして絶命しても蘇るということは、何度でもお宝が取れるとも考えられます。
一度開けて終わりではなく、しばらくするとまた補充される宝箱なんて、人々にとってはなんと眩しく見えることなのか。
レッテルの人々は、蓋を開けてしまったのでしょう。
「あなたの価値は、人が抑制できる範疇じゃなかったんですね」
だから叔母さんたちは振り回されていたんだ。扱えきれない大きな宝石に、しがみつくことしかできなかったんですね。
ずっとそれに縋っていたから、自分で立つことができなくなった。
「うむ。我は、世界の経済を揺るがす価値があったのだ。全く、我をたった1つの村ごときで管理できるはずがないのに」
ウロボロス様は苦笑しながら、言いました。
「だから言ったのだ。自立しろバカ種族ってな」
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