5 / 138
第1章 転生直後は罠だらけ
1-5 若いって凄い
しおりを挟む
次の日朝、2日酔いから復活した父に叩き起された。理由は母が俺に魔法の修業をした事への嫉妬心だそうだ。相変わらず父は明るく元気である。
「(それにしても叩き起こされたのは地味に痛かった……父ちゃん、理不尽でだよ……)」
「わっはっは! 朝っぱらから悪かったな、リオ。昨日出来なかった修業をこれからするぞ」
父は笑いながら俺の頭をわしゃしゃと撫でる。
「父ちゃん! 起きんのも、修行すんのも良いけどせめて起こすなら叩き起こすのはやめてよ! 地味にいたかったんだからね!」
そんな父に俺はプイッと顔を逸らしふくれっ面になりながら答えた。
「すまん、すまん! 悪かったから後で母ちゃんには内緒に何か食い物買ってやるからな。なっ? それで許してくれよ」
父は謝っている最中も笑顔だったが、自身の顔の前で右手を前後な動かしながら謝罪した。
「本当! じゃあ、許す。何買ってもらおうかなぁ~」
俺はさっき迄の怒りは頭の外へ行きウキウキしながら買い食いを楽しみにする。
「(自分でもチョロい性格していると思う。それでも、前世でも今世でも食うことは楽しみなんだよ……合併症引き起こしてからは制限あったから……制限のない今は楽しみたいんだ……! それに、中世ヨーロッパみたいな世界観、技術力のくせに食文化だけなんか分かんねぇけど前世基準でレベルが高ぇんだよなぁ。出店でも値段の割には良いもの売っているし不思議だと思う)」
この国がおかしいのか、それともこの世界がおかしいのか建造物や製造技術は中世に近い感じがする。しかし、食へのこだわりは前世とも張り合うほど高い為にチグハグ感があった。
「わっはっは! 俺に似て単純だなぁ。じゃあ、修行すっかー。今日から俺がリオに教えるのは体術だ。母ちゃんから頭が良いことは聞いているが、武器は流石に危ねーし、前衛にも後衛にも必要な体術を学べば無駄にはなんねーだろ。」
父は笑っていた顔を引き締めて真面目な表情で俺に語りかけた。俺は正直似合わない。父は笑っていた方が父らしいと思った。
「先ずは、体を温めてから走るか。これを続けていくと"筋力向上Ⅰ"の技能が得られる。この技能は強度が上がるときに能力補正をかけてくれるから取るに越したことは無いんだぜ。技能にもレベルがあるのは知っているだろ?"筋力向上Ⅰ"を上限まで上げると強度が1上がるにつれて最大で5追加で補正が入る」
「それは凄すぎない? その技能って走らなくちゃ上がらないの? 型の練習や素振りとかでも上がるの?」
俺はそのヤバさに驚きながら父に疑問を投げかけた。
「いや、勿論上がるぞ。でも今は走った方が効果的なんだよ。1番は戦闘時が上がりやすい事で、2番目は海って言うとてもでっかい水溜りで動いたときなんだ。走るのは3番目くらいに上がりやすくて、素振りの様な変に癖を付けず、年齢に見合わない負荷を体に掛けるよりかは強くなるには効果あるんだよ」
父はやっぱり似合わないくらい論理的に一つ一つ話し俺の疑問を解消していき俺に準備が出来たかを聞いてきた。
「よし。少し歩いて体の節々を温めて走るかー。準備は良いか? リオ」
「おう、父ちゃん。今日はよろしくな!」
「こちらこそ、よろしくな! リオ」
俺と父は互いに笑いながら、挨拶を行い走り出した。
俺は50m走っては歩いて走っては歩いてを繰り返しておそよ500~600mくらい走ったところで力尽き、父に背負われていた。正直5歳だから200m行ったから良いのかなと思っていたが意外と走れた。
俺が300mくらい走った所でもう無理と思った矢先突然体が軽くなり、呼吸が楽になった。結果調子に乗って走ったらぶっ倒れてしまった。その後に俺を背負って果物ジュースみたいなものを買ってくれた父は俺を見て笑いながら、褒めてくれた。
「わっはっは! よく頑張ったな、リオ。その年にしちゃよく走ったもんだ」
俺はジュースを飲みながら体力回復に努めた。決してにやけていない。いないったらいない!
「リオ。そう言えば、途中無理そうだったけど、突然体が軽くなる様な感覚は無かったか?」
「えっ!? なんで分かったの?」
俺はジュースを吹き出さない様にしつつ父の問いに驚きながら答えた。
「そりゃ多分"筋力向上Ⅰ"の技能が発現したんだよ。後で家に帰ったか確認してみると良い。今はやめておけよ。折角の買い食いだからそっちに集中しとけ。な?」
俺は父の言葉に頷き、確認しようとしていたステータスをやめて買い食い集中した。
「うん。分かったよ。さてと、何食うかな~。あっはっは。」
俺は歩く父の背中からキョロキョロと周囲の店を見て回りる。
「父ちゃん。待って! あの紫色の丸っぽい果物って何?」
偶々見かけた果物屋を通り過ぎようとしていた時に紫色の林檎っぽい形の果物が気になり声を上げた。
「あれはな~リゴンって言ってな~……見た目が悪いのに甘酸っぱくて美味いんだぜ! 俺も母ちゃんも好きなんだが、皮だけではなく実の方まで紫色だからあまり子供に人気なくてな。ただ、よく育つもんだから、低価格で市場にもよく出る果物なんだよ。リオはそう言うの気にしないのか?」
父は笑みを浮かべていたが少しだけ残念そうにリゴンについて教えてくれた。
「俺はそう言うの気にしないかなぁ~。父ちゃんや母ちゃんが美味いって言うなら、リゴンが食いたい! あれを買って帰ろう」
俺がそう言うと残念そうな顔をやめて嬉しそうな表情でリゴンを買ってくれた。
「それじゃぁ、買って帰るか。リゴンなら買い食いせずに母ちゃんの分も買って家で食おうぜ。序でに家帰って朝飯を食べようぜ。腹減ったぜ」
そう言うと俺たちは一緒に家に帰る。しかし、朝修行する事を母に伝えていなかった父と俺は母に説教を食らって朝飯食ったのはだいぶ後の話だった。
「(それにしても叩き起こされたのは地味に痛かった……父ちゃん、理不尽でだよ……)」
「わっはっは! 朝っぱらから悪かったな、リオ。昨日出来なかった修業をこれからするぞ」
父は笑いながら俺の頭をわしゃしゃと撫でる。
「父ちゃん! 起きんのも、修行すんのも良いけどせめて起こすなら叩き起こすのはやめてよ! 地味にいたかったんだからね!」
そんな父に俺はプイッと顔を逸らしふくれっ面になりながら答えた。
「すまん、すまん! 悪かったから後で母ちゃんには内緒に何か食い物買ってやるからな。なっ? それで許してくれよ」
父は謝っている最中も笑顔だったが、自身の顔の前で右手を前後な動かしながら謝罪した。
「本当! じゃあ、許す。何買ってもらおうかなぁ~」
俺はさっき迄の怒りは頭の外へ行きウキウキしながら買い食いを楽しみにする。
「(自分でもチョロい性格していると思う。それでも、前世でも今世でも食うことは楽しみなんだよ……合併症引き起こしてからは制限あったから……制限のない今は楽しみたいんだ……! それに、中世ヨーロッパみたいな世界観、技術力のくせに食文化だけなんか分かんねぇけど前世基準でレベルが高ぇんだよなぁ。出店でも値段の割には良いもの売っているし不思議だと思う)」
この国がおかしいのか、それともこの世界がおかしいのか建造物や製造技術は中世に近い感じがする。しかし、食へのこだわりは前世とも張り合うほど高い為にチグハグ感があった。
「わっはっは! 俺に似て単純だなぁ。じゃあ、修行すっかー。今日から俺がリオに教えるのは体術だ。母ちゃんから頭が良いことは聞いているが、武器は流石に危ねーし、前衛にも後衛にも必要な体術を学べば無駄にはなんねーだろ。」
父は笑っていた顔を引き締めて真面目な表情で俺に語りかけた。俺は正直似合わない。父は笑っていた方が父らしいと思った。
「先ずは、体を温めてから走るか。これを続けていくと"筋力向上Ⅰ"の技能が得られる。この技能は強度が上がるときに能力補正をかけてくれるから取るに越したことは無いんだぜ。技能にもレベルがあるのは知っているだろ?"筋力向上Ⅰ"を上限まで上げると強度が1上がるにつれて最大で5追加で補正が入る」
「それは凄すぎない? その技能って走らなくちゃ上がらないの? 型の練習や素振りとかでも上がるの?」
俺はそのヤバさに驚きながら父に疑問を投げかけた。
「いや、勿論上がるぞ。でも今は走った方が効果的なんだよ。1番は戦闘時が上がりやすい事で、2番目は海って言うとてもでっかい水溜りで動いたときなんだ。走るのは3番目くらいに上がりやすくて、素振りの様な変に癖を付けず、年齢に見合わない負荷を体に掛けるよりかは強くなるには効果あるんだよ」
父はやっぱり似合わないくらい論理的に一つ一つ話し俺の疑問を解消していき俺に準備が出来たかを聞いてきた。
「よし。少し歩いて体の節々を温めて走るかー。準備は良いか? リオ」
「おう、父ちゃん。今日はよろしくな!」
「こちらこそ、よろしくな! リオ」
俺と父は互いに笑いながら、挨拶を行い走り出した。
俺は50m走っては歩いて走っては歩いてを繰り返しておそよ500~600mくらい走ったところで力尽き、父に背負われていた。正直5歳だから200m行ったから良いのかなと思っていたが意外と走れた。
俺が300mくらい走った所でもう無理と思った矢先突然体が軽くなり、呼吸が楽になった。結果調子に乗って走ったらぶっ倒れてしまった。その後に俺を背負って果物ジュースみたいなものを買ってくれた父は俺を見て笑いながら、褒めてくれた。
「わっはっは! よく頑張ったな、リオ。その年にしちゃよく走ったもんだ」
俺はジュースを飲みながら体力回復に努めた。決してにやけていない。いないったらいない!
「リオ。そう言えば、途中無理そうだったけど、突然体が軽くなる様な感覚は無かったか?」
「えっ!? なんで分かったの?」
俺はジュースを吹き出さない様にしつつ父の問いに驚きながら答えた。
「そりゃ多分"筋力向上Ⅰ"の技能が発現したんだよ。後で家に帰ったか確認してみると良い。今はやめておけよ。折角の買い食いだからそっちに集中しとけ。な?」
俺は父の言葉に頷き、確認しようとしていたステータスをやめて買い食い集中した。
「うん。分かったよ。さてと、何食うかな~。あっはっは。」
俺は歩く父の背中からキョロキョロと周囲の店を見て回りる。
「父ちゃん。待って! あの紫色の丸っぽい果物って何?」
偶々見かけた果物屋を通り過ぎようとしていた時に紫色の林檎っぽい形の果物が気になり声を上げた。
「あれはな~リゴンって言ってな~……見た目が悪いのに甘酸っぱくて美味いんだぜ! 俺も母ちゃんも好きなんだが、皮だけではなく実の方まで紫色だからあまり子供に人気なくてな。ただ、よく育つもんだから、低価格で市場にもよく出る果物なんだよ。リオはそう言うの気にしないのか?」
父は笑みを浮かべていたが少しだけ残念そうにリゴンについて教えてくれた。
「俺はそう言うの気にしないかなぁ~。父ちゃんや母ちゃんが美味いって言うなら、リゴンが食いたい! あれを買って帰ろう」
俺がそう言うと残念そうな顔をやめて嬉しそうな表情でリゴンを買ってくれた。
「それじゃぁ、買って帰るか。リゴンなら買い食いせずに母ちゃんの分も買って家で食おうぜ。序でに家帰って朝飯を食べようぜ。腹減ったぜ」
そう言うと俺たちは一緒に家に帰る。しかし、朝修行する事を母に伝えていなかった父と俺は母に説教を食らって朝飯食ったのはだいぶ後の話だった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ドグラマ3
小松菜
ファンタジー
悪の秘密結社『ヤゴス』の三幹部は改造人間である。とある目的の為、冷凍睡眠により荒廃した未来の日本で目覚める事となる。
異世界と化した魔境日本で組織再興の為に活動を再開した三人は、今日もモンスターや勇者様一行と悲願達成の為に戦いを繰り広げるのだった。
*前作ドグラマ2の続編です。
毎日更新を目指しています。
ご指摘やご質問があればお気軽にどうぞ。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
異世界営生物語
田島久護
ファンタジー
相良仁は高卒でおもちゃ会社に就職し営業部一筋一五年。
ある日出勤すべく向かっていた途中で事故に遭う。
目覚めた先の森から始まる異世界生活。
戸惑いながらも仁は異世界で生き延びる為に営生していきます。
出会う人々と絆を紡いでいく幸せへの物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
マスターズ・リーグ ~傭兵王シリルの剣~
ふりたけ(振木岳人)
ファンタジー
「……あの子を、シリルの事を頼めるか? ……」
騎士王ボードワンが天使の凶刃に倒れた際、彼は実の息子である王子たちの行く末を案じたのではなく、その後の人類に憂いて、精霊王に「いわくつきの子」を託した。
その名はシリル、名前だけで苗字の無い子。そして騎士王が密かに育てようとしていた子。再び天使が地上人絶滅を目的に攻めて来た際に、彼が生きとし生ける者全ての希望の光となるようにと。
この物語は、剣技にも魔術にもまるで秀でていない「どん底シリル」が、栄光の剣を持って地上に光を与える英雄物語である。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる