59 / 74
58 古い友人
しおりを挟む
「ヘルル様」
呟くように名前を告げると、彼女はそっと柔らかく口角を上げた。
「オーロラ、ちょっとお話し相手になってくれる?」
正直、話を聞くどころではないくらい急いでいる。
しかし、探索に行き詰まりを感じていた私は心を落ち着けるためにも、穏やかなヘルル様と話すことを選んだ。
「はい」
もしかしたら、話の中に何かヒントが隠されているかもしれない。
そんな淡い期待を密かに胸に抱きつつ、私はヘルル様とすぐ近くのハンギングベンチまで移動した。
そこについて、先に口を開いたのはヘルル様だった。
「実はね、あなたに会ったとき、ふと古い友人を思い出したの」
「友人ですか?」
「ええ、私の記憶の中でたった一人の友人よ。昔はその子と、今あなたが座っているベンチに並んで、よく語らったわ」
遠い日の記憶を懐かしむかのように、彼女がフッと目を細めた。その表情は笑っているはずなのに、泣いているかのようにも見え、なぜか心が苦しくなる。
「大切な友人の方なのですね」
「ええ、そうよ。あなたの魂ととてもよく似た魂を持った子で……ちょっと待って。よくよく考えたらおかしいわ」
何がおかしいのか分からず、思わず首を傾げる。すると、ヘルル様はそんな私をジーっと凝視してきた。
――何を見てるの?
訳も分からないまま、ヘルル様に熱い視線を注がれる。そろそろ気恥ずかしい、そう思い始めたころ、ようやくヘルル様が口を開いた。
「ああ、分かったっ……」
ヘルル様は初対面の真顔からは想像もできないほど、達成感と感動に満ちたような表情で笑った。
何が分かったのだろうか。そんな疑問符を頭に浮かべた直後、彼女はその中身を告げた。
「あなた、ティアの子なのね」
「…………ティア?」
ティアとはいったい誰なのだろうか。私がその人の子どもとはどういうことなのか。
突然の衝撃的な情報に、脳内でさまざまな情報が錯綜し混乱してしまう。すると、そんな私にヘルル様が続けた。
「人間の魂もあるからすぐに気付けなかったけど、あなたはティアの子よ。あなたの魂には、神にしかない不死の効力がかけられているから間違いないわ」
私はただの人間なのに、そんなわけないだろう。不死の効力なんて意味が分からない。何を根拠にそんなことを言っているんだろうか。
「ど、どうしてそんなことが分かるんですかっ?」
聞きたいことが溢れそうになりながら、挙動不審に訊ねる。すると、ヘルル様は慈しむような眼差しで私を見つめ、口元に微笑を湛えながら答えた。
「私は冥界の神。人や神、すべての命あるものの魂の成り立ちを見ることができるの」
腰ほどまである艶やかで潤沢な黒髪を揺らしながら、ヘルル様が言葉を紡ぐ。その姿は人型ではあるものの、離す内容や佇まいから、やはり神なのだと思い知らされた。
「そのようなお力があられるのですね」
「ええ、そうよ。ただ、私の知っている魂じゃないと、誰の魂とのつながりがあるかは分からないわ。逆に言うと、父母のうちどちらかを知っていれば分かる」
「そうなんですね……って、じゃあもしかして、その古い友人って……」
「ええ、あなたのお母さんのことよ」
なんて繋がりだろうか。
だが、私は未だなお混乱していた。こんなファンタジーでオカルトな話は信じられないとか、そう言う問題ではない。
この世界のお母さんは確かにティアかもしれない。
ただ、私には日本でも生まれた記憶があったからこそ、妙にヘルル様の言葉を飲み込めきれなかったのだ。
そのため、ここは何でもありのファンタジー世界なのだと開き直り、誰にも言えなかった転生者である事実を告げてみることにした。
「あの、ヘルル様……。実は私、転生しているようなんです」
「転生?」
「はい。正しい言葉の意味かは分からないんですけど、とにかく前世の記憶があるんです。なのに、本当にティアの魂が引き継がれているのでしょうか?」
信じてくれるだろうか。おかしな話をしている奴だと思われたらどうしよう。
そんな不安が心を渦巻く。しかし、それは杞憂に終わった。
「それこそ、あなたがティアの娘である証拠よ。あなたはティアの記憶はあるかしら?」
「ティアの記憶?」
「ええ、つまり前世のお母さんの記憶についてなんだけど……」
ヘルル様のその言葉に、私は頭から氷を被ったかのような衝撃を受けた。
そうだ、日本人の私のお母さんは外国人だって言ってた。
私のお父さんの名前は、野極陽斗。それは覚えてる。だけど、お父さんはお母さんのことをいつもお母さんって呼んでたから、本名を考えることなど普段なかった。
でも、今言われてようやく片隅にあった記憶が紐解かれた。
「ティア……確かにお母さんの名前だったと、今思い出しました。でも、私が生まれて記憶もないうちに亡くなったんです」
「そうだったのね。じゃあ、あなたがどうして転生したのか、ちゃんとお話ししましょうか」
「お願いしますっ……!」
私のその言葉に頷きを返すと、ヘルル様は陽だまりのような温かみある声で母について語ってくれた。
私の母は、暁を司る女神のティア。人間の男、つまり私の父の陽斗と恋に落ち、結婚して私を産んだらしい。
そのとき、神が持つ「不死性」と「不老性」のうち、「不死性」の力が出産により、私に引き継がれたという。つまり、私を産んだことで、ティアもとい母から「不死性」が消失したのだ。
よって、不死であるはずのティアは、私を産んですぐに無くなったという。これが、私の前世での記憶だった。
では、私に引き継がれた不死性とはいったい何なのか?
そんな疑問が湧いたが、ヘルル様の言葉がその謎を一気に解き明かした。
「つまり、あなたに引き継がれた不死の力こそが、転生の力なの」
どうやら、この世界は輪廻転生という概念はないらしい。だからこそ、不死は転生を指しているのだという。
しかし、そう言われると一つ気がかりなことがあった。
「では、神様は不死なのになぜ転生しないのですか?」
「ふふっ、いい質問ね。神は皆、不老の力を得ているの。つまり肉体の限界が無いから、不死の力がありながらも転生などありえないのよ」
そう言うと、ヘルル様は手を伸ばし、まるで赤子をあやすかのように私の頭を撫でながら続けた。
「ティアから生まれるはずなのに転生したから、生まれた時に孤児だったんじゃない?」
「はい、まさにその通りですっ……」
ふとガレスさんやお母さんの顔が浮かび、目に涙が滲みそうになった。泣くわけにはいかないと、ギュッときつく口を結ぶ。
すると、ヘルル様は私の頭からそっと手を下ろし、代わりに両手で私の手を包み込んだ。
人肌の温もりが、心地よく手に伝う。
「オーロラは、きっといい人に拾ってもらえたのね」
その言葉だけで、私の心に温もりが広がった。ガレスさんやお母さんたちが褒められたようで、とても嬉しかったのだ。
「はい、この上なく最高な人たちです」
「それは良かったわね。私も嬉しいわ」
そう言うと、ヘルル様は自分事のように喜色の笑みを浮かべた。
かくして、私は自身の出自の秘密を知ることになったのだった。
呟くように名前を告げると、彼女はそっと柔らかく口角を上げた。
「オーロラ、ちょっとお話し相手になってくれる?」
正直、話を聞くどころではないくらい急いでいる。
しかし、探索に行き詰まりを感じていた私は心を落ち着けるためにも、穏やかなヘルル様と話すことを選んだ。
「はい」
もしかしたら、話の中に何かヒントが隠されているかもしれない。
そんな淡い期待を密かに胸に抱きつつ、私はヘルル様とすぐ近くのハンギングベンチまで移動した。
そこについて、先に口を開いたのはヘルル様だった。
「実はね、あなたに会ったとき、ふと古い友人を思い出したの」
「友人ですか?」
「ええ、私の記憶の中でたった一人の友人よ。昔はその子と、今あなたが座っているベンチに並んで、よく語らったわ」
遠い日の記憶を懐かしむかのように、彼女がフッと目を細めた。その表情は笑っているはずなのに、泣いているかのようにも見え、なぜか心が苦しくなる。
「大切な友人の方なのですね」
「ええ、そうよ。あなたの魂ととてもよく似た魂を持った子で……ちょっと待って。よくよく考えたらおかしいわ」
何がおかしいのか分からず、思わず首を傾げる。すると、ヘルル様はそんな私をジーっと凝視してきた。
――何を見てるの?
訳も分からないまま、ヘルル様に熱い視線を注がれる。そろそろ気恥ずかしい、そう思い始めたころ、ようやくヘルル様が口を開いた。
「ああ、分かったっ……」
ヘルル様は初対面の真顔からは想像もできないほど、達成感と感動に満ちたような表情で笑った。
何が分かったのだろうか。そんな疑問符を頭に浮かべた直後、彼女はその中身を告げた。
「あなた、ティアの子なのね」
「…………ティア?」
ティアとはいったい誰なのだろうか。私がその人の子どもとはどういうことなのか。
突然の衝撃的な情報に、脳内でさまざまな情報が錯綜し混乱してしまう。すると、そんな私にヘルル様が続けた。
「人間の魂もあるからすぐに気付けなかったけど、あなたはティアの子よ。あなたの魂には、神にしかない不死の効力がかけられているから間違いないわ」
私はただの人間なのに、そんなわけないだろう。不死の効力なんて意味が分からない。何を根拠にそんなことを言っているんだろうか。
「ど、どうしてそんなことが分かるんですかっ?」
聞きたいことが溢れそうになりながら、挙動不審に訊ねる。すると、ヘルル様は慈しむような眼差しで私を見つめ、口元に微笑を湛えながら答えた。
「私は冥界の神。人や神、すべての命あるものの魂の成り立ちを見ることができるの」
腰ほどまである艶やかで潤沢な黒髪を揺らしながら、ヘルル様が言葉を紡ぐ。その姿は人型ではあるものの、離す内容や佇まいから、やはり神なのだと思い知らされた。
「そのようなお力があられるのですね」
「ええ、そうよ。ただ、私の知っている魂じゃないと、誰の魂とのつながりがあるかは分からないわ。逆に言うと、父母のうちどちらかを知っていれば分かる」
「そうなんですね……って、じゃあもしかして、その古い友人って……」
「ええ、あなたのお母さんのことよ」
なんて繋がりだろうか。
だが、私は未だなお混乱していた。こんなファンタジーでオカルトな話は信じられないとか、そう言う問題ではない。
この世界のお母さんは確かにティアかもしれない。
ただ、私には日本でも生まれた記憶があったからこそ、妙にヘルル様の言葉を飲み込めきれなかったのだ。
そのため、ここは何でもありのファンタジー世界なのだと開き直り、誰にも言えなかった転生者である事実を告げてみることにした。
「あの、ヘルル様……。実は私、転生しているようなんです」
「転生?」
「はい。正しい言葉の意味かは分からないんですけど、とにかく前世の記憶があるんです。なのに、本当にティアの魂が引き継がれているのでしょうか?」
信じてくれるだろうか。おかしな話をしている奴だと思われたらどうしよう。
そんな不安が心を渦巻く。しかし、それは杞憂に終わった。
「それこそ、あなたがティアの娘である証拠よ。あなたはティアの記憶はあるかしら?」
「ティアの記憶?」
「ええ、つまり前世のお母さんの記憶についてなんだけど……」
ヘルル様のその言葉に、私は頭から氷を被ったかのような衝撃を受けた。
そうだ、日本人の私のお母さんは外国人だって言ってた。
私のお父さんの名前は、野極陽斗。それは覚えてる。だけど、お父さんはお母さんのことをいつもお母さんって呼んでたから、本名を考えることなど普段なかった。
でも、今言われてようやく片隅にあった記憶が紐解かれた。
「ティア……確かにお母さんの名前だったと、今思い出しました。でも、私が生まれて記憶もないうちに亡くなったんです」
「そうだったのね。じゃあ、あなたがどうして転生したのか、ちゃんとお話ししましょうか」
「お願いしますっ……!」
私のその言葉に頷きを返すと、ヘルル様は陽だまりのような温かみある声で母について語ってくれた。
私の母は、暁を司る女神のティア。人間の男、つまり私の父の陽斗と恋に落ち、結婚して私を産んだらしい。
そのとき、神が持つ「不死性」と「不老性」のうち、「不死性」の力が出産により、私に引き継がれたという。つまり、私を産んだことで、ティアもとい母から「不死性」が消失したのだ。
よって、不死であるはずのティアは、私を産んですぐに無くなったという。これが、私の前世での記憶だった。
では、私に引き継がれた不死性とはいったい何なのか?
そんな疑問が湧いたが、ヘルル様の言葉がその謎を一気に解き明かした。
「つまり、あなたに引き継がれた不死の力こそが、転生の力なの」
どうやら、この世界は輪廻転生という概念はないらしい。だからこそ、不死は転生を指しているのだという。
しかし、そう言われると一つ気がかりなことがあった。
「では、神様は不死なのになぜ転生しないのですか?」
「ふふっ、いい質問ね。神は皆、不老の力を得ているの。つまり肉体の限界が無いから、不死の力がありながらも転生などありえないのよ」
そう言うと、ヘルル様は手を伸ばし、まるで赤子をあやすかのように私の頭を撫でながら続けた。
「ティアから生まれるはずなのに転生したから、生まれた時に孤児だったんじゃない?」
「はい、まさにその通りですっ……」
ふとガレスさんやお母さんの顔が浮かび、目に涙が滲みそうになった。泣くわけにはいかないと、ギュッときつく口を結ぶ。
すると、ヘルル様は私の頭からそっと手を下ろし、代わりに両手で私の手を包み込んだ。
人肌の温もりが、心地よく手に伝う。
「オーロラは、きっといい人に拾ってもらえたのね」
その言葉だけで、私の心に温もりが広がった。ガレスさんやお母さんたちが褒められたようで、とても嬉しかったのだ。
「はい、この上なく最高な人たちです」
「それは良かったわね。私も嬉しいわ」
そう言うと、ヘルル様は自分事のように喜色の笑みを浮かべた。
かくして、私は自身の出自の秘密を知ることになったのだった。
44
お気に入りに追加
152
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
虐げられた令嬢は、姉の代わりに王子へ嫁ぐ――たとえお飾りの妃だとしても
千堂みくま
恋愛
「この卑しい娘め、おまえはただの身代わりだろうが!」 ケルホーン伯爵家に生まれたシーナは、ある理由から義理の家族に虐げられていた。シーナは姉のルターナと瓜二つの顔を持ち、背格好もよく似ている。姉は病弱なため、義父はシーナに「ルターナの代わりに、婚約者のレクオン王子と面会しろ」と強要してきた。二人はなんとか支えあって生きてきたが、とうとうある冬の日にルターナは帰らぬ人となってしまう。「このお金を持って、逃げて――」ルターナは最後の力で屋敷から妹を逃がし、シーナは名前を捨てて別人として暮らしはじめたが、レクオン王子が迎えにやってきて……。○第15回恋愛小説大賞に参加しています。もしよろしければ応援お願いいたします。
元ヤン辺境伯令嬢は今生では王子様とおとぎ話の様な恋がしたくて令嬢らしくしていましたが、中身オラオラな近衛兵に執着されてしまいました
桜枝 頌
恋愛
辺境伯令嬢に転生した前世ヤンキーだったグレース。生まれ変わった世界は前世で憧れていたおとぎ話の様な世界。グレースは豪華なドレスに身を包み、甘く優しい王子様とベタな童話の様な恋をするべく、令嬢らしく立ち振る舞う。
が、しかし、意中のフランソワ王太子に、傲慢令嬢をシメあげているところを見られてしまい、そしてなぜか近衛師団の目つきも口も悪い男ビリーに目をつけられ、執着されて溺愛されてしまう。 違う! 貴方みたいなガラの悪い男じゃなくて、激甘な王子様と恋がしたいの!! そんなグレースは目つきの悪い男の秘密をまだ知らない……。
※「小説家になろう」様、「エブリスタ」様にも投稿作品です
※エピローグ追加しました
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる