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三部 神具編
聖なる一族3
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「星霜殿!」
黒耀にしては珍しいほど乱暴にドアを開けた。それこそ、小屋を壊す勢いでだ。
「莱緋! 誰を連れてきたんだ!」
「あ、あの……」
突然の来客。それを妹が連れてきたと気付くなり、兄である莱輝が怒鳴る。
いつも自分には優しい兄がこんな風に怒鳴るのは初めてで、莱緋がポロポロと涙を流す。
「やめろ!」
兄妹の修羅場となりそうになった空気に、別の声が呼び止める。
「莱輝、魔法槍士だ。莱緋に非はない。むしろ、よく連れてきてくれた」
「星霜殿…」
奥から現れた青年。短く切り揃えられた金色の髪に、吸い込まれそうな緑の瞳。
青年は泣きじゃくる少女の頭を撫でると、ふっと笑みを浮かべる。
「判断は間違ってない。だから泣くな」
「星霜様っ」
気まずそうに視線を逸らす莱輝に星霜が視線を向ければ、彼は悪かったと謝った。少しばかり警戒心が強くなっていたのだと。
「ほら、泣くな」
莱輝の気持ちもわかるだろ、と呼びかければ、莱緋は頷きながら泣き続けた。自然に落ち着くのを待つしかないな、と彼は頭を撫で続ける。
小屋の中へ適当に座る一同。星霜だけがベッドへ腰掛けた。
「なんかさぁ、噂とちげぇんだな」
「えぇ。酷い噂だらけでしたからね」
遠巻きから見ている双子。彼らはさりげなく、町に寄るごとに情報収集をしていた。情報とは最大の武器になる。関わらないと言いつつも、なにかのためにと続けていた。
そのため、天竜王の酷い噂をたくさん聞いていたのだ。
もちろん、彼らは魔法槍士補佐官だ。噂を鵜呑みにするような性格ではない。本人を見てみなければわからないが、それとは別に、嘘であってほしいという気持ちもあったのは事実だ。
「うん。あれは父さんみたいなタイプだね。見た目と中身は違うな」
「あ、じゃあ口癖か。めんどくせぇが」
めんどくせぇ、とやる気のない天竜王との噂があったことを思いだし、秋星は笑いそうになる。
「どちらにしろ、意図的にやっているのは間違いない。面白い王だね」
自分達が仕えている王も誇らしいが、こんな王に仕えるのも楽しそうだ。
こんなことを考えてしまうのも、ついつい町で情報収集してしまうのも、職業病だなと三人は顔を見合わせ笑う。
長年の習慣は、未来に来たぐらいでは変わらないようだ。干渉しなければ、情報を集めるぐらいはいいだろう、と思うことにした。
一通りの紹介がされ、過去からの来客には星霜も莱輝、莱緋も驚いたように見る。
「俺達はただの同行者だ。いないものとして扱ってほしいな」
関与はしいないと飛狛は意思表示する。その意味は、関与はしないが、自分達の身は自分達で護るから気にするなという意味もある。
「わかった。ところで、素にしていいか?」
真顔で言う青年に三人は笑った。どうやら、魔法槍士が連れてきた仲間がいるため、作っていたようだ。
「どうぞ」
そんなこと、誰も気にしないだろう。自分達も気にしない。過去の魔法槍士だからと、作る必要はない。
「あー、助かった。あんなしゃべり方してたら、一時間ともたないぜ」
「星霜殿…」
呆れたようにため息をつく黒耀。こういった性格なのはわかっていたが、これでいいのだろうかとも悩む。
噂とのギャップにも、就任してすぐは驚かされたものだ。
「あぁ、みんなも気軽に話してくれよ。敬語とかうっとおしい。黒耀はやめてくれないが」
きっちりやっていたのが嘘のようにだらける姿を見れば、さすがに苦笑いする仲間達。
