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5部 よみがえる月神編
石碑の聖剣3
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クオンが腕輪を手にすることを躊躇っていたことはわかっている。それが急に決めたのはなぜなのか。
「……これ見てたら、声が聞こえた。記憶だろうけど」
背後にある剣の形をした石碑。見た瞬間、納得したのはフィーリオナだけだ。
さすがに聖剣などクロエでも知らない。記録として残されているものではないのだ。
「それは、リオン・アルヴァースの使っていた聖剣だ。三千年前、この村を管理していたのがイェルク・ソレニムスだった」
造ったのはヴェストリア・バルスデ・フォーランだと言われれば、なぜ造ったのかが気になるクオンとリーナ。
「そういうことか……」
物はさすがに知らなかったが、理由は知っていたクロエ。これがそうだったのかと頷く。
「ここにいたハーフエルフ達のためと聞かされた。確か、東の国を滅ぼしたのがリオン・アルヴァースで、当時ハーフエルフ狩りをしていた国だった」
「あー、東の有名な話だよな。けど、噂程度だと思ってたぜ」
公式の記録としては、リオン・アルヴァースが関わったというものはない。少なくとも北には伝わっていないのだ。
東にあった国は伝えられている。ハーフエルフ狩りをしていたこともだ。
バルスデ王国まで攻め入った国で、その際に英雄の名を語った愚か者というのが北で語られている内容となる。国が滅んだのは天罰だと言う者もいるほどだ。
実際に、国が滅んだのはハーフエルフから復讐されたと記録されている。ヘルヴェスの死神と呼ばれたハーフエルフと仲間によるものだと。
そこにリオン・アルヴァースの名は記載されていない。
「俺も正確に聞いたわけじゃないが、東の国をリオン・アルヴァースが滅ぼして、ハーフエルフ達はいくらかが北に流れてきたとかだったような」
「その通りだ。そして、ここが最後の地だったことから墓標の代わりでもあるのだろう」
北に流れて来たハーフエルフ達が、自分達を救った英雄と思っているのも響いている。感謝を述べる場になっていた石碑だった。
「まぁ、色々な意味が込められた石碑ということだな。おそらく、すべてが事実だろう」
断片的に、あちらこちらに伝えられていること。それらも石碑を造ったのがヴェストリア・バルスデ・フォーランの時点で、シュトラウス家はすべて知っているだろう。
「祈りの込められた石碑ってことか。それがこの地を守ってるのか……」
なんとなく、そんな気がしたクオン。この地はなにかに守られている。神馬かと思ったのだが、こちらだったのかもしれない。
祈りが神馬を誕生させたなら、そんなことが起きてもおかしくはないと思えた。
「祈りは奇跡を起こせる、か」
「なにそれ?」
ぼそりと呟かれた言葉に、リーナが問いかける。
「うちに伝わってる言葉、らしいぜ。よくわかんねぇけどな。昔から親父に言われてきた」
祈りは奇跡を起こせる、と耳にタコができるほど聞かされてきた。奇跡など起きるわけがないと、クオンは特に気にしていなかったのだが、今はなぜか納得できる。
神馬という存在を知ってしまったからかもしれない。
「この言葉も、もしかしたら嫁いできたって姫さんかもな。祈りで神馬を誕生させたんだし」
「そうね。信じていたからこそ、奇跡を起こせたのでしょうし」
そのまま言葉だけがシリウス家に残されたのかもしれない、と思えた。
リーナに呼びかけられたことで止めてしまったが、この石碑に触れたいと思った。触れたら、なにか感じ取れるのではないかと。
(でも、その前にこっちか)
腕輪を手にしたことで、真相はすべてわかると思っていた。わかってから石碑に触れた方がいいかもしれない。
そんな風に思ったのは、ただの勘でしかなかった。
「とりあえず、その腕輪を渡せ。どうせいつかは全部見るんだろ。それが早くなるだけだ」
やってやる、と言うクオンに、ため息を吐くのはクロエだ。
時折考えなしで突っ走る傾向があったが、まさかここでやるとは思わなかったというのが本音。こうなると手が付けられないということも、誰よりも知っている。
「仕方ない奴だ。その代わり、お前がどれだけ生き地獄だと思おうがリーナといてもらうぞ」
なにかあったとき、彼女が傍にいるのといないのとでは、クオンへの影響力が違う。
彼女の特殊能力へ期待するというよりは、彼女といれば耐えられるはず、という考えだ。
「それと、戻ってからな。ここでやって倒れられたら、運ぶのは俺だろ。冗談じゃない」
