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序章〜迷子のチェシャ猫〜
第2話
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数刻後、太陽が地平線の彼方へ消え失せ、代わりに月が我が物顔で夜空を支配した。
夜は文明人の時間ではなく、怪物の時間だ。
人影の少なくなった路地裏では三つ目の猫が他の猫と談笑をし、生ゴミが捨ててあるところでは小汚く痩せた小人が群れをなして食べ物を漁る。
これらに害はなく、特別悪さをしなければ見逃すのがハンターたちの暗黙の了解であった。
彼らは生き物とは異なる存在で、得体の知れない怪物である。アリのように小さいヤモリを踏み潰したらドラゴンになって焼かれた‥‥‥などという逸話もある。
人知を超えた場所からやってきた怪物は下手に刺激しないのが身のためだ。
触らぬ神に祟りなしということわざがここまで似合う存在もいないだろう。
この世界にそんなことわざはありもしないが、別世界の知識を持つバステロは知っていた。
ならば、ここではない世界からやってきた自分も怪物なのだろうか?バステロはケケケと怪しく、目を細めて笑った。
「怪物みたいな顔するな。これから本物を狩るんだぞ」
ポンポンと剣士のゴツゴツした硬い手がバステロの頭を叩いた。自虐するために浮かべた歪んだ思考が埃のように飛び去っていく。
ワシワシと頭を撫でる手は乱暴ではあったが、頭皮を傷付けるほど力強くはなかった。
手を押し付ける度に絹と見間違うサラサラした髪が水のように流れる。耳に少しかかるほど短くしてあるが、繊細さはまるで女子のようだった。
が、相手は男だ。子供扱いされていると察したバステロは頭を撫でるアルバートの手を振り払う。
「やめろって、俺はもう14になんだ」
「まだ14じゃないか。成人してない奴らは全員ガキだ」
16歳で大人と見られるこの世で、14歳というのはなかなか複雑な時期だ。大人になるというプレッシャーも、逆に大人になりたいという欲求が入れ混ざる。
大人と子供の狭間に置かれた青年を見て、大人と捉えるか子供と捉えるかは人次第だ。アルバートは後者であった。
「お前は時々、そうやって自分のことを笑ったりする。悩みがあんなら相談しろ」
そう言ってアルバートは指でバステロの額を弾いた。迷子になった子猫を励ます犬のおまわりさんのようだ。
昔聞いた曲のフレーズを思い出し、羞恥心というより気恥ずかしさから顔に赤みを浮かべる。
バステロは強がるようにフンっと視線をアルバートから外し、目的地である廃墟の方へと目を向けた。
そして同時にアルバートとは違った別の視線に見られていることを感じる。
敵意や嫌悪、それらが入り混じった視線。昨日の朝感じたものと全く同じだ。
「副団長、なぜこのような下賎な子供が‥‥‥」
全身を金属鎧で覆った男、アルバートからテレンスと呼ばれていた騎士が心底理解できないといった声質で言った。
アルバートは一息吐き、言い聞かせるようにゆっくりと振り返りながら口を動かした。
「テレンス。彼は怪物狩りの‥‥‥いわば専門家だ。グールを相手するのに必要な人材だとは思わないかね?」
「しかし、他にもハンターはいるでしょう。こんな子供を連れて行く必要は‥‥‥」
子供子供うるさいなとバステロの表情が歪む。
ただ、ここには友人のアルバートがいる。わざわざ自分が反論しなくとも、彼が事態を解決してくれると信じてバステロはグールの隠れる廃墟へと歩きを速めた。
「オレが知る中で、バステロは最高のハンターだ。他の見ず知らずのハンターに背中を預けることなどできん」
「なっ‥‥‥!?」
アルバートのセリフにテレンスは信じられないといった形相を兜に隠し、驚きの声を上げる。バステロは表情こそ動かさなかったが、得意げに小さく鼻息を鳴らす。
戦士は世辞や社交辞令を戦場へは持ち込まない。だからこそ、テレンスはアルバートの言っている言葉をうまく飲み込むことができなかった。
なぜならこの目の前を先導する160センチあるかないかの小僧が、怪物を狩る本物のハンターだというからだ。
何せ彼の背中を見ても、まるで好奇心に駆られた子供が廃墟を探検しようと小走りしているようにしか見えない。
一体どこにアルバートが認めるほどの力があるというのか。テレンスは疑問を浮かべながらも、それ以上口を動かしたりはしなかった。
バステロが立ち止まり、くるりとこちらに振り向いたからだ。サラサラした髪がふわりと揺れた。
「こっから先、罠仕掛けてあっから静かに進もう」
「トラバサミか?」
「んなもんグールに効かねぇよ。餌置いといた。今まさに食事中か、何かしらの痕跡を残してるはず」
そう言ってバステロは廃墟に入るための入り口の壁に手を当てた。クンクンと鼻を鳴らす。
中からは昨日以上の異臭が漂ってきた。それらの臭いは不快であったが、バステロの予測が見事に的中していることを伝書鳩のように伝えてくれる。
何度か嗅いだことのある臭いがあるとわかったバステロは腰のベルトに引っ付けた刀に手を当てた。
するとそれを制するように肩に手を当てられ、そのまま引っ張られるように後ろに下げられた。
首根っこを掴まれた猫のようにされたバステロは、不機嫌さの滲み出る目で触った者を見上げる。
すると意外な人物がバステロの前に出た。
「私が先導しよう。副団長、その平民の子供を」
「あーはいはい」
今度はアルバートに肩を掴まれた。俺はリレーで手渡しされる道具かとバステロは思った。
同時にテレンスに立ち位置を奪われムカッと頭に血がのぼる。
「おい、前に行くのは俺だよ騎士様」
「黙れ。副団長の言葉を信じないわけでは無いが、それとこれとは別だ。貴様は怪物の居場所を突き止め、足止めもした。役割は果たしただろう」
「は?」
「あとは誇り高き貴族たる我々に任せればいい。平民は私たち貴族の後ろにいればいいのだ。それに貴様の実力をまだ信用したわけじゃない」
テレンスの言葉はまさに年を重ねた大人が聞けば侮辱として受け取るようなセリフだった。
しかしバステロはテレンスの言葉を聞いておや?と違和感を覚える。普通なら平民など盾代わりにするのが貴族のやり方だ。
しかしテレンスはむしろ自ら進み、平民である自分を下がらせた。バステロは小首を傾げる。
「こういうのは平民を行かせるべきじゃないのか?」
「私は誇り高いアーグイン家の長男だ。貴様のような下賎な存在を前に出すほど弱くはない。それに乳臭い子供を盾にするほど腐ってもいない」
明らかに平民を見下したセリフ。だがそれは今まで出会った腐った貴族とは違った雰囲気を感じる。
バステロが視線をアルバートに向けると、彼はアイコンタクトでこう伝えてきた。
(だからコイツは使いづらいんだ)
バステロは納得し、腕を組んでコクコク頷いた。テレンスは根っからの騎士なのだ。そして貴族ゆえの平民を見下す性格もあるが、それは上下意識を過剰に持ってしまったためだろう。
彼にとって平民は守るべき存在で、脆弱な弱者だ。だから強者である貴族の自分が守らなければという意識が強いのだ。
(‥‥‥めんどくさっ)
テレンスの性格を理解したバステロは人知れずその背中を見上げるのであった。
夜は文明人の時間ではなく、怪物の時間だ。
人影の少なくなった路地裏では三つ目の猫が他の猫と談笑をし、生ゴミが捨ててあるところでは小汚く痩せた小人が群れをなして食べ物を漁る。
これらに害はなく、特別悪さをしなければ見逃すのがハンターたちの暗黙の了解であった。
彼らは生き物とは異なる存在で、得体の知れない怪物である。アリのように小さいヤモリを踏み潰したらドラゴンになって焼かれた‥‥‥などという逸話もある。
人知を超えた場所からやってきた怪物は下手に刺激しないのが身のためだ。
触らぬ神に祟りなしということわざがここまで似合う存在もいないだろう。
この世界にそんなことわざはありもしないが、別世界の知識を持つバステロは知っていた。
ならば、ここではない世界からやってきた自分も怪物なのだろうか?バステロはケケケと怪しく、目を細めて笑った。
「怪物みたいな顔するな。これから本物を狩るんだぞ」
ポンポンと剣士のゴツゴツした硬い手がバステロの頭を叩いた。自虐するために浮かべた歪んだ思考が埃のように飛び去っていく。
ワシワシと頭を撫でる手は乱暴ではあったが、頭皮を傷付けるほど力強くはなかった。
手を押し付ける度に絹と見間違うサラサラした髪が水のように流れる。耳に少しかかるほど短くしてあるが、繊細さはまるで女子のようだった。
が、相手は男だ。子供扱いされていると察したバステロは頭を撫でるアルバートの手を振り払う。
「やめろって、俺はもう14になんだ」
「まだ14じゃないか。成人してない奴らは全員ガキだ」
16歳で大人と見られるこの世で、14歳というのはなかなか複雑な時期だ。大人になるというプレッシャーも、逆に大人になりたいという欲求が入れ混ざる。
大人と子供の狭間に置かれた青年を見て、大人と捉えるか子供と捉えるかは人次第だ。アルバートは後者であった。
「お前は時々、そうやって自分のことを笑ったりする。悩みがあんなら相談しろ」
そう言ってアルバートは指でバステロの額を弾いた。迷子になった子猫を励ます犬のおまわりさんのようだ。
昔聞いた曲のフレーズを思い出し、羞恥心というより気恥ずかしさから顔に赤みを浮かべる。
バステロは強がるようにフンっと視線をアルバートから外し、目的地である廃墟の方へと目を向けた。
そして同時にアルバートとは違った別の視線に見られていることを感じる。
敵意や嫌悪、それらが入り混じった視線。昨日の朝感じたものと全く同じだ。
「副団長、なぜこのような下賎な子供が‥‥‥」
全身を金属鎧で覆った男、アルバートからテレンスと呼ばれていた騎士が心底理解できないといった声質で言った。
アルバートは一息吐き、言い聞かせるようにゆっくりと振り返りながら口を動かした。
「テレンス。彼は怪物狩りの‥‥‥いわば専門家だ。グールを相手するのに必要な人材だとは思わないかね?」
「しかし、他にもハンターはいるでしょう。こんな子供を連れて行く必要は‥‥‥」
子供子供うるさいなとバステロの表情が歪む。
ただ、ここには友人のアルバートがいる。わざわざ自分が反論しなくとも、彼が事態を解決してくれると信じてバステロはグールの隠れる廃墟へと歩きを速めた。
「オレが知る中で、バステロは最高のハンターだ。他の見ず知らずのハンターに背中を預けることなどできん」
「なっ‥‥‥!?」
アルバートのセリフにテレンスは信じられないといった形相を兜に隠し、驚きの声を上げる。バステロは表情こそ動かさなかったが、得意げに小さく鼻息を鳴らす。
戦士は世辞や社交辞令を戦場へは持ち込まない。だからこそ、テレンスはアルバートの言っている言葉をうまく飲み込むことができなかった。
なぜならこの目の前を先導する160センチあるかないかの小僧が、怪物を狩る本物のハンターだというからだ。
何せ彼の背中を見ても、まるで好奇心に駆られた子供が廃墟を探検しようと小走りしているようにしか見えない。
一体どこにアルバートが認めるほどの力があるというのか。テレンスは疑問を浮かべながらも、それ以上口を動かしたりはしなかった。
バステロが立ち止まり、くるりとこちらに振り向いたからだ。サラサラした髪がふわりと揺れた。
「こっから先、罠仕掛けてあっから静かに進もう」
「トラバサミか?」
「んなもんグールに効かねぇよ。餌置いといた。今まさに食事中か、何かしらの痕跡を残してるはず」
そう言ってバステロは廃墟に入るための入り口の壁に手を当てた。クンクンと鼻を鳴らす。
中からは昨日以上の異臭が漂ってきた。それらの臭いは不快であったが、バステロの予測が見事に的中していることを伝書鳩のように伝えてくれる。
何度か嗅いだことのある臭いがあるとわかったバステロは腰のベルトに引っ付けた刀に手を当てた。
するとそれを制するように肩に手を当てられ、そのまま引っ張られるように後ろに下げられた。
首根っこを掴まれた猫のようにされたバステロは、不機嫌さの滲み出る目で触った者を見上げる。
すると意外な人物がバステロの前に出た。
「私が先導しよう。副団長、その平民の子供を」
「あーはいはい」
今度はアルバートに肩を掴まれた。俺はリレーで手渡しされる道具かとバステロは思った。
同時にテレンスに立ち位置を奪われムカッと頭に血がのぼる。
「おい、前に行くのは俺だよ騎士様」
「黙れ。副団長の言葉を信じないわけでは無いが、それとこれとは別だ。貴様は怪物の居場所を突き止め、足止めもした。役割は果たしただろう」
「は?」
「あとは誇り高き貴族たる我々に任せればいい。平民は私たち貴族の後ろにいればいいのだ。それに貴様の実力をまだ信用したわけじゃない」
テレンスの言葉はまさに年を重ねた大人が聞けば侮辱として受け取るようなセリフだった。
しかしバステロはテレンスの言葉を聞いておや?と違和感を覚える。普通なら平民など盾代わりにするのが貴族のやり方だ。
しかしテレンスはむしろ自ら進み、平民である自分を下がらせた。バステロは小首を傾げる。
「こういうのは平民を行かせるべきじゃないのか?」
「私は誇り高いアーグイン家の長男だ。貴様のような下賎な存在を前に出すほど弱くはない。それに乳臭い子供を盾にするほど腐ってもいない」
明らかに平民を見下したセリフ。だがそれは今まで出会った腐った貴族とは違った雰囲気を感じる。
バステロが視線をアルバートに向けると、彼はアイコンタクトでこう伝えてきた。
(だからコイツは使いづらいんだ)
バステロは納得し、腕を組んでコクコク頷いた。テレンスは根っからの騎士なのだ。そして貴族ゆえの平民を見下す性格もあるが、それは上下意識を過剰に持ってしまったためだろう。
彼にとって平民は守るべき存在で、脆弱な弱者だ。だから強者である貴族の自分が守らなければという意識が強いのだ。
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