気さくな王なのか、だらけた王なのか判断に悩むところ。
情報交換をするように黒耀が話せば、星霜が竜王山に起きたことを話す。
「緋色の髪をした女が来て、あっというまだったぜ」
「緋色の髪…まさか…朱華……」
邪教集団は基本的に黒いローブを着ているため、姿がまったくわからない。そんな中、姿を隠さず動いているとすれば彼女しかいない。
(朱華がいるかもしれない。あそこに……)
ようやく会える。そうわかれば、早くと急かす気持ち。
「そうかもなぁ。聞いたあとだから思えるのかもしんねぇが。馬鹿みたいに強かったぜ」
被害が周りに出ないよう、竜王山と麓街を氷に閉ざしたと語る星霜。その際に、いくらかの邪教集団は道連れにした。
逃げ出したのもいるだろうが、まだ近くにいる可能性は高い。
「陽霜は中で氷の維持をしてる。俺が黒耀と連絡をとろうと出てきたんだが、がっつりやられたな。やばかったとこを莱緋に救われた」
少女との出会いがなければやばかった。星霜はハッキリとそう告げる。
怪我の状態はと聞かれれば、彼は笑いながら平気だと答えた。天使族の医療は、やはりどこよりも発展している。
随分乱暴に扱われたが、そのお陰で回復は早い。
「だから、すぐにでも動けるぜ。俺は陽霜を助けなきゃいけねぇ」
一人で中を支える陽霜。彼にとっては生まれたときから一緒の半身だ。早く助けたい。
そして、魔法槍士がいるならそれが可能なのだ。
「もちろんです。陽霜殿を救わなければいけませんし、神具も取り戻さなければいけません」
「……だから、敬語やめろ」
無駄だとわかりつつ星霜が言えば、背後でぷっと吹き出す秋星。
生真面目な魔法槍士に困る天竜王。なかなかに面白い関係だと思ったのだ。
「至急、準備します」
「……ハァ。どんだけ真面目なんだよ」
呆れつつも、星霜が許可を出すように手を振る。これはこの先も変わらないのだろう。
そろそろ自分が折れるべきなのだろう、と思うのだった。
史上初、双子で天竜王に即位した二人。その王が怪我をして逃げてきた。一大事だと判断した莱輝は、里には星霜がいることを伝えていない。
だからこそ、莱輝と莱緋しか使わない小屋にいるのだ。事情を知った一同は旅人として里へ入った。
小屋に引き続き残った星霜。それに過去の三人と莱緋。
三人は未来へ干渉はしない。そのため、里に入らずここへ残ると言った。
今回の一件は、間違いなくこの時代の歴史に残るもの。彼らの仲間として見られるわけにはいかないのだ。可能な限り、彼らとの距離は置いておきたい。
「星霜様、私も今日は帰りますね」
「そんな時間か…」
「キャッ」
急に引き寄せられた力に莱緋が慌てると、彼は笑う。
「お前、やっぱ面白いわ」
頭をポンポンと叩くとあっさりと少女を離し、意地悪そうな笑みを向ける。
「うぅー」
「ガキに興味はねぇよ。バーカ」
「子供じゃないもん!」
とは言うが、星霜から見れば子供に見えてしまうのは仕方ない。
顔を真っ赤にしてムキになる少女に、星霜はさらに笑う。
「わかったわかった。じゃあ、大人扱いしてやろうか?」
再び引き寄せて耳元で囁きかければ、固まる莱緋。先程までの威勢はどこへいったのか。
そっと身体へ触れれば、ビクッと反応するから彼は吹き出す。
「もう、帰る!」
「気を付けて帰れよー」
遊ばれたと気付き、怒鳴って帰る少女と笑う星霜。一連の流れを見ていた三人は、やれやれと肩を竦める。
「好きな女の子ほどいじめたいって、ガキじゃねぇか」
「まったくですね。秋星ですら、もっと優しかったですよね」
「俺を一緒にすんなよ。いじめて楽しむのはお前だろ」
「なんのことですかね」
いつも穏やかに笑いながら裏はドSだと片割れに言えば、片割れはとぼけた。
