253 / 276
6部 星の女神編
魔物との戦い2
しおりを挟む
強力な助っ人が参加すれば、現れた魔物は大方一掃された。血の嵐を巻き起こすグレンに、さすがの二人も唖然と見ていることしかできなかったのだ。
現状、グレンは聖剣の力を解き放ってはいない。溢れ出す炎と剣だけで戦っているのだが、それでも実力が違いすぎる。
こればかりは、三千年という長い時を生きている経験の差もあるだけに、さすがとしか言えない。
(昔の方が戦も多かったしな)
今の方が平和な時代だと、シュレは知っている。魔物という存在に関しても、三千年前から現れただけに今と昔の違いにはならない。
剣を鞘へ戻すと、シャルは背中に背負っていた聖槍を手にする。
グレンが血の嵐を巻き起こしている今が、あの球体を狙うチャンスだ。魔物が増えている元を叩けば、これ以上増えることはない。
「ソニア!」
「任せて!」
アクアがやってきたことが影響したのか、球体から飛ぶ魔物が現れたのだ。
すぐさま応戦するために飛び上がるソニアを見ながら、あれを早く叩こうと構える。狙うのは魔物が減った瞬間だ。
球体から魔物が現れ、凄まじい勢いで一掃されていく。次の魔物が現れるまで、数秒だが時間がある。この瞬間を狙って、シャルは一直線に駆け抜けた。
「聖槍よ!」
余計な力は使いたくない。力を抑えた上で一撃だとシャルが球体に槍を突き刺す。これが一番、無駄のないやり方だと。
球体の中から光が溢れると、体内から吹き飛ばされたように霧散していく。
散っていく黒い霧を見たグレンが、すぐさま金色の炎で消し去った。本能的に、このまま散らせてはいけないと感じたのだ。
「ひとまず、魔物の大群はどうにかなったか」
「でも、あれが残ったねぇ」
グレンの傍へ近寄ると、アクアが残った魔物を見る。見ただけで闇だとわかる魔物を。
「牛頭……だな」
「そうだね。牛だね」
頭だけ牛だ、と二人がのんびり言えば、空中戦を終わらせたソニアも降り立つ。
こんなにのんびりしていていいのか、と思っていたが、言葉と態度はまったく違う。張り詰めた空気は、間違いなく魔物を警戒していた。
「あれをさっさと片付けるか。あちらがやばそうだ」
チラリと向けられた方角は、ヴェルトとトレセスが受け持っているところ。月神がいるはずの場所だ。
「あちらに、魔物の戦力は傾いてるということか」
月神がいるからこそ、強い魔物はあちらにいるとシャルは思った。
グレンもこのときは同意見で、まさか星の女神を狙っているなど思いもしていない。覚醒の予兆に関しては星でわかっているのだが、魔物が邪魔するとまでは思っていなかったのだ。
「アクア、どうだ?」
「覚醒までもう少しかかると思う。向こうの闇が二匹になってるし……あれ?」
星が移動していると、アクアが首を傾げる。トレセスを表す星だとわかれば、確認したい気持ちをなんとか抑えた。今は魔物だと。
「なにか動きがあるのか。どちらにしても、あれを倒して向かった方がいいか」
少し悩むところだが、まずはこちらを落ち着かせてからだとグレンは魔物を見る。
「それは間違いないですが、ここまで落ち着けばどうにかできる。あちらに行かれた方がいい」
シャルが真っ直ぐに見れば、いいのかと問いかけるように瞳を細めた。聖槍があれば戦えるが、それでも簡単に倒せるような魔物ではない。
ここまできたら、倒すまでと思っていた。
「移動にも時間がかかる。俺はソニアがいれば問題はない」
だから行って構わないと言われれば、グレンは迷わない。すぐさま加勢するために駆け出す。
シャルの言葉を信じたのだ。
どこからともなく現れる魔物。街中にも当然ながら現れていたが、数は多くない。隙間をかいくぐって入り込んだ数少ない魔物なのだ。
これぐらいなら、商人が連れて来た護衛でも問題はない。ほっといてもいいのだが、なるべくなら表に出てきてほしくないというのが、彼らの考えだ。
だからこそ、グレンは街中で待機していたのだが、代わりに二人の騎士が街を守っている。
「イクティス様、またこちらまで来てしまって」
「大丈夫だよ。頼りになる副官に頼んできたから」
だから副官から恐れられるのだと、セルティ・シーゼルは内心ため息をつく。よく彼の下にいられるな、と思ったほどだ。
イクティス・シュトラウスが、実はサボるのが好きと知っている者は少ない。フィーリオナでも知らないことなのだ。
ルーシュナはセルティが知っていることから、気付いているようだったが、騎士団の内部でも副官ぐらいだろうと思われる。
「まぁ、俺は構いませんが」
「これも運動だ。ねっ、セルティ」
「そうですね」
向かいからやってくる魔物を見て、間違いないと斬り捨てた。むしろ足りないぐらいだと。
さすがに、現状としては当事者ではない。精霊の巫女であるリーシュから状況を聞き、勝手に動いている状態だ。
それに、クオン達が動くのを妨げないためにも、あまり目立った動きをするべきではないと二人は判断していた。それがなければ、今頃は最前線に向かっていただろう。
「おや、英雄王殿がやってくるね」
「……そうですね」
なにかがあって移動するということだ。あちらは問題がないということなのかと思えば、目の前でグレンとアクアが止まる。
「暇そうだな」
「そうだね。でも目立つことは避けていようかと思っているんだけど」
なにか御用かな、とイクティスは笑う。もう少し楽しいことなら喜んで、と言うように。
「ヴェルトとトレセスが配置されている方に闇が二匹いる。月神と星の女神候補の二人がいるが、星の女神は覚醒途中だ」
そちらに助っ人へ行くが、シャルの方もまだ交戦中だと聞けば、そちらは自分達が行こうと二人とも頷く。街中はさほど問題がないから。
「グレン君、トレセスがシュレと合流。シュレの方にいた二人がヴェルトの助っ人に入ってる」
会話しているタイミングで、アクアは星を視ながら今の状態を報告する。戦力にも変化が起きていると。
三人共が、瞬時になにが起きているか察した。おそらく、月神の元へ魔物の戦力が集まっているのだ。
「クロエとフィオナがクオンの方へ向かったか。となると、あちらには」
「僕が行こう。傭兵達も気になるしね。シャルはセルティに任せるよ」
楽しそうな方をくれと言われてしまえば、セルティには否と言えない。
どちらに行っても、戦力としては問題がないのだから、好きにしていいとすら思っていた。
「どう動こうが任せるさ。いざというとき、イリティスを守ってくれるなら好きにしろ」
グレンは現状として、他を助けて回ることに専念していたい。誰一人失うわけにはいかないのだ。
仲間も街の住民も、どちらも守らなくてはいけないと思っていた。月神の状態がわからない以上は、一人でやるしかないとすら思っている。
「わかってるよ。あなたが自由に動けるサポートを、我々はしよう」
任せてくれとイクティスの視線が言えば、アクアの竪琴が音色を奏でた。魔法による加護を二人へ付けたのだ。
「ありがとうございます」
柔らかい笑みを浮かべると、イクティスは切り替えて駆け抜けた。
続くようにセルティも動けば、最後にグレンとアクアがヴェルトの元へと急ぐ。長い夜はまだ明けない。
・
現状、グレンは聖剣の力を解き放ってはいない。溢れ出す炎と剣だけで戦っているのだが、それでも実力が違いすぎる。
こればかりは、三千年という長い時を生きている経験の差もあるだけに、さすがとしか言えない。
(昔の方が戦も多かったしな)
今の方が平和な時代だと、シュレは知っている。魔物という存在に関しても、三千年前から現れただけに今と昔の違いにはならない。
剣を鞘へ戻すと、シャルは背中に背負っていた聖槍を手にする。
グレンが血の嵐を巻き起こしている今が、あの球体を狙うチャンスだ。魔物が増えている元を叩けば、これ以上増えることはない。
「ソニア!」
「任せて!」
アクアがやってきたことが影響したのか、球体から飛ぶ魔物が現れたのだ。
すぐさま応戦するために飛び上がるソニアを見ながら、あれを早く叩こうと構える。狙うのは魔物が減った瞬間だ。
