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5部 よみがえる月神編
神馬と月の腕輪2
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まずはリオン・アルヴァースの言葉を確認しよう。二人が同じ意見になれば、外へ出ることにした。
部屋を出れば、フィーリオナがどうしたと言うように見てくる。それほど時間は経っていないのに、二人が出てきたことに驚いているようだが、二人も休んでいなかったのかと突っ込みたくなった。
「陛下……それ」
手元の紙束を見たクロエが、まさかと言うように見る。
「……セルティが、ここでどうせ休息だろうからとな」
どことなくうんざりしたように言う女王に、二人とも憐れむように見た。さすがに、これはないと思ったのだ。
どう考えても嫌がらせだろう。フィーリオナが出ていても問題ないはずなのだから。
「あの人、恐ろしいな」
引きつった笑みを浮かべたまま、クオンが思わず呟いていた。
「それだけは俺も同意する」
クロエにとっても、なるべくなら敵に回したくない存在、それがセルティ・シーゼルという人物だ。
「ふむ、私もだ」
幼馴染みだからこそ、容赦がないセルティ。本気で怒らせるとやばいことを誰よりも知っている。
それで、とフィーリオナの視線が問いかけた。なにかあったのかと言いたいのだろう。
「あれ、みんな揃ってるの?」
そこへ、リーナも部屋から出てきた。
「じゃあ、気のせいじゃないのかな。なにかが呼んでる気がしたんだけど」
首を傾げて考えるリーナに、クオンとクロエが顔を見合わせる。
「わかるのか? クロエもわからなかったんだぞ」
「そうなの?」
確認するようにリーナが見れば、そうだと言うように頷く。むしろ、なぜ感じ取れるのかと思っているほどだが、これが彼女の能力なのだろう。
「特殊能力か……」
「うちの家系にあるってやつ? お兄様は持ってるらしいとは聞いてるけど」
自分は持っていないと言いたげに見る。少なくとも、自覚するような力はないのだ。
兄はなにかしらの能力を持っているようだと、両親の話から知ったのだが、それでもどのような能力なのかはわかっていない。
「イクティスが言うに、リーナの場合は女神の血が濃いのではないか、ということだ。特徴もセイレーンに近いだろ。シリン・メイ・シリウスと同じ銀髪は、今まで生まれていないそうだからな」
なるほど、と三人とも頷いてから、ハッとしたように姿勢を正す。
騎士団の制服を着ていると気が引き締まるが、旅装していることから緩んでしまったと思ったのだ。相手は女王なのだから、さすがにまずいと。
考えを察してか、フィーリオナは苦笑いを浮かべる。
「そんなに気にしなくていいぞ。城にいるわけでもないのだから」
あまり堅苦しくされるは好きではない、と言われれば、クオンとリーナは顔を見合わせて頷く。
どうしようかと問いかけ、まぁ少しならという返答だ。クロエだけは変える気がないようだが。
「で、外になにかあるということだな。行くか」
「陛下、そちらは?」
済ませなくていいのかとクロエが問いかければ、終わらなくても問題ないと言うからため息が漏れる。これも見越しての嫌がらせではないか、とすら思えてくるから不思議だ。
「このまま送り返してやる」
なんとも言えない笑みを浮かべて言えば、クオンは自分でもこれはやらないと思う。さすがに仕事はやりきってから遊ぶようにしているのだ。
もちろん、そうしないと副官が怖いというのもある。
とにかく出ようと四人が外へ出れば、キラキラと輝く光が見える。昼間では見えなかったかもしれないが、すでに空は暗くなりだしていた。
光は四人を認識したのか、その周りへ流れ込んでいく。まるでそれぞれを確認しているかのようだ。
『月の輝きを秘めたる者よ、預かり物を返そう』
次の瞬間、強い光が視界を奪う。なにが起きているのかと思うが、なぜか警戒心はない。
暖かい光は、警戒よりも安らぎを与えてくれる。不思議だと思うほどに心地よい光。
「馬?」
ようやく前が見えるようになると、そこには美しい馬が一頭立っていた。あまりの美しさに、魅入ったように呟くリーナ。
『月の加護を持つ乙女。星の力を得られる者か』
リーナを見ながら言う馬は、神馬と呼ばれる存在だった。遥か昔に滅びたと言われている、女神が与えた美しき馬。
「あなたは……神馬か。確か、三千年前に祈りの力で蘇ったと聞いたが」
本当にいるとは思わなかったと、フィーリオナも驚いたように言う。王家に伝わっていたが、王族であっても会えた者はいない。
それが神馬という存在だ。
神馬が誰に与えられたものなのかは、誰も知らないことだった。わからないことから、七英雄の誰かだと言う者もいるほどだが、実際にはそうではない。
だが、七英雄と神馬は交流だけはある。神馬の領域を活動拠点のひとつにしていたからだ。
『私は新たに生まれた存在だ。遥か昔、この地にいた神馬ではない』
「同一ではないということか? それとも、俺みたいな感じ?」
神馬に変わりないようだが、どういう存在なのかとクオンが問いかける。
『この地には、封印のひとつが存在していた』
魔王の封印だと、四人ともが頷く。その辺りはバルスデ王国にいる者なら誰でも知っているぐらい、常識として教えられている。
七英雄は魔王を封印した。封印は各地にあり、ひとつは北の大陸にあったことからバルスデ王国が管理していたと。管理していた場所はティンフスであることまで公開している。
そのため、ティンフスは今でも国の管理している村で、基本的には騎士しか入れない地と伝えているのだ。
下手に隠すよりもいいと、ヴェストリア・バルスデ・フォーランが公開したという経緯を持つ。
魔王の封印は神馬の領域に隠されていた。これをやったのは七英雄であるフォーラン・シリウス。
そして、封印を守るためにすべての力を使った神馬は消えてしまった。
『この地に残されたのは、先代の角。それも欠片だった。祈りが欠片を卵にし、新たに私が生まれた』
誰がそのようなことを成したのか。不思議に思ったが、すぐに話してくれるだろうと神馬を見る四人。
ここに関しては、さすがの女王でも知らないことだったのだ。おそらく、シュトラウス家が止めている情報なのだろう。
もしくはセルティかと思うフィーリオナ。セルティの家系とシュトラウス家は同じ情報を持っていたはず、と思ってから考えるのをやめる。
あの二人に関しては、王家でどうにかできる人物ではない。
『祈りは当時の姫、リファラ・バルスデ・フォーランのものだ。彼女の歌声が私を私という存在にした』
故に、神馬はその家系を見守る存在としていたと言う。
「そうか……つまり、ここの管轄はセルティの家系だが、神馬に関してだけはシリウス家ということになるのだな」
納得したようにフィーリオナが言うと、クオンは知らないと言うように首を振る。
・
部屋を出れば、フィーリオナがどうしたと言うように見てくる。それほど時間は経っていないのに、二人が出てきたことに驚いているようだが、二人も休んでいなかったのかと突っ込みたくなった。
「陛下……それ」
手元の紙束を見たクロエが、まさかと言うように見る。
「……セルティが、ここでどうせ休息だろうからとな」
どことなくうんざりしたように言う女王に、二人とも憐れむように見た。さすがに、これはないと思ったのだ。
どう考えても嫌がらせだろう。フィーリオナが出ていても問題ないはずなのだから。
「あの人、恐ろしいな」
引きつった笑みを浮かべたまま、クオンが思わず呟いていた。
「それだけは俺も同意する」
クロエにとっても、なるべくなら敵に回したくない存在、それがセルティ・シーゼルという人物だ。
「ふむ、私もだ」
幼馴染みだからこそ、容赦がないセルティ。本気で怒らせるとやばいことを誰よりも知っている。
それで、とフィーリオナの視線が問いかけた。なにかあったのかと言いたいのだろう。
「あれ、みんな揃ってるの?」
そこへ、リーナも部屋から出てきた。
「じゃあ、気のせいじゃないのかな。なにかが呼んでる気がしたんだけど」
首を傾げて考えるリーナに、クオンとクロエが顔を見合わせる。
「わかるのか? クロエもわからなかったんだぞ」
「そうなの?」
確認するようにリーナが見れば、そうだと言うように頷く。むしろ、なぜ感じ取れるのかと思っているほどだが、これが彼女の能力なのだろう。
「特殊能力か……」
「うちの家系にあるってやつ? お兄様は持ってるらしいとは聞いてるけど」
自分は持っていないと言いたげに見る。少なくとも、自覚するような力はないのだ。
兄はなにかしらの能力を持っているようだと、両親の話から知ったのだが、それでもどのような能力なのかはわかっていない。
「イクティスが言うに、リーナの場合は女神の血が濃いのではないか、ということだ。特徴もセイレーンに近いだろ。シリン・メイ・シリウスと同じ銀髪は、今まで生まれていないそうだからな」
なるほど、と三人とも頷いてから、ハッとしたように姿勢を正す。
騎士団の制服を着ていると気が引き締まるが、旅装していることから緩んでしまったと思ったのだ。相手は女王なのだから、さすがにまずいと。
考えを察してか、フィーリオナは苦笑いを浮かべる。
「そんなに気にしなくていいぞ。城にいるわけでもないのだから」
あまり堅苦しくされるは好きではない、と言われれば、クオンとリーナは顔を見合わせて頷く。
どうしようかと問いかけ、まぁ少しならという返答だ。クロエだけは変える気がないようだが。
「で、外になにかあるということだな。行くか」
「陛下、そちらは?」
済ませなくていいのかとクロエが問いかければ、終わらなくても問題ないと言うからため息が漏れる。これも見越しての嫌がらせではないか、とすら思えてくるから不思議だ。
「このまま送り返してやる」
なんとも言えない笑みを浮かべて言えば、クオンは自分でもこれはやらないと思う。さすがに仕事はやりきってから遊ぶようにしているのだ。
もちろん、そうしないと副官が怖いというのもある。
とにかく出ようと四人が外へ出れば、キラキラと輝く光が見える。昼間では見えなかったかもしれないが、すでに空は暗くなりだしていた。
光は四人を認識したのか、その周りへ流れ込んでいく。まるでそれぞれを確認しているかのようだ。
『月の輝きを秘めたる者よ、預かり物を返そう』
次の瞬間、強い光が視界を奪う。なにが起きているのかと思うが、なぜか警戒心はない。
暖かい光は、警戒よりも安らぎを与えてくれる。不思議だと思うほどに心地よい光。
「馬?」
ようやく前が見えるようになると、そこには美しい馬が一頭立っていた。あまりの美しさに、魅入ったように呟くリーナ。
『月の加護を持つ乙女。星の力を得られる者か』
リーナを見ながら言う馬は、神馬と呼ばれる存在だった。遥か昔に滅びたと言われている、女神が与えた美しき馬。
「あなたは……神馬か。確か、三千年前に祈りの力で蘇ったと聞いたが」
本当にいるとは思わなかったと、フィーリオナも驚いたように言う。王家に伝わっていたが、王族であっても会えた者はいない。
それが神馬という存在だ。
神馬が誰に与えられたものなのかは、誰も知らないことだった。わからないことから、七英雄の誰かだと言う者もいるほどだが、実際にはそうではない。
だが、七英雄と神馬は交流だけはある。神馬の領域を活動拠点のひとつにしていたからだ。
『私は新たに生まれた存在だ。遥か昔、この地にいた神馬ではない』
「同一ではないということか? それとも、俺みたいな感じ?」
神馬に変わりないようだが、どういう存在なのかとクオンが問いかける。
『この地には、封印のひとつが存在していた』
魔王の封印だと、四人ともが頷く。その辺りはバルスデ王国にいる者なら誰でも知っているぐらい、常識として教えられている。
七英雄は魔王を封印した。封印は各地にあり、ひとつは北の大陸にあったことからバルスデ王国が管理していたと。管理していた場所はティンフスであることまで公開している。
そのため、ティンフスは今でも国の管理している村で、基本的には騎士しか入れない地と伝えているのだ。
下手に隠すよりもいいと、ヴェストリア・バルスデ・フォーランが公開したという経緯を持つ。
魔王の封印は神馬の領域に隠されていた。これをやったのは七英雄であるフォーラン・シリウス。
そして、封印を守るためにすべての力を使った神馬は消えてしまった。
『この地に残されたのは、先代の角。それも欠片だった。祈りが欠片を卵にし、新たに私が生まれた』
誰がそのようなことを成したのか。不思議に思ったが、すぐに話してくれるだろうと神馬を見る四人。
ここに関しては、さすがの女王でも知らないことだったのだ。おそらく、シュトラウス家が止めている情報なのだろう。
もしくはセルティかと思うフィーリオナ。セルティの家系とシュトラウス家は同じ情報を持っていたはず、と思ってから考えるのをやめる。
あの二人に関しては、王家でどうにかできる人物ではない。
『祈りは当時の姫、リファラ・バルスデ・フォーランのものだ。彼女の歌声が私を私という存在にした』
故に、神馬はその家系を見守る存在としていたと言う。
「そうか……つまり、ここの管轄はセルティの家系だが、神馬に関してだけはシリウス家ということになるのだな」
納得したようにフィーリオナが言うと、クオンは知らないと言うように首を振る。
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