(確かに…夜秋ってSだよなぁ。紫漓、大変そう)
今更ながらに思う飛狛であった。
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黒耀にしては珍しいほど乱暴にドアを開けた。それこそ、小屋を壊す勢いでだ。
「莱緋! 誰を連れてきたんだ!」
「あ、あの……」
突然の来客。それを妹が連れてきたと気付くなり、兄である莱輝が怒鳴る。
いつも自分には優しい兄がこんな風に怒鳴るのは初めてで、莱緋がポロポロと涙を流す。
「やめろ!」
兄妹の修羅場となりそうになった空気に、別の声が呼び止める。
「莱輝、魔法槍士だ。莱緋に非はない。むしろ、よく連れてきてくれた」
「星霜殿…」
奥から現れた青年。短く切り揃えられた金色の髪に、吸い込まれそうな緑の瞳。
青年は泣きじゃくる少女の頭を撫でると、ふっと笑みを浮かべる。
「判断は間違ってない。だから泣くな」
「星霜様っ」
気まずそうに視線を逸らす莱輝に星霜が視線を向ければ、彼は悪かったと謝った。少しばかり警戒心が強くなっていたのだと。
「ほら、泣くな」
莱輝の気持ちもわかるだろ、と呼びかければ、莱緋は頷きながら泣き続けた。自然に落ち着くのを待つしかないな、と彼は頭を撫で続ける。
小屋の中へ適当に座る一同。星霜だけがベッドへ腰掛けた。
「なんかさぁ、噂とちげぇんだな」
「えぇ。酷い噂だらけでしたからね」
遠巻きから見ている双子。彼らはさりげなく、町に寄るごとに情報収集をしていた。情報とは最大の武器になる。関わらないと言いつつも、なにかのためにと続けていた。
そのため、天竜王の酷い噂をたくさん聞いていたのだ。
もちろん、彼らは魔法槍士補佐官だ。噂を鵜呑みにするような性格ではない。本人を見てみなければわからないが、それとは別に、嘘であってほしいという気持ちもあったのは事実だ。
「うん。あれは父さんみたいなタイプだね。見た目と中身は違うな」
「あ、じゃあ口癖か。めんどくせぇが」
めんどくせぇ、とやる気のない天竜王との噂があったことを思いだし、秋星は笑いそうになる。
「どちらにしろ、意図的にやっているのは間違いない。面白い王だね」
自分達が仕えている王も誇らしいが、こんな王に仕えるのも楽しそうだ。
こんなことを考えてしまうのも、ついつい町で情報収集してしまうのも、職業病だなと三人は顔を見合わせ笑う。
長年の習慣は、未来に来たぐらいでは変わらないようだ。干渉しなければ、情報を集めるぐらいはいいだろう、と思うことにした。
一通りの紹介がされ、過去からの来客には星霜も莱輝、莱緋も驚いたように見る。
「俺達はただの同行者だ。いないものとして扱ってほしいな」
関与はしいないと飛狛は意思表示する。その意味は、関与はしないが、自分達の身は自分達で護るから気にするなという意味もある。
「わかった。ところで、素にしていいか?」
真顔で言う青年に三人は笑った。どうやら、魔法槍士が連れてきた仲間がいるため、作っていたようだ。
「どうぞ」
そんなこと、誰も気にしないだろう。自分達も気にしない。過去の魔法槍士だからと、作る必要はない。
「あー、助かった。あんなしゃべり方してたら、一時間ともたないぜ」
「星霜殿…」
呆れたようにため息をつく黒耀。こういった性格なのはわかっていたが、これでいいのだろうかとも悩む。
噂とのギャップにも、就任してすぐは驚かされたものだ。
「あぁ、みんなも気軽に話してくれよ。敬語とかうっとおしい。黒耀はやめてくれないが」
きっちりやっていたのが嘘のようにだらける姿を見れば、さすがに苦笑いする仲間達。
気さくな王なのか、だらけた王なのか判断に悩むところ。
情報交換をするように黒耀が話せば、星霜が竜王山に起きたことを話す。
「緋色の髪をした女が来て、あっというまだったぜ」
「緋色の髪…まさか…朱華……」
邪教集団は基本的に黒いローブを着ているため、姿がまったくわからない。そんな中、姿を隠さず動いているとすれば彼女しかいない。
(朱華がいるかもしれない。あそこに……)
ようやく会える。そうわかれば、早くと急かす気持ち。
「そうかもなぁ。聞いたあとだから思えるのかもしんねぇが。馬鹿みたいに強かったぜ」
被害が周りに出ないよう、竜王山と麓街を氷に閉ざしたと語る星霜。その際に、いくらかの邪教集団は道連れにした。
逃げ出したのもいるだろうが、まだ近くにいる可能性は高い。
「陽霜は中で氷の維持をしてる。俺が黒耀と連絡をとろうと出てきたんだが、がっつりやられたな。やばかったとこを莱緋に救われた」
少女との出会いがなければやばかった。星霜はハッキリとそう告げる。
怪我の状態はと聞かれれば、彼は笑いながら平気だと答えた。天使族の医療は、やはりどこよりも発展している。
随分乱暴に扱われたが、そのお陰で回復は早い。
「だから、すぐにでも動けるぜ。俺は陽霜を助けなきゃいけねぇ」
一人で中を支える陽霜。彼にとっては生まれたときから一緒の半身だ。早く助けたい。
そして、魔法槍士がいるならそれが可能なのだ。
「もちろんです。陽霜殿を救わなければいけませんし、神具も取り戻さなければいけません」
「……だから、敬語やめろ」
無駄だとわかりつつ星霜が言えば、背後でぷっと吹き出す秋星。
生真面目な魔法槍士に困る天竜王。なかなかに面白い関係だと思ったのだ。
「至急、準備します」
「……ハァ。どんだけ真面目なんだよ」
呆れつつも、星霜が許可を出すように手を振る。これはこの先も変わらないのだろう。
そろそろ自分が折れるべきなのだろう、と思うのだった。
史上初、双子で天竜王に即位した二人。その王が怪我をして逃げてきた。一大事だと判断した莱輝は、里には星霜がいることを伝えていない。
だからこそ、莱輝と莱緋しか使わない小屋にいるのだ。事情を知った一同は旅人として里へ入った。
小屋に引き続き残った星霜。それに過去の三人と莱緋。
三人は未来へ干渉はしない。そのため、里に入らずここへ残ると言った。
今回の一件は、間違いなくこの時代の歴史に残るもの。彼らの仲間として見られるわけにはいかないのだ。可能な限り、彼らとの距離は置いておきたい。
「星霜様、私も今日は帰りますね」
「そんな時間か…」
「キャッ」
急に引き寄せられた力に莱緋が慌てると、彼は笑う。
「お前、やっぱ面白いわ」
頭をポンポンと叩くとあっさりと少女を離し、意地悪そうな笑みを向ける。
「うぅー」
「ガキに興味はねぇよ。バーカ」
「子供じゃないもん!」
とは言うが、星霜から見れば子供に見えてしまうのは仕方ない。
顔を真っ赤にしてムキになる少女に、星霜はさらに笑う。
「わかったわかった。じゃあ、大人扱いしてやろうか?」
再び引き寄せて耳元で囁きかければ、固まる莱緋。先程までの威勢はどこへいったのか。
そっと身体へ触れれば、ビクッと反応するから彼は吹き出す。
「もう、帰る!」
「気を付けて帰れよー」
遊ばれたと気付き、怒鳴って帰る少女と笑う星霜。一連の流れを見ていた三人は、やれやれと肩を竦める。
「好きな女の子ほどいじめたいって、ガキじゃねぇか」
「まったくですね。秋星ですら、もっと優しかったですよね」
「俺を一緒にすんなよ。いじめて楽しむのはお前だろ」
「なんのことですかね」
いつも穏やかに笑いながら裏はドSだと片割れに言えば、片割れはとぼけた。
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