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3部 永久の歌姫編
副団長ソニア
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朝陽が昇る頃、静まり返った訓練場に彼女はいた。腰まで伸ばされた銀色の髪をひとつにまとめ、草原のような黄緑色の瞳は鋭く前を見る。
セイレーンなら当たり前である一対の白い翼は折りたたまれていて、彼女は浮くではなく立っていた。
本来、セイレーンとは常に浮いている一族である。翼に魔力があり、当たり前のように浮くことを覚えるのだ。
その関係で、翼を失ったセイレーンは動けなくなって死んでしまうし、一族の中で笑い者にもされてしまう。生き残れたとしても、それに耐えられず自害することも珍しくなかった。
これが改善されたのは三千年前、北の大国と国交ができてからだ。
地上戦を苦手としていたセイレーン達。ハーフエルフの傭兵達を招くことで、地上戦に慣れさせると同時に、歩くことも訓練した。
結果、現在のセイレーン達は歩くことも可能となり、騎士達は地上戦をハーフエルフと変わらないレベルで行える。
魔物との戦いを考えれば、それは大変助かることだ。もしも地上戦ができなかったら、魔物との戦いに苦戦を強いられたことは間違いがない。
天空騎士団に所属するソニア・フォーランは、鋭く見ていた的へ目掛けて銀色の閃光を閃かす。
わずか一歩踏み込んだだけ。踏み込んだときには、的は真っ二つ。
ふうと息を吐くと、剣を鞘へ戻す。視線を前へ戻せば、真っ二つになった的は十もある。すべてを一撃で行ったのだ。
「さすがだね、ソニア」
「ルアナ様…見ていらっしゃったんですか」
気配もなく立っている女性に、いつからそこにいたのかと思わなくない。
天空騎士団の団長でもあるルアナ・サーランドは、現在の騎士団では最強の騎士だ。彼女に勝てる騎士は、今のところメリシル国にはいないと言われている。
神官騎士の中にも、彼女より強い者はいないということ。
「しっかりと寝た? アクア様は遅くまで起きていたでしょう」
「三時間ほどは寝られたかと」
確かに遅くまで起きていたが、それは星視をしていたからと知っている。だから、終わるまではひそかに見ていたのだ。
護衛だからではなく、個人的にもソニアは守りたいと思っていたから。
寝不足かと問われれば、確かに睡眠は不足しているかもしれないと答える。
けれど、それが職務へ支障が出るかと問われれば、出ないとソニアは言い切れた。職務へ支障が出るような真似は、絶対にしない。
してはいけないのだ。アクアを守るために。
「問題はありませんよ」
「わかってる。あなたはそういう人よね」
困ったものだと言いながらも、職務に問題がないからなにも言わないというのがルアナの本音である。自己管理はしっかりしているのがソニアなのだ。
「どう、念願の護衛を手に入れた感想」
彼女はそのために騎士となったと言っても過言ではない。アクアの護衛になりたくて、騎士を目指したのだ。
それをルアナは誰よりも知っている。ずっと見てきたのだから。
「大変ではない?」
今まで、何人もの護衛がついてきた。その度に護衛達は振り回されて苦労していたのだ。
振り回された中には、当然というかルアナも含まれる。彼女の場合は、アクアの護衛としてではなく女王の護衛として振り回されていた。
まだ王女だった頃、シルベルトと三人で遊んでいたときのことだ。
「大変ではないですよ。私は、あのお方が伸び伸びと過ごせるように手助けするだけです」
微笑みすら浮かべる姿に、驚いたのはルアナの方だ。
この国ではアクアを女神様と呼ぶほどに好きな者が多い。けれど、ソニアの感情はどことなくそれらとは違う。
なにか特別な感情があるように思われた。
「あなたにとって、アクア様は特別なのね」
「……はい。なにかあれば、命を投げ出すことも惜しくはないほどです。アクア様が喜ばないのでやりませんが」
そんなことをしたら、死んでいるとわかっていても身体を揺さぶりながら怒鳴るだろう。
滅多にないことだが、彼女でも怒鳴ることがあるのだ。ソニアはそのことを知っている。見たことがあるから。
「それほどの覚悟があるのなら、いざというときはあなたについて行ってもらおうかな」
月神が転生した。この先待っているのは、世界の危機となるなんらかの出来事で、昨夜の話からすれば外からの攻撃となる。
戦いにはアクアも参加するのだろう。女王が手を貸さないわけがない。
代々、王族はアクアと親しくしている。彼女が出入りしている場所であり、あの性格が大きいのも事実なのだが。
そんな中でも現在の女王は特に親しくしていたし、恩も感じていた。
「陛下も、どことなく特別視している気はしていましたが」
世界の危機かもしれないが、おそらく北の大国が関わってくる。そうなれば、メリシル国が関わる必要はないと思うのが正直なところ。
北の大国は世界一の騎士国だ。戦力に関してはメリシル国などでは歯が立たないだろう。
それほど、雲泥の差があるのだ。
だからこそ、わざわざこちらへ援助を申し出ることはないだろう。なにせ、あちらには予言の内容が伝わっているのだから。
「シルベルト様、孤児なのよ。だから、さすがに陛下の夫になるのはって反対されてね。アクア様が間に入ったと聞いてるわ」
当時は副団長という立場であったことから、詳しいことは知らない。けれどアクアが関わっていることだけは、女王の話から察することができる。
なによりも、彼女以外で動かせる者などいないだろう。
本人は自覚していないが、アクアの力はとてつもなく大きい。彼女がなにかを発言すれば、それが大体は通ってしまうほどに。
だからこそ、シルベルトが神官になれたなら容認して、という言葉に頷いた。反対していた者達は、おそらくだがなれるわけがないと思っていただろう。
素行も悪いシルベルトが、神官になどなれるわけがないと。
「で、陛下がシルベルト様にそれを告げたところ、大喧嘩。あれは今でも忘れない」
盛大にため息をつく姿に、どれほど酷かったのかと問いかけたくなった。
(いえ、聞かない方がいいわね)
世の中、知らなくていいこともある。いや、知らなくていいことの方が多いかもしれない。
「アクア様は笑ってて止めてくれないし」
殴り合いは始まるしで、最終的に止めたのはルアナだった。
「でも、アクア様が間に入らなかったら、陛下は別の誰かと婚姻するしかなかったでしょうから」
幼い頃から互いを想っていた二人を知っているルアナとしては、アクアに感謝している。女王とシルベルトも同様で、だからこそ可能な限りの手助けをしたいと思っているのだ。
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セイレーンなら当たり前である一対の白い翼は折りたたまれていて、彼女は浮くではなく立っていた。
本来、セイレーンとは常に浮いている一族である。翼に魔力があり、当たり前のように浮くことを覚えるのだ。
その関係で、翼を失ったセイレーンは動けなくなって死んでしまうし、一族の中で笑い者にもされてしまう。生き残れたとしても、それに耐えられず自害することも珍しくなかった。
これが改善されたのは三千年前、北の大国と国交ができてからだ。
地上戦を苦手としていたセイレーン達。ハーフエルフの傭兵達を招くことで、地上戦に慣れさせると同時に、歩くことも訓練した。
結果、現在のセイレーン達は歩くことも可能となり、騎士達は地上戦をハーフエルフと変わらないレベルで行える。
魔物との戦いを考えれば、それは大変助かることだ。もしも地上戦ができなかったら、魔物との戦いに苦戦を強いられたことは間違いがない。
天空騎士団に所属するソニア・フォーランは、鋭く見ていた的へ目掛けて銀色の閃光を閃かす。
わずか一歩踏み込んだだけ。踏み込んだときには、的は真っ二つ。
ふうと息を吐くと、剣を鞘へ戻す。視線を前へ戻せば、真っ二つになった的は十もある。すべてを一撃で行ったのだ。
「さすがだね、ソニア」
「ルアナ様…見ていらっしゃったんですか」
気配もなく立っている女性に、いつからそこにいたのかと思わなくない。
天空騎士団の団長でもあるルアナ・サーランドは、現在の騎士団では最強の騎士だ。彼女に勝てる騎士は、今のところメリシル国にはいないと言われている。
神官騎士の中にも、彼女より強い者はいないということ。
「しっかりと寝た? アクア様は遅くまで起きていたでしょう」
「三時間ほどは寝られたかと」
確かに遅くまで起きていたが、それは星視をしていたからと知っている。だから、終わるまではひそかに見ていたのだ。
護衛だからではなく、個人的にもソニアは守りたいと思っていたから。
寝不足かと問われれば、確かに睡眠は不足しているかもしれないと答える。
けれど、それが職務へ支障が出るかと問われれば、出ないとソニアは言い切れた。職務へ支障が出るような真似は、絶対にしない。
してはいけないのだ。アクアを守るために。
「問題はありませんよ」
「わかってる。あなたはそういう人よね」
困ったものだと言いながらも、職務に問題がないからなにも言わないというのがルアナの本音である。自己管理はしっかりしているのがソニアなのだ。
「どう、念願の護衛を手に入れた感想」
彼女はそのために騎士となったと言っても過言ではない。アクアの護衛になりたくて、騎士を目指したのだ。
それをルアナは誰よりも知っている。ずっと見てきたのだから。
「大変ではない?」
今まで、何人もの護衛がついてきた。その度に護衛達は振り回されて苦労していたのだ。
振り回された中には、当然というかルアナも含まれる。彼女の場合は、アクアの護衛としてではなく女王の護衛として振り回されていた。
まだ王女だった頃、シルベルトと三人で遊んでいたときのことだ。
「大変ではないですよ。私は、あのお方が伸び伸びと過ごせるように手助けするだけです」
微笑みすら浮かべる姿に、驚いたのはルアナの方だ。
この国ではアクアを女神様と呼ぶほどに好きな者が多い。けれど、ソニアの感情はどことなくそれらとは違う。
なにか特別な感情があるように思われた。
「あなたにとって、アクア様は特別なのね」
「……はい。なにかあれば、命を投げ出すことも惜しくはないほどです。アクア様が喜ばないのでやりませんが」
そんなことをしたら、死んでいるとわかっていても身体を揺さぶりながら怒鳴るだろう。
滅多にないことだが、彼女でも怒鳴ることがあるのだ。ソニアはそのことを知っている。見たことがあるから。
「それほどの覚悟があるのなら、いざというときはあなたについて行ってもらおうかな」
月神が転生した。この先待っているのは、世界の危機となるなんらかの出来事で、昨夜の話からすれば外からの攻撃となる。
戦いにはアクアも参加するのだろう。女王が手を貸さないわけがない。
代々、王族はアクアと親しくしている。彼女が出入りしている場所であり、あの性格が大きいのも事実なのだが。
そんな中でも現在の女王は特に親しくしていたし、恩も感じていた。
「陛下も、どことなく特別視している気はしていましたが」
世界の危機かもしれないが、おそらく北の大国が関わってくる。そうなれば、メリシル国が関わる必要はないと思うのが正直なところ。
北の大国は世界一の騎士国だ。戦力に関してはメリシル国などでは歯が立たないだろう。
それほど、雲泥の差があるのだ。
だからこそ、わざわざこちらへ援助を申し出ることはないだろう。なにせ、あちらには予言の内容が伝わっているのだから。
「シルベルト様、孤児なのよ。だから、さすがに陛下の夫になるのはって反対されてね。アクア様が間に入ったと聞いてるわ」
当時は副団長という立場であったことから、詳しいことは知らない。けれどアクアが関わっていることだけは、女王の話から察することができる。
なによりも、彼女以外で動かせる者などいないだろう。
本人は自覚していないが、アクアの力はとてつもなく大きい。彼女がなにかを発言すれば、それが大体は通ってしまうほどに。
だからこそ、シルベルトが神官になれたなら容認して、という言葉に頷いた。反対していた者達は、おそらくだがなれるわけがないと思っていただろう。
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盛大にため息をつく姿に、どれほど酷かったのかと問いかけたくなった。
(いえ、聞かない方がいいわね)
世の中、知らなくていいこともある。いや、知らなくていいことの方が多いかもしれない。
「アクア様は笑ってて止めてくれないし」
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「でも、アクア様が間に入らなかったら、陛下は別の誰かと婚姻するしかなかったでしょうから」
幼い頃から互いを想っていた二人を知っているルアナとしては、アクアに感謝している。女王とシルベルトも同様で、だからこそ可能な限りの手助けをしたいと思っているのだ。
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