吐き捨てるように言えば、クロエは家へと戻っていく。
「……やっぱ機嫌が悪いな」
室内に戻るなり、やっと気が抜けるとクオンがだらける。どうにも、クロエの機嫌が悪いと思っていたのだが、同意するように頷くリーナを見て気のせいではないと確信できた。
なぜかわからないが、途中から機嫌が悪くなっていたのだ。腕輪の件は関係なく。
「たぶん……セルティ様にだと思うけど」
「怖いもん知らずだな。あの人に怒れるって」
「そうだね。怒りすら感じないかもしれない」
なにか言われたところで、恐縮してしまうだけだとリーナは言う。生きている年数も違うし、圧のようなものを感じる。
もちろん、本人が意図してやっている圧ではないのだろうが。
「じっくり話してみたら、また印象が変わるのかもな。イクティス様みたいに」
以前サボろうと言ってきたときほど、驚いたことはない。あの人が、と思ったのは言うまでもないのだが、そういった一面がセルティにもあるのかもしれないと思う。
「やるか……」
いつまでも二人で話していては意味がないとリーナを見る。
クロエは家の外で待機していた。それが、なにがあっても手助けしないという意味だ。まずは二人でどうにかしろと、幼馴染みは言っている。
けれど、なにかあればすぐさま駆けつける気でいることもわかっていた。
おそらく、クロエは寝ずに様子を見ているだろう。彼が手助けをしないと言って、本当に動かなかったことはないのだ。
「……信じてるから」
こんなところで壊れたりしない。彼ならきっと、大丈夫だと信じている。
リーナの一言がどれだけ心強いか。クオンは普段見せない笑みを浮かべれば、腕輪を手に取った。
本来の持ち主が手にしたからか、まるで喜ぶように輝きだす腕輪。強い光だが、決して視界を奪うようなものではない輝きは、月そのものなのかもしれない。
次の瞬間、内側が激しく脈打つのを感じるクオン。急激に押し寄せてくるのは、強い魔力だ。
「クッ…」
記憶が押し寄せると思っていただけに、このようなことは想定外。
力に飲み込まれると思ったときにはすでに遅く、クオンは意識を手放しそうになる。寸前で願うのは、暴走だけはしないでくれ、というものだけ。
暴走などしてしまえば、すぐ傍にいるリーナを巻き込んでしまうから。
『安心しろ。暴走しねぇようにぐらいなら、手を貸してやる』
どこからか、そんな声がしてホッとした。
そして、クオンは完全に意識を手放す。深い闇の中へと。
・
「……これ見てたら、声が聞こえた。記憶だろうけど」
背後にある剣の形をした石碑。見た瞬間、納得したのはフィーリオナだけだ。
さすがに聖剣などクロエでも知らない。記録として残されているものではないのだ。
「それは、リオン・アルヴァースの使っていた聖剣だ。三千年前、この村を管理していたのがイェルク・ソレニムスだった」
造ったのはヴェストリア・バルスデ・フォーランだと言われれば、なぜ造ったのかが気になるクオンとリーナ。
「そういうことか……」
物はさすがに知らなかったが、理由は知っていたクロエ。これがそうだったのかと頷く。
「ここにいたハーフエルフ達のためと聞かされた。確か、東の国を滅ぼしたのがリオン・アルヴァースで、当時ハーフエルフ狩りをしていた国だった」
「あー、東の有名な話だよな。けど、噂程度だと思ってたぜ」
公式の記録としては、リオン・アルヴァースが関わったというものはない。少なくとも北には伝わっていないのだ。
東にあった国は伝えられている。ハーフエルフ狩りをしていたこともだ。
バルスデ王国まで攻め入った国で、その際に英雄の名を語った愚か者というのが北で語られている内容となる。国が滅んだのは天罰だと言う者もいるほどだ。
実際に、国が滅んだのはハーフエルフから復讐されたと記録されている。ヘルヴェスの死神と呼ばれたハーフエルフと仲間によるものだと。
そこにリオン・アルヴァースの名は記載されていない。
「俺も正確に聞いたわけじゃないが、東の国をリオン・アルヴァースが滅ぼして、ハーフエルフ達はいくらかが北に流れてきたとかだったような」
「その通りだ。そして、ここが最後の地だったことから墓標の代わりでもあるのだろう」
北に流れて来たハーフエルフ達が、自分達を救った英雄と思っているのも響いている。感謝を述べる場になっていた石碑だった。
「まぁ、色々な意味が込められた石碑ということだな。おそらく、すべてが事実だろう」
断片的に、あちらこちらに伝えられていること。それらも石碑を造ったのがヴェストリア・バルスデ・フォーランの時点で、シュトラウス家はすべて知っているだろう。
「祈りの込められた石碑ってことか。それがこの地を守ってるのか……」
なんとなく、そんな気がしたクオン。この地はなにかに守られている。神馬かと思ったのだが、こちらだったのかもしれない。
祈りが神馬を誕生させたなら、そんなことが起きてもおかしくはないと思えた。
「祈りは奇跡を起こせる、か」
「なにそれ?」
ぼそりと呟かれた言葉に、リーナが問いかける。
「うちに伝わってる言葉、らしいぜ。よくわかんねぇけどな。昔から親父に言われてきた」
祈りは奇跡を起こせる、と耳にタコができるほど聞かされてきた。奇跡など起きるわけがないと、クオンは特に気にしていなかったのだが、今はなぜか納得できる。
神馬という存在を知ってしまったからかもしれない。
「この言葉も、もしかしたら嫁いできたって姫さんかもな。祈りで神馬を誕生させたんだし」
「そうね。信じていたからこそ、奇跡を起こせたのでしょうし」
そのまま言葉だけがシリウス家に残されたのかもしれない、と思えた。
リーナに呼びかけられたことで止めてしまったが、この石碑に触れたいと思った。触れたら、なにか感じ取れるのではないかと。
(でも、その前にこっちか)
腕輪を手にしたことで、真相はすべてわかると思っていた。わかってから石碑に触れた方がいいかもしれない。
そんな風に思ったのは、ただの勘でしかなかった。
「とりあえず、その腕輪を渡せ。どうせいつかは全部見るんだろ。それが早くなるだけだ」
やってやる、と言うクオンに、ため息を吐くのはクロエだ。
時折考えなしで突っ走る傾向があったが、まさかここでやるとは思わなかったというのが本音。こうなると手が付けられないということも、誰よりも知っている。
「仕方ない奴だ。その代わり、お前がどれだけ生き地獄だと思おうがリーナといてもらうぞ」
なにかあったとき、彼女が傍にいるのといないのとでは、クオンへの影響力が違う。
彼女の特殊能力へ期待するというよりは、彼女といれば耐えられるはず、という考えだ。
「それと、戻ってからな。ここでやって倒れられたら、運ぶのは俺だろ。冗談じゃない」
吐き捨てるように言えば、クロエは家へと戻っていく。
「……やっぱ機嫌が悪いな」
室内に戻るなり、やっと気が抜けるとクオンがだらける。どうにも、クロエの機嫌が悪いと思っていたのだが、同意するように頷くリーナを見て気のせいではないと確信できた。
なぜかわからないが、途中から機嫌が悪くなっていたのだ。腕輪の件は関係なく。
「たぶん……セルティ様にだと思うけど」
「怖いもん知らずだな。あの人に怒れるって」
「そうだね。怒りすら感じないかもしれない」
なにか言われたところで、恐縮してしまうだけだとリーナは言う。生きている年数も違うし、圧のようなものを感じる。
もちろん、本人が意図してやっている圧ではないのだろうが。
「じっくり話してみたら、また印象が変わるのかもな。イクティス様みたいに」
以前サボろうと言ってきたときほど、驚いたことはない。あの人が、と思ったのは言うまでもないのだが、そういった一面がセルティにもあるのかもしれないと思う。
「やるか……」
いつまでも二人で話していては意味がないとリーナを見る。
クロエは家の外で待機していた。それが、なにがあっても手助けしないという意味だ。まずは二人でどうにかしろと、幼馴染みは言っている。
けれど、なにかあればすぐさま駆けつける気でいることもわかっていた。
おそらく、クロエは寝ずに様子を見ているだろう。彼が手助けをしないと言って、本当に動かなかったことはないのだ。
「……信じてるから」
こんなところで壊れたりしない。彼ならきっと、大丈夫だと信じている。
リーナの一言がどれだけ心強いか。クオンは普段見せない笑みを浮かべれば、腕輪を手に取った。
本来の持ち主が手にしたからか、まるで喜ぶように輝きだす腕輪。強い光だが、決して視界を奪うようなものではない輝きは、月そのものなのかもしれない。
次の瞬間、内側が激しく脈打つのを感じるクオン。急激に押し寄せてくるのは、強い魔力だ。
「クッ…」
記憶が押し寄せると思っていただけに、このようなことは想定外。
力に飲み込まれると思ったときにはすでに遅く、クオンは意識を手放しそうになる。寸前で願うのは、暴走だけはしないでくれ、というものだけ。
暴走などしてしまえば、すぐ傍にいるリーナを巻き込んでしまうから。
『安心しろ。暴走しねぇようにぐらいなら、手を貸してやる』
どこからか、そんな声がしてホッとした。
そして、クオンは完全に意識を手放す。深い闇の中へと。
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