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第2章〜不死編〜
第77話「グローリーホール3」
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「‥‥‥ッ!!」
「とっ」
ゴーレムが槍で突くかのように両腕を伸ばした。
先端が尖ってるわけでもないので当たっても致命傷を負うことはないだろうが、単純にそこそこ重量のあるものが走ってスピードを上げた状態で衝突されれば骨にヒビが入ってもおかしくはない。
単調な動きともあって我は横に転がって避ける。
ゴーレムは自身の攻撃が避けられても動きを止めず、腕をそのまま我のいた場所に叩き込んだ。
攻撃は軽く地面をえぐり、その威力が人間が金属バットを振るうのと同等なのだとわかった。
「そら!!」
ゴーレムの動きが止まったところで我は地を蹴り、ゴーレムの球体状のコアまで飛んで蹴り飛ばした。
‥‥‥が、ゴーレムはピクリとも動かず、キュイッと独特な音を鳴らして我を見た。
聞いてないのぅ。やっぱし子竜の状態では力は人間以下か。
「ウーロ下がって!」
敵と己の戦力分析を終えると、サエラの声が後ろから聞こえてきた。我は言う通りにもう一度ゴーレムを蹴って、その勢いでサエラより後ろに下がる。
サエラは我と交代するように前に出ると、ランタンの明かりによってできたゴーレムの影を掴んだ。
「‥‥‥ふっ!」
サエラが影を引っ張り、壁に叩きつけるように振り回すと、ゴーレムは縄で繋がってるかのように引かれ壁にぶつかった。
壁は結構硬いらしく、衝突した衝撃でゴーレムのコアにヒビが入った。
「‥‥‥」
するとゴーレムは糸の切れた人形のように力を失い、関節部分が次々に剥がれて倒れ伏した。
あのコアが制御してる体のため、コアさえ破壊すればゴーレムは完全に機能を停止するらしい。
もっとも、中には体内にコアがあって倒すのが難しい個体も存在するらしい。
「ーーー!!」
「!!」
「‥‥‥ッ!!」
残ったゴーレムたちは仲間が倒されても恐怖を感じることはなく、ドスドスと砂煙をあげながら一体目に続いてやってくる。
「ウーロ」
「うむ!任せるのだ!」
サエラの合図で我はゴーレムの群れに正面から突入する。ゴーレムは我が来るとクラッシャーの異名の元である凶悪な石の棍棒を乱暴に振り回した。
が、どいつも動きは鈍い。グロータルの剣撃に比べればゴーレムの攻撃など数体いたところで脅威にもならん。
「ふむ」
複数体でゴーレムが襲ってきた場合は、我が突入して混乱させる手筈だったが、それ以前の問題だったかもしれない。
なぜならゴーレムは敵味方構わず両手を振り回すため、攻撃が平然と仲間に当たってるのだ。
生存本能がないせいで連携が取れないのだろう。ゴーレムの攻撃が他のゴーレムのコアに当たり、機能を停止させていく。数体いたゴーレムはどんどん数を減らし、気付けば2体しか残っていなかった。
その後は我が一体のコアを破壊して、もう一体はサエラが破壊して全滅させた。
「‥‥‥あまり強くなかったの」
「まぁ、こんな最初に出てくる敵ですもんね」
戦闘が終わり、シオンがてくてくと戻ってきた。さて、敵を倒したらお待ちかねの剥ぎ取りタイムであるのだが、残念ながら収穫は少ない。
「ありゃー、見事に壊れてますね」
中心までヒビが通ったコアを見て、シオンはポイっとゴーレムの残骸を投げ捨てた。
ゴーレムを倒して得れる素材は制御システムが搭載されたコアである。こいつを利用すると、人間が使役できるゴーレムを作ったり、実際に動かせる義手や義足。遠距離から自動で道具を作動させることのできる魔道具の素材になるのだという。
しかし、コアを破壊して倒しれしまうと当然価値は無くなってしまう。コアを手に入れるには、ゴーレムの手足を外して無力化し、コアを安全に採取する他ない。
今回は魔鉱石が狙いのため、ゴーレムは安全優先で倒してしまった。
「無事なのはサエラが最後に倒したやつだけですねー」
「ふんす」
サエラが(わかりにくいが)ドヤ顔で我を見下ろしてきた。べ、別に悔しくなんかないんだからね。
「ふ、ふん。我は魔鉱石の鉱脈見つけてがっぽがっぽ稼がせてやるのだ。覚悟しとけ」
「望むところ」
「なんで張り合ってんですかねこの人ら」
「何も言うなシオン。これは男と男の真剣勝負‥‥‥あ、サエラは女の子であったな。ぷふふ」
あれ、なんか寒気が。気配が流れる方へ向くと、サエラが絶対零度の視線を我に降り注いでいるところだった。
あれ?許されない?
「なんか、鶏肉食べたくなった。トカゲって、鶏肉に似てるんだっけ。味が」
我の素材を求めた者は数多にいたが、食おうとしてるやつは初めてである。いや、そういえば以前質問で我がウロボロスなら食べるとか言ってた気ぃする。
というか仲がより良くなったから許されるかと思ったが許されなかった。まずいこの冗談は未だに禁忌か。これシオン!コイツ終わったみたいな目で我を見るでない!
「そ、そういえば先ほどの魔法はすごかったのぅ!えぇと《影操作》だったか!」
露骨に話題をそらした自覚はあったが、サエラはピクッと肩を揺らすと、仕方ないといった顔で我の言葉に頷いた。
「うん。おじさんからもらった」
「《継承魔法》であるか。相変わらず規格外なジジイよのぅ」
話はサエラが皇国の者によって牢屋に閉じ込められていた時まで遡る。
鉄の檻に閉じ込められていたサエラとグロータルは、とある方法で脱出したのだ。まさかシオンのように剛力で力任せに捻じ曲げて脱出したわけではない。
グロータルはかなり知名度が低く、そして珍しい魔法を《継承魔法》でサエラに与えたのだ。《継承魔法》はまた別の機会に説明するとしよう。とりあえず自分の持ってる魔法を他人に与えることができる魔法とだけ言っておく。
で、《影操作》なのだが、なんとも面妖なことに影を物理的に掴むことができる特殊魔法なのだ。
ただ干渉できるわけではない。無機質であれば《影操作》の名の通り、影を操って物体を変形させることもできる。
例えば檻の影を曲げると、実際の檻も曲がってしまうわけだ。
影は光を遮った結果発生する。物の形を変えれば、影もまた変わる。《影操作》は逆のことをすることが可能なのである。
反対に生物は操ることはできない。が、先のようにゴーレムを投げ飛ばした時のように、影を縄の如く引っ張ることはできるのだ。
非常に多目的に利用でき、凡庸性に富んだ魔法と言えよう。
パワータイプではなく、手札の多さが武器となるサエラには相性が良い魔法なのである。
「早々に使いこなすとは、やはりお主は冒険者になって正解だったのだ」
「そうかな」
顔を背けてボソリと言うが、それが照れ隠しだということは我は知ってる。よしよし、忘れたな?くくく。
「でも、もっと練習して使いこなさなきゃ」
「そうであるな!練習は大事である」
「付き合ってね、ウーロ」
「ん?」
「サンドバッグ」
「‥‥‥うん」
大丈夫大丈夫いけるいけるやればできるなぜそこで諦めるのだドラゴンは最強ドラゴンは最強ドラゴンは最強ドラゴンは最強。
「とっ」
ゴーレムが槍で突くかのように両腕を伸ばした。
先端が尖ってるわけでもないので当たっても致命傷を負うことはないだろうが、単純にそこそこ重量のあるものが走ってスピードを上げた状態で衝突されれば骨にヒビが入ってもおかしくはない。
単調な動きともあって我は横に転がって避ける。
ゴーレムは自身の攻撃が避けられても動きを止めず、腕をそのまま我のいた場所に叩き込んだ。
攻撃は軽く地面をえぐり、その威力が人間が金属バットを振るうのと同等なのだとわかった。
「そら!!」
ゴーレムの動きが止まったところで我は地を蹴り、ゴーレムの球体状のコアまで飛んで蹴り飛ばした。
‥‥‥が、ゴーレムはピクリとも動かず、キュイッと独特な音を鳴らして我を見た。
聞いてないのぅ。やっぱし子竜の状態では力は人間以下か。
「ウーロ下がって!」
敵と己の戦力分析を終えると、サエラの声が後ろから聞こえてきた。我は言う通りにもう一度ゴーレムを蹴って、その勢いでサエラより後ろに下がる。
サエラは我と交代するように前に出ると、ランタンの明かりによってできたゴーレムの影を掴んだ。
「‥‥‥ふっ!」
サエラが影を引っ張り、壁に叩きつけるように振り回すと、ゴーレムは縄で繋がってるかのように引かれ壁にぶつかった。
壁は結構硬いらしく、衝突した衝撃でゴーレムのコアにヒビが入った。
「‥‥‥」
するとゴーレムは糸の切れた人形のように力を失い、関節部分が次々に剥がれて倒れ伏した。
あのコアが制御してる体のため、コアさえ破壊すればゴーレムは完全に機能を停止するらしい。
もっとも、中には体内にコアがあって倒すのが難しい個体も存在するらしい。
「ーーー!!」
「!!」
「‥‥‥ッ!!」
残ったゴーレムたちは仲間が倒されても恐怖を感じることはなく、ドスドスと砂煙をあげながら一体目に続いてやってくる。
「ウーロ」
「うむ!任せるのだ!」
サエラの合図で我はゴーレムの群れに正面から突入する。ゴーレムは我が来るとクラッシャーの異名の元である凶悪な石の棍棒を乱暴に振り回した。
が、どいつも動きは鈍い。グロータルの剣撃に比べればゴーレムの攻撃など数体いたところで脅威にもならん。
「ふむ」
複数体でゴーレムが襲ってきた場合は、我が突入して混乱させる手筈だったが、それ以前の問題だったかもしれない。
なぜならゴーレムは敵味方構わず両手を振り回すため、攻撃が平然と仲間に当たってるのだ。
生存本能がないせいで連携が取れないのだろう。ゴーレムの攻撃が他のゴーレムのコアに当たり、機能を停止させていく。数体いたゴーレムはどんどん数を減らし、気付けば2体しか残っていなかった。
その後は我が一体のコアを破壊して、もう一体はサエラが破壊して全滅させた。
「‥‥‥あまり強くなかったの」
「まぁ、こんな最初に出てくる敵ですもんね」
戦闘が終わり、シオンがてくてくと戻ってきた。さて、敵を倒したらお待ちかねの剥ぎ取りタイムであるのだが、残念ながら収穫は少ない。
「ありゃー、見事に壊れてますね」
中心までヒビが通ったコアを見て、シオンはポイっとゴーレムの残骸を投げ捨てた。
ゴーレムを倒して得れる素材は制御システムが搭載されたコアである。こいつを利用すると、人間が使役できるゴーレムを作ったり、実際に動かせる義手や義足。遠距離から自動で道具を作動させることのできる魔道具の素材になるのだという。
しかし、コアを破壊して倒しれしまうと当然価値は無くなってしまう。コアを手に入れるには、ゴーレムの手足を外して無力化し、コアを安全に採取する他ない。
今回は魔鉱石が狙いのため、ゴーレムは安全優先で倒してしまった。
「無事なのはサエラが最後に倒したやつだけですねー」
「ふんす」
サエラが(わかりにくいが)ドヤ顔で我を見下ろしてきた。べ、別に悔しくなんかないんだからね。
「ふ、ふん。我は魔鉱石の鉱脈見つけてがっぽがっぽ稼がせてやるのだ。覚悟しとけ」
「望むところ」
「なんで張り合ってんですかねこの人ら」
「何も言うなシオン。これは男と男の真剣勝負‥‥‥あ、サエラは女の子であったな。ぷふふ」
あれ、なんか寒気が。気配が流れる方へ向くと、サエラが絶対零度の視線を我に降り注いでいるところだった。
あれ?許されない?
「なんか、鶏肉食べたくなった。トカゲって、鶏肉に似てるんだっけ。味が」
我の素材を求めた者は数多にいたが、食おうとしてるやつは初めてである。いや、そういえば以前質問で我がウロボロスなら食べるとか言ってた気ぃする。
というか仲がより良くなったから許されるかと思ったが許されなかった。まずいこの冗談は未だに禁忌か。これシオン!コイツ終わったみたいな目で我を見るでない!
「そ、そういえば先ほどの魔法はすごかったのぅ!えぇと《影操作》だったか!」
露骨に話題をそらした自覚はあったが、サエラはピクッと肩を揺らすと、仕方ないといった顔で我の言葉に頷いた。
「うん。おじさんからもらった」
「《継承魔法》であるか。相変わらず規格外なジジイよのぅ」
話はサエラが皇国の者によって牢屋に閉じ込められていた時まで遡る。
鉄の檻に閉じ込められていたサエラとグロータルは、とある方法で脱出したのだ。まさかシオンのように剛力で力任せに捻じ曲げて脱出したわけではない。
グロータルはかなり知名度が低く、そして珍しい魔法を《継承魔法》でサエラに与えたのだ。《継承魔法》はまた別の機会に説明するとしよう。とりあえず自分の持ってる魔法を他人に与えることができる魔法とだけ言っておく。
で、《影操作》なのだが、なんとも面妖なことに影を物理的に掴むことができる特殊魔法なのだ。
ただ干渉できるわけではない。無機質であれば《影操作》の名の通り、影を操って物体を変形させることもできる。
例えば檻の影を曲げると、実際の檻も曲がってしまうわけだ。
影は光を遮った結果発生する。物の形を変えれば、影もまた変わる。《影操作》は逆のことをすることが可能なのである。
反対に生物は操ることはできない。が、先のようにゴーレムを投げ飛ばした時のように、影を縄の如く引っ張ることはできるのだ。
非常に多目的に利用でき、凡庸性に富んだ魔法と言えよう。
パワータイプではなく、手札の多さが武器となるサエラには相性が良い魔法なのである。
「早々に使いこなすとは、やはりお主は冒険者になって正解だったのだ」
「そうかな」
顔を背けてボソリと言うが、それが照れ隠しだということは我は知ってる。よしよし、忘れたな?くくく。
「でも、もっと練習して使いこなさなきゃ」
「そうであるな!練習は大事である」
「付き合ってね、ウーロ」
「ん?」
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大丈夫大丈夫いけるいけるやればできるなぜそこで諦めるのだドラゴンは最強ドラゴンは最強ドラゴンは最強ドラゴンは最強。
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