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4部 女神の末裔編
精霊との対話2
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契約の前に知識だと精霊から言われれば、わかったと二人は頷く。
(精霊は世界を見守る存在。すべてを知っているはずだ)
本でしか得られなかった知識。精霊達から聞けるなら、それはありがたいと思えた。
おそらく、本で読むより事実を教えてくれるだろう。
『この世界は天空神とも呼ばれる、女神メルレールに創られた。お前が親しくする精霊の巫女は、女神の血族だ。あの娘と共にいるなら、知っておくべきだろう』
この先、巻き込まれていくのだから、知識がなければ巫女を守れない。
そう思っていたことを精霊達は言わなかった。言わなくても、彼は巫女のために首を突っ込むと思えたからだ。
知識を与えるだけでいい。それだって、最小限でいいだろうと思っていた。彼はそれだけで察することができる。そんな確信があった。
なんと曲者なのだろうか、と精霊は内心思う。彼が本来の力を発揮すれば、南の国も少しはマシになるだろう。
もったいないとすら思えたが、国より巫女を大切に想うからこそ、今この場にいるのだ。これからを思えば感謝すら覚える。
『世界の成り立ちはどれほど知っているのか』
一先ず、彼の知識がどれほどなのかを知ることが必要だ。南の大陸には知識がまともにない。あまり期待していなかったのだが、彼は思っていたより知っているようだ。
話を聞きながら驚かされた。
『南にそれほどの知識はないと思っていたが』
「あぁ、戦ばっかで古い書物は燃えてしまったからな。基本的には外からもたらされた本しかない」
国には本など多くは置いていない。城の中ですら、あるのはシュスト国の記録が基本。建国されてからの記録や、建国までなにがあったか。
自国に関する歴史ならいくらでも残されている。逆に言えば、それ以外はほとんど残されていない。
砂漠の中央に存在するシュスト国は、貿易に関しても上手くはいっていなかった。外から仕入れるということをしても、そのほとんどが食料。
本などにお金を使う余裕がない。生活を維持するので精一杯だ。
「けど、俺に知識を与えてくれた奴がいたんだ」
そんな国で育ったヴェルトがある程度の知識を持つのは、とある出会いがあったから。
その出会いは、精霊の巫女であるリーシュが暮らす地を訪ねようとしたときだ。砂漠を越えた辺りで出会った。
「傭兵組合に所属しているハーフエルフだったかな。確かそう言ってた。名前までは聞いてねぇけど」
少し見て回るつもりで、これから砂漠越えするのだと言っていたハーフエルフ。偶然の出会いだったが、妙に意気投合したのは忘れない。
一晩だけと言いながら数日を共にしてしまったほどだ。
『ふむ。砂漠地帯には傭兵組合の支部がなかったか。支部を作れないか、見に来たのかもしれないな』
「傭兵組合の支部…」
「そういえば、東の傭兵組合は各地に支部があるという話でしたね。砂漠地帯にはないですが、南にもあるはずです」
トレセスは思いだしたように言えば、精霊がそうだと言う。
『傭兵組合とは、北のバルスデ王国で英雄王と呼ばれていた者が立ち上げた組織。今では世界の情報を幅広く集めている』
裏では北の大国と繋がっているのでは、とまで言われているが、実際に繋がりはない。ただ、北の大国で騎士団長をしていた者が、組織を大きくしただけのこと。
南の拠点を増やしたかったのかと、ヴェルトは納得したように頷く。砂漠地帯のどこかに、支部を作ることで情報を得たかったのかもしれない。
けれど、それはできなかっただろう。あの兄が許すわけがないとわかっていた。
「なら、そいつのくれた知識に問題はないと見ていいか」
『問題なかろう。この地の者からだと、真実を知っている者ではないかもしれないが、傭兵達は知っているはずだ』
これだけ知っているなら、今のところ問題はないとすら精霊は思っている。精霊の巫女に関する情報を与えるぐらいでいいだろう。
与えすぎてもいけない。与えすぎなくても、彼は知識を得る場にさえ行ければ自力で得る。
『では、神々や巫女の家系についてだけ話そう』
供としているトレセスの知識面は少しばかり気になったが、精霊からすればおまけ。なにかあればヴェルトが教えればいいと、考えることを放棄した。
なによりも、主に似た騎士だと気付いてしまったのだ。見た目で判断できる人間ではないと。
精霊と人間では知識が違う。伝え方などに違いがあるはずだという前置きをして、精霊はこの世界の神々について話す。
『女神メルレールには二人の子供がいた。太陽神と月神である』
現在この世界は太陽神によって支えられている。聞かされた言葉に、ヴェルトはどういうことだと言うように前を見た。
創った女神と月神はどうしたのかと言いたいのだ。疑問には、精霊がすぐさま応える。
『女神メルレールは罪を犯した。その命を持ってして、罪を贖った』
「つまり、死んだわけか。それで、月神もなんらかの理由で死んでいる」
だから太陽神だけなのだな、と彼は言った。間違いではないだけに、風が頬を撫でる形で応える。
「ふーん。神も万能ではないってことか。死ぬぐらいだからな」
「ヴェルト様」
苦笑いを浮かべながらトレセスが、もう少し発言に気を付けろと言いたげに視線を向けた。今は友好的だが、精霊達の機嫌を損ねるわけにはいかない。
損ねれば、なにをされるかわからないのだ。自分達など、あっという間に殺されてしまうだろう。
この世界で、人間ほどちっぽけな存在はない。トレセスはそう思っていた。
『気にするな。事実である』
「だとよ。精霊達がいいって言うなら、いいんだろ」
わかりましたというように降参の仕草を見せる。あとは彼に任せるというところだろう。
この場のやり取りはヴェルトに任せ、理解ができなかったところはあとから聞く。一先ずそれで問題ないかと聞くだけの体制になる。
『伴侶には女神の名が与えられ、太陽神には虹の女神という伴侶がいる。二人の孫娘が初代精霊の巫女となる』
「なるほど。だから精霊の声が聞こえるってことか。神様とやらは、当然あんたらとやり取りできるんだろうから」
精霊が自分達の上位として神を扱っているなら、当然ながら声も聞こえているはず。
どのような関係性なのか。思わずそんなことを考えてしまったが、そこまで興味もなかったので問いかけることまではしない。
神と精霊の関係など、正直自分には関係ないことだ。気にかける必要性などない。
『面白い男だ』
考えていることを見透かしているように言うと、さすがに怪訝そうな表情を浮かべた。
・
(精霊は世界を見守る存在。すべてを知っているはずだ)
本でしか得られなかった知識。精霊達から聞けるなら、それはありがたいと思えた。
おそらく、本で読むより事実を教えてくれるだろう。
『この世界は天空神とも呼ばれる、女神メルレールに創られた。お前が親しくする精霊の巫女は、女神の血族だ。あの娘と共にいるなら、知っておくべきだろう』
この先、巻き込まれていくのだから、知識がなければ巫女を守れない。
そう思っていたことを精霊達は言わなかった。言わなくても、彼は巫女のために首を突っ込むと思えたからだ。
知識を与えるだけでいい。それだって、最小限でいいだろうと思っていた。彼はそれだけで察することができる。そんな確信があった。
なんと曲者なのだろうか、と精霊は内心思う。彼が本来の力を発揮すれば、南の国も少しはマシになるだろう。
もったいないとすら思えたが、国より巫女を大切に想うからこそ、今この場にいるのだ。これからを思えば感謝すら覚える。
『世界の成り立ちはどれほど知っているのか』
一先ず、彼の知識がどれほどなのかを知ることが必要だ。南の大陸には知識がまともにない。あまり期待していなかったのだが、彼は思っていたより知っているようだ。
話を聞きながら驚かされた。
『南にそれほどの知識はないと思っていたが』
「あぁ、戦ばっかで古い書物は燃えてしまったからな。基本的には外からもたらされた本しかない」
国には本など多くは置いていない。城の中ですら、あるのはシュスト国の記録が基本。建国されてからの記録や、建国までなにがあったか。
自国に関する歴史ならいくらでも残されている。逆に言えば、それ以外はほとんど残されていない。
砂漠の中央に存在するシュスト国は、貿易に関しても上手くはいっていなかった。外から仕入れるということをしても、そのほとんどが食料。
本などにお金を使う余裕がない。生活を維持するので精一杯だ。
「けど、俺に知識を与えてくれた奴がいたんだ」
そんな国で育ったヴェルトがある程度の知識を持つのは、とある出会いがあったから。
その出会いは、精霊の巫女であるリーシュが暮らす地を訪ねようとしたときだ。砂漠を越えた辺りで出会った。
「傭兵組合に所属しているハーフエルフだったかな。確かそう言ってた。名前までは聞いてねぇけど」
少し見て回るつもりで、これから砂漠越えするのだと言っていたハーフエルフ。偶然の出会いだったが、妙に意気投合したのは忘れない。
一晩だけと言いながら数日を共にしてしまったほどだ。
『ふむ。砂漠地帯には傭兵組合の支部がなかったか。支部を作れないか、見に来たのかもしれないな』
「傭兵組合の支部…」
「そういえば、東の傭兵組合は各地に支部があるという話でしたね。砂漠地帯にはないですが、南にもあるはずです」
トレセスは思いだしたように言えば、精霊がそうだと言う。
『傭兵組合とは、北のバルスデ王国で英雄王と呼ばれていた者が立ち上げた組織。今では世界の情報を幅広く集めている』
裏では北の大国と繋がっているのでは、とまで言われているが、実際に繋がりはない。ただ、北の大国で騎士団長をしていた者が、組織を大きくしただけのこと。
南の拠点を増やしたかったのかと、ヴェルトは納得したように頷く。砂漠地帯のどこかに、支部を作ることで情報を得たかったのかもしれない。
けれど、それはできなかっただろう。あの兄が許すわけがないとわかっていた。
「なら、そいつのくれた知識に問題はないと見ていいか」
『問題なかろう。この地の者からだと、真実を知っている者ではないかもしれないが、傭兵達は知っているはずだ』
これだけ知っているなら、今のところ問題はないとすら精霊は思っている。精霊の巫女に関する情報を与えるぐらいでいいだろう。
与えすぎてもいけない。与えすぎなくても、彼は知識を得る場にさえ行ければ自力で得る。
『では、神々や巫女の家系についてだけ話そう』
供としているトレセスの知識面は少しばかり気になったが、精霊からすればおまけ。なにかあればヴェルトが教えればいいと、考えることを放棄した。
なによりも、主に似た騎士だと気付いてしまったのだ。見た目で判断できる人間ではないと。
精霊と人間では知識が違う。伝え方などに違いがあるはずだという前置きをして、精霊はこの世界の神々について話す。
『女神メルレールには二人の子供がいた。太陽神と月神である』
現在この世界は太陽神によって支えられている。聞かされた言葉に、ヴェルトはどういうことだと言うように前を見た。
創った女神と月神はどうしたのかと言いたいのだ。疑問には、精霊がすぐさま応える。
『女神メルレールは罪を犯した。その命を持ってして、罪を贖った』
「つまり、死んだわけか。それで、月神もなんらかの理由で死んでいる」
だから太陽神だけなのだな、と彼は言った。間違いではないだけに、風が頬を撫でる形で応える。
「ふーん。神も万能ではないってことか。死ぬぐらいだからな」
「ヴェルト様」
苦笑いを浮かべながらトレセスが、もう少し発言に気を付けろと言いたげに視線を向けた。今は友好的だが、精霊達の機嫌を損ねるわけにはいかない。
損ねれば、なにをされるかわからないのだ。自分達など、あっという間に殺されてしまうだろう。
この世界で、人間ほどちっぽけな存在はない。トレセスはそう思っていた。
『気にするな。事実である』
「だとよ。精霊達がいいって言うなら、いいんだろ」
わかりましたというように降参の仕草を見せる。あとは彼に任せるというところだろう。
この場のやり取りはヴェルトに任せ、理解ができなかったところはあとから聞く。一先ずそれで問題ないかと聞くだけの体制になる。
『伴侶には女神の名が与えられ、太陽神には虹の女神という伴侶がいる。二人の孫娘が初代精霊の巫女となる』
「なるほど。だから精霊の声が聞こえるってことか。神様とやらは、当然あんたらとやり取りできるんだろうから」
精霊が自分達の上位として神を扱っているなら、当然ながら声も聞こえているはず。
どのような関係性なのか。思わずそんなことを考えてしまったが、そこまで興味もなかったので問いかけることまではしない。
神と精霊の関係など、正直自分には関係ないことだ。気にかける必要性などない。
『面白い男だ』
考えていることを見透かしているように言うと、さすがに怪訝そうな表情を浮かべた。
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