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浮雲
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神に親は存在しない。
信仰、もしくは人間の願望、欲望。それらが凝縮されて作用し、発生するものが神だ。
だから俺は珍しい存在らしい。人間の存在が発生に介在しない神。
俺は人間に縛られることなく人間に干渉できる神だった。
俺の母は海の神。
大砂漠に接する、大陸がえぐれたような形の湾に宿る女神だ。
大変におおらかでとんでもない美人で、外見の要素は残念ながらあまり受け継がれなかったと思う。
俺の父は川の神。
大砂漠の遥か北の地から流れ下ってきて、砂漠の北東を掠めながら蛇行し海に注ぐ大河だ。
こちらもおおらかな性格だが、どちらかと言えば雑。雄々しい川の印象通りの性格で、結局俺はどっちにも似てない。
交易の要衝とされる川と、その父が注ぐ先の湾には大きな港と商業が盛んな街がある。
二人の関係は彼らが生まれたときから密接で、長い月日を過ごすうちいつしか恋に落ちていた……というわけだ。
海の女神と川の神が仲睦まじくすることは、人間にとっては大変喜ばしいことであったようだ。俺は祝福されて生まれた。
川が運び、海が育む水の恵み────「浮雲」を依代にして。
他の雲の神に会ったことがある。
雲というものは気まぐれで、形を保てず、儚い存在だ。
作る影は暑さを和らげ、降らす雨は恵みとなり、刻一刻と変化する形は見るものを楽しませたが……人々の信仰を集めるにはいまひとつ求心力が足りない自然現象。
俺は両親が「こうあれ」と望んだものだったので、人間の信仰を必要とせず生まれ、生きることができたが、他の雲の神は力がほとんどなく、そもそも神としての自覚や能力の行使すら考えたこともないようだった。
それは他の自然現象の神も似たようなもので、両親ですらお互いを愛すること以外はほとんど関心を示さなかった。
「自然神がすべてにおいて興味関心が薄いってのは、当然なんだ。自然そのものみたいな俺たちがなにかに執着したら、それは俺たちだけの問題じゃなくなる」
「そうなの?」
「海の神が人間に恋したら、どうなると思う? 彼らは指先ひとつで島ひとつ沈められるが、逆に言えば人間を喜ばせるような小さなさざなみを起こす、なんて細かい仕事はできないってことなんだ」
もし海の神が浜辺に佇むたった一人の人間を望んだら、その海辺の町は地図から姿を消すことになる。
自然神がなにものにも執着しないのは、結局は世界にとって都合がいいシステムだということだ。
「……なんだか哀しいね」
人間のやることなすことに興味が湧き、人間として生きてみたいと考える俺は、異端中の異端だった。
幸い俺は、浮雲の神。
存在が世界に与える影響は大きくなかった。
依代となる雲を母の海の上空に浮かべておけば、俺がなにかしらの能力を行使したところで雲が海上で集まって大きくなる程度の影響で済んだ。
今でも俺の本体は母さんのところに置いてある。
「じゃあ、アリスのこの体は?」
「雲の主成分は水だ。あと塵とか細かい砂粒とか。つまり水に不純物を含ませる雲の性質を使って、人体に近いものを作ってる。実は内臓も見よう見まねだから、手足を落とされたり腹を刺されたりしたら出るのは水なんだ」
「ひぃ……」
「見てみる?」
「絶対やめて!」
とはいえ痛覚とか、味覚とか、そういうものは上手く再現できたので自ら傷つくようなことはしないし、美味しいものを食べるのは好きだ。咀嚼と消化はフリだけど。
話が逸れたな。
そんなわけで俺は、物心ついてすぐ人間に混じって暮らしはじめた。
人間の世界はなにもかもがものすごい速度で流れていく。人間の寿命が短いからだ。俺たち神が瞬きする間に世代がひとつふたつと代わっていく。
そのうちに俺は、神として人間たちに混じってみることをやめて、人間のフリをして人間たちと一緒に生きることをはじめた。
最初は小さな村で農夫をやってみた。
土をいじって、種を撒いて、初めて植物の芽が出た時は感動したものだ。
自然神が自らクワで畑耕してるのが相当珍しかったのか、大地の神と知り合ったりもした。
「さらっとすごい大物と出会ってるね。大地の神って世界中で信仰されてる神の一柱でしょ?」
「そうだよ。図体がでかいからなにかと雑だけど、すごく親切でいいやつだ」
「……話、続けて」
のんきに150年くらいこの村で暮らしてた。
村人たちも……今考えれば相当危なっかしいけど、150年姿が変わらず年も取らない俺を、「そういうもの」として特に気にしてなかった。
のんびりと安定した日々だったが、ある日俺は人さらいに捕まった。
「えっ!?」
「びっくりしたけど、村人たちもびっくりしてた。あの村ののんきっぷりは語るべきものがあるぞ」
そこで俺は久しぶりに神らしい力を行使して、人さらいから逃げ出した。
俺の体は仮のものだけど、依代の雲が含まれている。
雲の含有量で人間としては破格の腕力を発揮できて、当時はかなり雲の配合が多かったから、人さらいを危うく死体にしちまうところだった。
今はほとんど依代の雲は使ってないから、サミエルと腕相撲しても勝てないかもしれないくらいだ。
「それは、もうちょっと鍛えたほうがいいよ」
俺は姿を変えず住処も変えずひとところに居続けることは危険だと学んで、流浪することに決めた。
その頃に出会ったのが、新月女神エーベアルテだ。
姐さんは俺に、名が欲しいか聞いた。
「名前がなかったの?」
「両親は基本的に他者に興味ないからな。俺も自分に名前がないことになにも感じてなかったし」
だからそれを提案された時、驚くと同時にとても魅力的だと思った。
名前があることは、いかにも人間っぽいと思ったから。
俺は姐さんの見立てで名を得た。
その名が「アンフィス」だ。
姐さんいわく、依代の浮雲が持っているものに音の形を与えただけだとか言うけど、このへんの仕組みは俺にもわからん。
俺は名前を得たことでますます強く神としての力を行使できるようになった。
姿を骨格単位で変えられるようになったこととか、どこにでも雲を呼んで雨を降らせたりとか。力の影響力が雲だけでなく「水」に及んだのは両親の遺伝だな。
その代わり、俺はより雲としての性質に引っ張られるようになった。
一箇所に長く留まることができなくなったんだ。
また、名前を握られることが本能的に恐ろしくなった。
俺の恐怖は正しい反応だった。
名前を知られて、そいつが俺に一言「ここにいろ」と命じるだけで、俺の体は縛り付けられる。
でも俺の性質は「常に流れること」だから、縛り付けられていると性質が阻害されることになって、そのうち肉体を保てなくなって消滅、依代に戻る。
完全に依代に戻ってしまえば、しばらくは人間の姿を取れない。俺はそれを避けたくて偽名を名乗るようになったんだ。
「しばらくって、どれくらい……?」
「400から500年くらいかなぁ」
「それは────つらいかも」
流れるまま、それまでは色んな国をふらふら見て回っていたうち、結局故郷に帰ってきた。この砂漠の国に。
昔はまだ小さな国が群雄割拠してて、あの頃は国同士で大規模な戦争もあったんだ。でも国土自体が貧弱だからどこの国も攻め滅ぼされたり内側から崩壊していった。
残った国は戦争をする気もあんまりなくて、日々の生活で精一杯。
そんな風景を眺めて旅してたら、いきなり王国が力をつけて砂漠中を統合しちまった。おかげで貨幣や言語が統一されたり、街道が整備されたりしたから、俺にとっては悪いことじゃなかったけど。
しばらくはなにもせず、ただの旅人として容姿を変えながら放浪していたんだけど、旅先で色々見てると一番欲しくなるのは食べ物だった。
俺は雲で、神なのに、食べ物に弱いんだ。
食べ物を堪能するには金がいる。
俺はなにも持たずふらふらするのをやめて、金を得るために人間に混じって仕事をすることにした。
「最初は商人の下働きしてた」
「へぇ、アリスが下働き? 想像できない……」
「失礼な。木箱も持ち上げるし動物も子供も世話するし、下働きでも一流の仕事をするぞ」
そのうち、技術があれば下働きよりもっと楽に金を稼げることに気づいた。
最初についた専門職は吟遊詩人。
知り合いの神の成り立ちをそれっぽく弾き語るだけで驚くほど稼げた。
皆が知らない物語を多く知っている吟遊詩人だってことで、色んなところへ招かれて顔を出した。
今思えば歌も演奏も大したもんじゃなかったけどな。
異国の楽器を知って、提琴を手に入れたのもこの頃だ。
その次にはじめたのが踊り子だった。
吟遊詩人として旅してた時、舞踊団を見かけて憧れたんだ。
でも踊りは全然やったことなかったから、頑張って練習したよ。
それをエベラ団長に見初められて、あとはサミエルが知っての通りだ。
名前を隠していたのは、悪用されないため。
悪意ある存在に名を握られた時どうなってしまうかわからなかった。
縛り付けられ、能力を制限される程度ならまだいい。
他者を害するために力を使うよう強要されたら?
砂漠で雨を降らせる能力は諸刃の剣だ。
水を全く留めない砂地に大量の雨を降らせて村一つ滅ぼすことは、俺にとっては難しいことじゃない。
姿を変えられる力を使って、身代わりや暗殺を指示される可能性もある。
名を握られればそれを拒めないかもしれない。
俺が自分の名を隠すことは、俺以外のものの安全を守るためでもあると考えている。
だから俺の名を知っているのは、エーベアルテと両親、それから……サミエルだけなんだ。
信仰、もしくは人間の願望、欲望。それらが凝縮されて作用し、発生するものが神だ。
だから俺は珍しい存在らしい。人間の存在が発生に介在しない神。
俺は人間に縛られることなく人間に干渉できる神だった。
俺の母は海の神。
大砂漠に接する、大陸がえぐれたような形の湾に宿る女神だ。
大変におおらかでとんでもない美人で、外見の要素は残念ながらあまり受け継がれなかったと思う。
俺の父は川の神。
大砂漠の遥か北の地から流れ下ってきて、砂漠の北東を掠めながら蛇行し海に注ぐ大河だ。
こちらもおおらかな性格だが、どちらかと言えば雑。雄々しい川の印象通りの性格で、結局俺はどっちにも似てない。
交易の要衝とされる川と、その父が注ぐ先の湾には大きな港と商業が盛んな街がある。
二人の関係は彼らが生まれたときから密接で、長い月日を過ごすうちいつしか恋に落ちていた……というわけだ。
海の女神と川の神が仲睦まじくすることは、人間にとっては大変喜ばしいことであったようだ。俺は祝福されて生まれた。
川が運び、海が育む水の恵み────「浮雲」を依代にして。
他の雲の神に会ったことがある。
雲というものは気まぐれで、形を保てず、儚い存在だ。
作る影は暑さを和らげ、降らす雨は恵みとなり、刻一刻と変化する形は見るものを楽しませたが……人々の信仰を集めるにはいまひとつ求心力が足りない自然現象。
俺は両親が「こうあれ」と望んだものだったので、人間の信仰を必要とせず生まれ、生きることができたが、他の雲の神は力がほとんどなく、そもそも神としての自覚や能力の行使すら考えたこともないようだった。
それは他の自然現象の神も似たようなもので、両親ですらお互いを愛すること以外はほとんど関心を示さなかった。
「自然神がすべてにおいて興味関心が薄いってのは、当然なんだ。自然そのものみたいな俺たちがなにかに執着したら、それは俺たちだけの問題じゃなくなる」
「そうなの?」
「海の神が人間に恋したら、どうなると思う? 彼らは指先ひとつで島ひとつ沈められるが、逆に言えば人間を喜ばせるような小さなさざなみを起こす、なんて細かい仕事はできないってことなんだ」
もし海の神が浜辺に佇むたった一人の人間を望んだら、その海辺の町は地図から姿を消すことになる。
自然神がなにものにも執着しないのは、結局は世界にとって都合がいいシステムだということだ。
「……なんだか哀しいね」
人間のやることなすことに興味が湧き、人間として生きてみたいと考える俺は、異端中の異端だった。
幸い俺は、浮雲の神。
存在が世界に与える影響は大きくなかった。
依代となる雲を母の海の上空に浮かべておけば、俺がなにかしらの能力を行使したところで雲が海上で集まって大きくなる程度の影響で済んだ。
今でも俺の本体は母さんのところに置いてある。
「じゃあ、アリスのこの体は?」
「雲の主成分は水だ。あと塵とか細かい砂粒とか。つまり水に不純物を含ませる雲の性質を使って、人体に近いものを作ってる。実は内臓も見よう見まねだから、手足を落とされたり腹を刺されたりしたら出るのは水なんだ」
「ひぃ……」
「見てみる?」
「絶対やめて!」
とはいえ痛覚とか、味覚とか、そういうものは上手く再現できたので自ら傷つくようなことはしないし、美味しいものを食べるのは好きだ。咀嚼と消化はフリだけど。
話が逸れたな。
そんなわけで俺は、物心ついてすぐ人間に混じって暮らしはじめた。
人間の世界はなにもかもがものすごい速度で流れていく。人間の寿命が短いからだ。俺たち神が瞬きする間に世代がひとつふたつと代わっていく。
そのうちに俺は、神として人間たちに混じってみることをやめて、人間のフリをして人間たちと一緒に生きることをはじめた。
最初は小さな村で農夫をやってみた。
土をいじって、種を撒いて、初めて植物の芽が出た時は感動したものだ。
自然神が自らクワで畑耕してるのが相当珍しかったのか、大地の神と知り合ったりもした。
「さらっとすごい大物と出会ってるね。大地の神って世界中で信仰されてる神の一柱でしょ?」
「そうだよ。図体がでかいからなにかと雑だけど、すごく親切でいいやつだ」
「……話、続けて」
のんきに150年くらいこの村で暮らしてた。
村人たちも……今考えれば相当危なっかしいけど、150年姿が変わらず年も取らない俺を、「そういうもの」として特に気にしてなかった。
のんびりと安定した日々だったが、ある日俺は人さらいに捕まった。
「えっ!?」
「びっくりしたけど、村人たちもびっくりしてた。あの村ののんきっぷりは語るべきものがあるぞ」
そこで俺は久しぶりに神らしい力を行使して、人さらいから逃げ出した。
俺の体は仮のものだけど、依代の雲が含まれている。
雲の含有量で人間としては破格の腕力を発揮できて、当時はかなり雲の配合が多かったから、人さらいを危うく死体にしちまうところだった。
今はほとんど依代の雲は使ってないから、サミエルと腕相撲しても勝てないかもしれないくらいだ。
「それは、もうちょっと鍛えたほうがいいよ」
俺は姿を変えず住処も変えずひとところに居続けることは危険だと学んで、流浪することに決めた。
その頃に出会ったのが、新月女神エーベアルテだ。
姐さんは俺に、名が欲しいか聞いた。
「名前がなかったの?」
「両親は基本的に他者に興味ないからな。俺も自分に名前がないことになにも感じてなかったし」
だからそれを提案された時、驚くと同時にとても魅力的だと思った。
名前があることは、いかにも人間っぽいと思ったから。
俺は姐さんの見立てで名を得た。
その名が「アンフィス」だ。
姐さんいわく、依代の浮雲が持っているものに音の形を与えただけだとか言うけど、このへんの仕組みは俺にもわからん。
俺は名前を得たことでますます強く神としての力を行使できるようになった。
姿を骨格単位で変えられるようになったこととか、どこにでも雲を呼んで雨を降らせたりとか。力の影響力が雲だけでなく「水」に及んだのは両親の遺伝だな。
その代わり、俺はより雲としての性質に引っ張られるようになった。
一箇所に長く留まることができなくなったんだ。
また、名前を握られることが本能的に恐ろしくなった。
俺の恐怖は正しい反応だった。
名前を知られて、そいつが俺に一言「ここにいろ」と命じるだけで、俺の体は縛り付けられる。
でも俺の性質は「常に流れること」だから、縛り付けられていると性質が阻害されることになって、そのうち肉体を保てなくなって消滅、依代に戻る。
完全に依代に戻ってしまえば、しばらくは人間の姿を取れない。俺はそれを避けたくて偽名を名乗るようになったんだ。
「しばらくって、どれくらい……?」
「400から500年くらいかなぁ」
「それは────つらいかも」
流れるまま、それまでは色んな国をふらふら見て回っていたうち、結局故郷に帰ってきた。この砂漠の国に。
昔はまだ小さな国が群雄割拠してて、あの頃は国同士で大規模な戦争もあったんだ。でも国土自体が貧弱だからどこの国も攻め滅ぼされたり内側から崩壊していった。
残った国は戦争をする気もあんまりなくて、日々の生活で精一杯。
そんな風景を眺めて旅してたら、いきなり王国が力をつけて砂漠中を統合しちまった。おかげで貨幣や言語が統一されたり、街道が整備されたりしたから、俺にとっては悪いことじゃなかったけど。
しばらくはなにもせず、ただの旅人として容姿を変えながら放浪していたんだけど、旅先で色々見てると一番欲しくなるのは食べ物だった。
俺は雲で、神なのに、食べ物に弱いんだ。
食べ物を堪能するには金がいる。
俺はなにも持たずふらふらするのをやめて、金を得るために人間に混じって仕事をすることにした。
「最初は商人の下働きしてた」
「へぇ、アリスが下働き? 想像できない……」
「失礼な。木箱も持ち上げるし動物も子供も世話するし、下働きでも一流の仕事をするぞ」
そのうち、技術があれば下働きよりもっと楽に金を稼げることに気づいた。
最初についた専門職は吟遊詩人。
知り合いの神の成り立ちをそれっぽく弾き語るだけで驚くほど稼げた。
皆が知らない物語を多く知っている吟遊詩人だってことで、色んなところへ招かれて顔を出した。
今思えば歌も演奏も大したもんじゃなかったけどな。
異国の楽器を知って、提琴を手に入れたのもこの頃だ。
その次にはじめたのが踊り子だった。
吟遊詩人として旅してた時、舞踊団を見かけて憧れたんだ。
でも踊りは全然やったことなかったから、頑張って練習したよ。
それをエベラ団長に見初められて、あとはサミエルが知っての通りだ。
名前を隠していたのは、悪用されないため。
悪意ある存在に名を握られた時どうなってしまうかわからなかった。
縛り付けられ、能力を制限される程度ならまだいい。
他者を害するために力を使うよう強要されたら?
砂漠で雨を降らせる能力は諸刃の剣だ。
水を全く留めない砂地に大量の雨を降らせて村一つ滅ぼすことは、俺にとっては難しいことじゃない。
姿を変えられる力を使って、身代わりや暗殺を指示される可能性もある。
名を握られればそれを拒めないかもしれない。
俺が自分の名を隠すことは、俺以外のものの安全を守るためでもあると考えている。
だから俺の名を知っているのは、エーベアルテと両親、それから……サミエルだけなんだ。
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