球体から魔物が現れ、凄まじい勢いで一掃されていく。次の魔物が現れるまで、数秒だが時間がある。この瞬間を狙って、シャルは一直線に駆け抜けた。
「聖槍よ!」
余計な力は使いたくない。力を抑えた上で一撃だとシャルが球体に槍を突き刺す。これが一番、無駄のないやり方だと。
球体の中から光が溢れると、体内から吹き飛ばされたように霧散していく。
散っていく黒い霧を見たグレンが、すぐさま金色の炎で消し去った。本能的に、このまま散らせてはいけないと感じたのだ。
「ひとまず、魔物の大群はどうにかなったか」
「でも、あれが残ったねぇ」
グレンの傍へ近寄ると、アクアが残った魔物を見る。見ただけで闇だとわかる魔物を。
「牛頭……だな」
「そうだね。牛だね」
頭だけ牛だ、と二人がのんびり言えば、空中戦を終わらせたソニアも降り立つ。
こんなにのんびりしていていいのか、と思っていたが、言葉と態度はまったく違う。張り詰めた空気は、間違いなく魔物を警戒していた。
「あれをさっさと片付けるか。あちらがやばそうだ」
チラリと向けられた方角は、ヴェルトとトレセスが受け持っているところ。月神がいるはずの場所だ。
「あちらに、魔物の戦力は傾いてるということか」
月神がいるからこそ、強い魔物はあちらにいるとシャルは思った。
グレンもこのときは同意見で、まさか星の女神を狙っているなど思いもしていない。覚醒の予兆に関しては星でわかっているのだが、魔物が邪魔するとまでは思っていなかったのだ。
「アクア、どうだ?」
「覚醒までもう少しかかると思う。向こうの闇が二匹になってるし……あれ?」
星が移動していると、アクアが首を傾げる。トレセスを表す星だとわかれば、確認したい気持ちをなんとか抑えた。今は魔物だと。
「なにか動きがあるのか。どちらにしても、あれを倒して向かった方がいいか」
少し悩むところだが、まずはこちらを落ち着かせてからだとグレンは魔物を見る。
「それは間違いないですが、ここまで落ち着けばどうにかできる。あちらに行かれた方がいい」
シャルが真っ直ぐに見れば、いいのかと問いかけるように瞳を細めた。聖槍があれば戦えるが、それでも簡単に倒せるような魔物ではない。
ここまできたら、倒すまでと思っていた。
「移動にも時間がかかる。俺はソニアがいれば問題はない」
だから行って構わないと言われれば、グレンは迷わない。すぐさま加勢するために駆け出す。
シャルの言葉を信じたのだ。
どこからともなく現れる魔物。街中にも当然ながら現れていたが、数は多くない。隙間をかいくぐって入り込んだ数少ない魔物なのだ。
これぐらいなら、商人が連れて来た護衛でも問題はない。ほっといてもいいのだが、なるべくなら表に出てきてほしくないというのが、彼らの考えだ。
だからこそ、グレンは街中で待機していたのだが、代わりに二人の騎士が街を守っている。
「イクティス様、またこちらまで来てしまって」
「大丈夫だよ。頼りになる副官に頼んできたから」
だから副官から恐れられるのだと、セルティ・シーゼルは内心ため息をつく。よく彼の下にいられるな、と思ったほどだ。
イクティス・シュトラウスが、実はサボるのが好きと知っている者は少ない。フィーリオナでも知らないことなのだ。
ルーシュナはセルティが知っていることから、気付いているようだったが、騎士団の内部でも副官ぐらいだろうと思われる。
「まぁ、俺は構いませんが」
「これも運動だ。ねっ、セルティ」
「そうですね」
向かいからやってくる魔物を見て、間違いないと斬り捨てた。むしろ足りないぐらいだと。
さすがに、現状としては当事者ではない。精霊の巫女であるリーシュから状況を聞き、勝手に動いている状態だ。
それに、クオン達が動くのを妨げないためにも、あまり目立った動きをするべきではないと二人は判断していた。それがなければ、今頃は最前線に向かっていただろう。
「おや、英雄王殿がやってくるね」
「……そうですね」
なにかがあって移動するということだ。あちらは問題がないということなのかと思えば、目の前でグレンとアクアが止まる。
「暇そうだな」
「そうだね。でも目立つことは避けていようかと思っているんだけど」
なにか御用かな、とイクティスは笑う。もう少し楽しいことなら喜んで、と言うように。
「ヴェルトとトレセスが配置されている方に闇が二匹いる。月神と星の女神候補の二人がいるが、星の女神は覚醒途中だ」
そちらに助っ人へ行くが、シャルの方もまだ交戦中だと聞けば、そちらは自分達が行こうと二人とも頷く。街中はさほど問題がないから。
「グレン君、トレセスがシュレと合流。シュレの方にいた二人がヴェルトの助っ人に入ってる」
会話しているタイミングで、アクアは星を視ながら今の状態を報告する。戦力にも変化が起きていると。
三人共が、瞬時になにが起きているか察した。おそらく、月神の元へ魔物の戦力が集まっているのだ。
「クロエとフィオナがクオンの方へ向かったか。となると、あちらには」
「僕が行こう。傭兵達も気になるしね。シャルはセルティに任せるよ」
楽しそうな方をくれと言われてしまえば、セルティには否と言えない。
どちらに行っても、戦力としては問題がないのだから、好きにしていいとすら思っていた。
「どう動こうが任せるさ。いざというとき、イリティスを守ってくれるなら好きにしろ」
グレンは現状として、他を助けて回ることに専念していたい。誰一人失うわけにはいかないのだ。
仲間も街の住民も、どちらも守らなくてはいけないと思っていた。月神の状態がわからない以上は、一人でやるしかないとすら思っている。
「わかってるよ。あなたが自由に動けるサポートを、我々はしよう」
任せてくれとイクティスの視線が言えば、アクアの竪琴が音色を奏でた。魔法による加護を二人へ付けたのだ。
「ありがとうございます」
柔らかい笑みを浮かべると、イクティスは切り替えて駆け抜けた。
続くようにセルティも動けば、最後にグレンとアクアがヴェルトの元へと急ぐ。長い夜はまだ明けない。
・
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない
猪本夜
ファンタジー
2024/2/29……3巻刊行記念 番外編SS更新しました
2023/4/26……2巻刊行記念 番外編SS更新しました
※1巻 & 2巻 & 3巻 販売中です!
殺されたら、前世の記憶を持ったまま末っ子公爵令嬢の赤ちゃんに異世界転生したミリディアナ(愛称ミリィ)は、兄たちの末っ子妹への溺愛が止まらず、すくすく成長していく。
前世で殺された悪夢を見ているうちに、現世でも命が狙われていることに気づいてしまう。
ミリィを狙う相手はどこにいるのか。現世では死を回避できるのか。
兄が増えたり、誘拐されたり、両親に愛されたり、恋愛したり、ストーカーしたり、学園に通ったり、求婚されたり、兄の恋愛に絡んだりしつつ、多種多様な兄たちに甘えながら大人になっていくお話。
幼少期から惚れっぽく恋愛に積極的で人とはズレた恋愛観を持つミリィに兄たちは動揺し、知らぬうちに恋心の相手を兄たちに潰されているのも気づかず今日もミリィはのほほんと兄に甘えるのだ。
今では当たり前のものがない時代、前世の知識を駆使し兄に頼んでいろんなものを開発中。
甘えたいブラコン妹と甘やかしたいシスコン兄たちの日常。
基本はミリィ(主人公)視点、主人公以外の視点は記載しております。
【完結:211話は本編の最終話、続編は9話が最終話、番外編は3話が最終話です。最後までお読みいただき、ありがとうございました!】
※書籍化に伴い、現在本編と続編は全て取り下げとなっておりますので、ご了承くださいませ。
【完結】浅い眠りのなかで
ここ
ファンタジー
次代の聖女として教育されていたカティアだが、実は聖女ではなかったことがわかる。暮らしていたお城から出て冒険者になった。
しかし、婚約者だった第一王子は納得してなくて??
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる