70 / 77
70話 結ばれる二人
しおりを挟む
……腹は括った。そう意を決し、私は口を開いた。
「エンディミオン様」
「はい」
笑顔の奥に緊張が見え隠れしている。そんな彼に、私は言葉を続けた。
「私はあなたに、つい冷たい態度を取ってしまうことがあります」
「そう思ったことは無いですよ」
「はっきりとものを言ってしまうこともあります」
「素直で素敵です」
――ポジティブ過ぎないかしら……?
自身の今までの言動を振り返ると、告白や求婚をしてくるエンディミオン様を冷たくあしらった記憶が蘇ってくる。だが、そう思ったことは無いというエンディミオン様。
そのうえ、はっきりとものを言うことについても素直で素敵だなんて言い、何なら彼は緊張が解けた様子で余裕の笑みすら浮かべ始めている。
――こんな私だけど……。
そう続けようと思ったのに、本当に何とも思っていないの?
フィルターをかけて、本当の私が見えていないんじゃ……。
いつもよりナーバスになっているのか、ついそう思ってしまう。そのため、本来言うつもりは無かったが、私は彼に自身の面倒臭い性分を話すことにした。
「逆に思いを言えず、心に溜め込むこともあります」
そう言うと、彼はクスっと笑いながら、私の顔を覗き込むようにして告げた。
「そこは、私の腕の見せ所ですねっ!」
この言葉に、私は思わず呼吸を忘れかけた。
貴族令嬢たちから蠱惑的な男性と称される人物が、私の前では実に健気な純真さを見せている。こんなの……もう彼に傾かざるを得ないだろう。
そう思いながら、私は呼吸を整えて再び口を開いた。
「……そういうあなたの優しさに甘えてしまっていることが、よくあります」
「全然足りませんよ! もっと甘えてください?」
ただでさえ好きだと言うのに、依存しかねない言葉をかけられ、胸にときめきとざわめきが広がる。だがそのとき、ふと私の心に一抹の不安が過ぎり、それは言葉となった。
「私はあなたよりも年上なんですよ……?」
そう告げると、彼は再び笑みを零しながら、何てこと無いように言葉を返した。
「年齢なんてただの数字ですよ。クリスタ様がクリスタ様である限り、私はあなたが何歳になろうと愛し続けます。甘えられるのも大歓迎です。私もその分甘えます!」
甘く優しい声音で紡がれたその言葉が、いともたやすく私の胸を締め付ける。しかし、私には他の懸念もあったため、いっそのことだと思い、それらも彼に告げることにした。
「エンディミオン様のように、美しい顔も持ち合わせておりません」
「私の美的感覚ではあなたは美しいですよ。何より、他の者が何と言おうと、私はあなたの顔が世界で一番大好きです」
直球で大好きなんて告げられ、思わずエンディミオン様から顔を逸らすように俯いてしまう。だが、言いたいことが残っていたため、恥ずかしさを誤魔化すように言葉は続けた。
「あなたのように、何でも器用にこなせません」
「ふふっ、刺繍で帳消しでしょう? 私も何でもできるわけではないですよ。それに、器用にこなすかよりも、私はこれと決めたら精進を重ねるあなたが好きなので、問題ありません」
「わ、私は意外と嫉妬深いですよっ……」
「クリスタ様からの嫉妬なら本望です」
「性格も可愛げが無いですよ? 面倒臭い自覚だってありますっ……」
「面倒上等です。私はあなたの可愛いところを沢山知ってます。今から言いましょうか?」
「い、いえっ! 結構です!」
――聞きたいけど、聞いたら心臓がおかしくなるに決まってる。
でも……ここまで言ったなら、知っているだろうけど、あのことは改めて言っておくべきよね。
それで……最後、きちんと言うのよ。
そう決意を新たにし、私は自身の全てを曝け出すべく、「次は何ですか?」なんて言いながら笑みを浮かべているエンディミオン様に、言葉を続けた。
「……っ私には、黒歴史のような恋愛歴もあります」
これは事実。かつて愚かだった私の、消したくても一生消せない過去だ。
他の男と婚前に恋愛歴がある女を好まない貴族男性は多い。だからこそ、エンディミオン様が知っていることは分かったうえで、敢えて言葉にして私から伝えた。
その答え次第で、心の中でけりを付けられると思ったからだ。
そして、私はエンディミオン様の反応が気になり、恐る恐る視線を彼に向けた。
すると予想外なことに、私の視界に映ったエンディミオン様は、一切動揺の色を見せていなかった。
それどころか、穏やかな表情になり、彼は近くにあった私の手をそっと掬い上げると、優しく話しかけてきた。
「それは、クリスタ様の成長過程でしょう? そこも含めて、私は今、目の前にいるあなたを愛します」
ちょっと良い気はしませんが……。くらいのことは、当然のごとく言われると思っていた。それなのに、彼はそれを私の成長過程と言って受け入れてくれた。どれだけ懐が深いのだろうか。
そう考えながら、私はドクドクと激しく脈を打つ心臓を抱え、さらに言葉を続けた。
「私はあなたのように素敵なデートを準備することや、最高のシチュエーションを用意することも得意ではないです」
そう言うと、間髪入れずに彼が言葉をかける。
「クリスタ様がそばに居てくれる、それこそが何ものにも変え難き幸せですから何も問題ありません」
なんて嬉しい言葉だろうか。そんな舞い上がりそうな気持ちを必死に押し殺しながら、流れのままに私は告げた。
「それは私もです……。あなたと共に過ごす時間が、いつの間にかけがえのない時間になっていました。こんな私ですが、あなたのことを愛しています。……エンディミオン様、私と結婚してくださいますか?」
そう言って、私の手を掬っていたエンディミオン様の手を、両手で包み込んだ。
その瞬間、先ほどまでは笑みを浮かべていたエンディミオン様の顔から、表情という表情が抜け落ちた。
その様子は、まるで時が止まったかのようだ。だが、それから間もなくエンディミオン様が口を開いた。
「本当に……本当ですか……?」
信じられないというでも言うように、エンディミオン様が口から声を零す。
「はい。私はエンディミオン様、あなたと結婚したいです。私と……っ結婚してくださいませんか?」
はっきりと、私の意志を告げた。
後はもう、エンディミオン様からの返事を待つだけ。
緊張で、自身の鼓動が身体中に響く。そんな中、エンディミオン様の顔を見やると、美しいアクアマリンの瞳とばっちり目が合った。
刹那、これまで見てきた中で最も幸せそうな笑顔をしたエンディミオン様が、視界に飛び込んで……いや、物理的に飛び込んできた。
「まさかクリスタ様から求婚してくださるなんてっ……。喜んでっ……もちろん喜んでお受けいたします!」
そう言いながら、私を包み込むように抱き締めるエンディミオン様。そんな彼の背中に腕を回し、私もただひたすらにギュッと抱き締め返した。
すると、それに呼応するように、エンディミオン様は先程よりも抱き締める力を強くした。
それからしばらくし、少し興奮が落ち着いた様子のエンディミオン様が、私の耳元でポツリと囁くように話しかけてきた。
「この世の誰よりも、何よりも、クリスタ様を愛しております。一生大切にします」
その言葉を聞き、今までの人生がまるで走馬灯のように脳内を駆け巡り、涙が零れそうになる。
だが突然、エンディミオン様が抱き締める腕の力を緩めた。それにより、私も自然と釣られるように腕の力を緩める。
すると途端に、近距離でエンディミオン様と向かい合う状態になった。
かと思えば、正面から私を見つめるエンディミオン様が、流れるように私の頬の輪郭に自身の右手滑らせ、一言放った。
「……良いですか?」
これに、私は一つの頷きを返した。
ゆっくりと近付くエンディミオン様の顔。
いつもとは違い、酷く熱を帯びた彼の瞳が私の瞳と心を捉えた。
その瞬間、ついに私たちの唇は重なった。
こんな日が来るなんて、初めて会った時は思ってもみなかった。そんな思いと幸せを噛み締めながら、私はエンディミオン様とこの幸せな時間を共にした。
―――――――――――――――
お読みくださり、本当にありがとうございます(´;ω;`)
やっとここまで来ました。
出来るだけ年内に完結させられるよう頑張ります。(ちょっと過ぎたらごめんなさい)
2024年も新作を出す予定なので、もし出たらよろしくお願いいたします。
「エンディミオン様」
「はい」
笑顔の奥に緊張が見え隠れしている。そんな彼に、私は言葉を続けた。
「私はあなたに、つい冷たい態度を取ってしまうことがあります」
「そう思ったことは無いですよ」
「はっきりとものを言ってしまうこともあります」
「素直で素敵です」
――ポジティブ過ぎないかしら……?
自身の今までの言動を振り返ると、告白や求婚をしてくるエンディミオン様を冷たくあしらった記憶が蘇ってくる。だが、そう思ったことは無いというエンディミオン様。
そのうえ、はっきりとものを言うことについても素直で素敵だなんて言い、何なら彼は緊張が解けた様子で余裕の笑みすら浮かべ始めている。
――こんな私だけど……。
そう続けようと思ったのに、本当に何とも思っていないの?
フィルターをかけて、本当の私が見えていないんじゃ……。
いつもよりナーバスになっているのか、ついそう思ってしまう。そのため、本来言うつもりは無かったが、私は彼に自身の面倒臭い性分を話すことにした。
「逆に思いを言えず、心に溜め込むこともあります」
そう言うと、彼はクスっと笑いながら、私の顔を覗き込むようにして告げた。
「そこは、私の腕の見せ所ですねっ!」
この言葉に、私は思わず呼吸を忘れかけた。
貴族令嬢たちから蠱惑的な男性と称される人物が、私の前では実に健気な純真さを見せている。こんなの……もう彼に傾かざるを得ないだろう。
そう思いながら、私は呼吸を整えて再び口を開いた。
「……そういうあなたの優しさに甘えてしまっていることが、よくあります」
「全然足りませんよ! もっと甘えてください?」
ただでさえ好きだと言うのに、依存しかねない言葉をかけられ、胸にときめきとざわめきが広がる。だがそのとき、ふと私の心に一抹の不安が過ぎり、それは言葉となった。
「私はあなたよりも年上なんですよ……?」
そう告げると、彼は再び笑みを零しながら、何てこと無いように言葉を返した。
「年齢なんてただの数字ですよ。クリスタ様がクリスタ様である限り、私はあなたが何歳になろうと愛し続けます。甘えられるのも大歓迎です。私もその分甘えます!」
甘く優しい声音で紡がれたその言葉が、いともたやすく私の胸を締め付ける。しかし、私には他の懸念もあったため、いっそのことだと思い、それらも彼に告げることにした。
「エンディミオン様のように、美しい顔も持ち合わせておりません」
「私の美的感覚ではあなたは美しいですよ。何より、他の者が何と言おうと、私はあなたの顔が世界で一番大好きです」
直球で大好きなんて告げられ、思わずエンディミオン様から顔を逸らすように俯いてしまう。だが、言いたいことが残っていたため、恥ずかしさを誤魔化すように言葉は続けた。
「あなたのように、何でも器用にこなせません」
「ふふっ、刺繍で帳消しでしょう? 私も何でもできるわけではないですよ。それに、器用にこなすかよりも、私はこれと決めたら精進を重ねるあなたが好きなので、問題ありません」
「わ、私は意外と嫉妬深いですよっ……」
「クリスタ様からの嫉妬なら本望です」
「性格も可愛げが無いですよ? 面倒臭い自覚だってありますっ……」
「面倒上等です。私はあなたの可愛いところを沢山知ってます。今から言いましょうか?」
「い、いえっ! 結構です!」
――聞きたいけど、聞いたら心臓がおかしくなるに決まってる。
でも……ここまで言ったなら、知っているだろうけど、あのことは改めて言っておくべきよね。
それで……最後、きちんと言うのよ。
そう決意を新たにし、私は自身の全てを曝け出すべく、「次は何ですか?」なんて言いながら笑みを浮かべているエンディミオン様に、言葉を続けた。
「……っ私には、黒歴史のような恋愛歴もあります」
これは事実。かつて愚かだった私の、消したくても一生消せない過去だ。
他の男と婚前に恋愛歴がある女を好まない貴族男性は多い。だからこそ、エンディミオン様が知っていることは分かったうえで、敢えて言葉にして私から伝えた。
その答え次第で、心の中でけりを付けられると思ったからだ。
そして、私はエンディミオン様の反応が気になり、恐る恐る視線を彼に向けた。
すると予想外なことに、私の視界に映ったエンディミオン様は、一切動揺の色を見せていなかった。
それどころか、穏やかな表情になり、彼は近くにあった私の手をそっと掬い上げると、優しく話しかけてきた。
「それは、クリスタ様の成長過程でしょう? そこも含めて、私は今、目の前にいるあなたを愛します」
ちょっと良い気はしませんが……。くらいのことは、当然のごとく言われると思っていた。それなのに、彼はそれを私の成長過程と言って受け入れてくれた。どれだけ懐が深いのだろうか。
そう考えながら、私はドクドクと激しく脈を打つ心臓を抱え、さらに言葉を続けた。
「私はあなたのように素敵なデートを準備することや、最高のシチュエーションを用意することも得意ではないです」
そう言うと、間髪入れずに彼が言葉をかける。
「クリスタ様がそばに居てくれる、それこそが何ものにも変え難き幸せですから何も問題ありません」
なんて嬉しい言葉だろうか。そんな舞い上がりそうな気持ちを必死に押し殺しながら、流れのままに私は告げた。
「それは私もです……。あなたと共に過ごす時間が、いつの間にかけがえのない時間になっていました。こんな私ですが、あなたのことを愛しています。……エンディミオン様、私と結婚してくださいますか?」
そう言って、私の手を掬っていたエンディミオン様の手を、両手で包み込んだ。
その瞬間、先ほどまでは笑みを浮かべていたエンディミオン様の顔から、表情という表情が抜け落ちた。
その様子は、まるで時が止まったかのようだ。だが、それから間もなくエンディミオン様が口を開いた。
「本当に……本当ですか……?」
信じられないというでも言うように、エンディミオン様が口から声を零す。
「はい。私はエンディミオン様、あなたと結婚したいです。私と……っ結婚してくださいませんか?」
はっきりと、私の意志を告げた。
後はもう、エンディミオン様からの返事を待つだけ。
緊張で、自身の鼓動が身体中に響く。そんな中、エンディミオン様の顔を見やると、美しいアクアマリンの瞳とばっちり目が合った。
刹那、これまで見てきた中で最も幸せそうな笑顔をしたエンディミオン様が、視界に飛び込んで……いや、物理的に飛び込んできた。
「まさかクリスタ様から求婚してくださるなんてっ……。喜んでっ……もちろん喜んでお受けいたします!」
そう言いながら、私を包み込むように抱き締めるエンディミオン様。そんな彼の背中に腕を回し、私もただひたすらにギュッと抱き締め返した。
すると、それに呼応するように、エンディミオン様は先程よりも抱き締める力を強くした。
それからしばらくし、少し興奮が落ち着いた様子のエンディミオン様が、私の耳元でポツリと囁くように話しかけてきた。
「この世の誰よりも、何よりも、クリスタ様を愛しております。一生大切にします」
その言葉を聞き、今までの人生がまるで走馬灯のように脳内を駆け巡り、涙が零れそうになる。
だが突然、エンディミオン様が抱き締める腕の力を緩めた。それにより、私も自然と釣られるように腕の力を緩める。
すると途端に、近距離でエンディミオン様と向かい合う状態になった。
かと思えば、正面から私を見つめるエンディミオン様が、流れるように私の頬の輪郭に自身の右手滑らせ、一言放った。
「……良いですか?」
これに、私は一つの頷きを返した。
ゆっくりと近付くエンディミオン様の顔。
いつもとは違い、酷く熱を帯びた彼の瞳が私の瞳と心を捉えた。
その瞬間、ついに私たちの唇は重なった。
こんな日が来るなんて、初めて会った時は思ってもみなかった。そんな思いと幸せを噛み締めながら、私はエンディミオン様とこの幸せな時間を共にした。
―――――――――――――――
お読みくださり、本当にありがとうございます(´;ω;`)
やっとここまで来ました。
出来るだけ年内に完結させられるよう頑張ります。(ちょっと過ぎたらごめんなさい)
2024年も新作を出す予定なので、もし出たらよろしくお願いいたします。
60
お気に入りに追加
1,167
あなたにおすすめの小説
本日は、絶好の婚約破棄日和です。
秋津冴
恋愛
聖女として二年間、王国に奉仕してきたマルゴット。
彼女には同じく、二年前から婚約している王太子がいた。
日頃から、怒るか、罵るか、たまに褒めるか。
そんな両極端な性格の殿下との付き合いに、未来を見れなくなってきた、今日この頃。
自分には幸せな結婚はないのかしら、とぼやくマルゴットに王太子ラスティンの婚約破棄宣が叩きつけられる。
その理由は「聖女が他の男と不貞を働いたから」
しかし、マルゴットにはそんな覚えはまったくない。
むしろこの不合理な婚約破棄を逆手にとって、こちらから婚約破棄してやろう。
自分の希望に満ちた未来を掴み取るため、これまで虐げられてきた聖女が、理不尽な婚約者に牙をむく。
2022.10.18 設定を追記しました。
カラス令嬢と蔑まれた私ですが、第二王子に溺愛されて自分らしく暮らします
卯崎瑛珠
恋愛
クロード伯爵令嬢である私は、現代日本で生きていた記憶を持っているだけの、ごくごく普通の人間だった。
特殊なスキルなんかないし、お陰で令嬢らしくない。とある事情で母の心を壊してしまった私は、父である騎士団長にお願いして、強くなるために剣の稽古に励んでいた。
いつか家を出て、厳しい辺境の地で戦いながら王国に貢献するのが希望だったのに――なぜか第二王子の婚約者に選ばれてしまった。もちろん戸惑ったけれど、自分らしいままに溺愛されることが、とっても嬉しいよ……
-----------------------------
タイトルまんまです。
落ちもひねりもない。(作者の)ストレス解消!
なろうとカクヨムにも掲載しています
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
距離を置きましょう? やったー喜んで! 物理的にですけど、良いですよね?
hazuki.mikado
恋愛
婚約者が私と距離を置きたいらしい。
待ってましたッ! 喜んで!
なんなら物理的な距離でも良いですよ?
乗り気じゃない婚約をヒロインに押し付けて逃げる気満々の公爵令嬢は悪役令嬢でしかも転生者。
あれ? どうしてこうなった?
頑張って断罪劇から逃げたつもりだったけど、先に待ち構えていた隣りの家のお兄さんにあっさり捕まってでろでろに溺愛されちゃう中身アラサー女子のお話し。
×××
取扱説明事項〜▲▲▲
作者は誤字脱字変換ミスと投稿ミスを繰り返すという老眼鏡とハズキルーペが手放せない(老)人です(~ ̄³ ̄)~マジでミスをやらかしますが生暖かく見守って頂けると有り難いです(_ _)お気に入り登録や感想、動く栞、以前は無かった♡機能。そして有り難いことに動画の視聴。ついでに誤字脱字報告という皆様の愛(老人介護)がモチベアップの燃料です(人*´∀`)。*゜+
皆様の愛を真摯に受け止めております(_ _)←多分。
9/18 HOT女性1位獲得シマシタ。応援ありがとうございますッヽ(*゚ー゚*)ノ
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる