86 / 276
2部 二刀流の魔剣士編
光の英雄
しおりを挟む
陽射しの強さが変わらない中、イリティスが用意した紅茶を飲むグレン。お酒も用意されていたが、さすがになにがあるかわからないからとやめている。
飲んだところで酔わないので問題はないのだが、これは傭兵の頃からの癖だ。
「バルスデへ全員が集まったとき、イリティスのお陰もあってシオンの抱える問題が解決した」
それによってすべてを知ることができたと話しだす。
それは彼らにとって衝撃的な話でもある。
「シオンとリオンは、女神メルレールの息子。つまり、人間が神になったのではなく、本当に女神の子だという事実から話された」
さすがに三人ともが驚きで止まったのを見て、飲み込むまで待つ。
そう時間はかからずに先を促してきたのを見て、イリティスとグレンは顔を見合わせて頷く。
「魔物は当時、罪深き女神の子とシオンを呼んでいた」
言われた通り、この世界を創った女神は罪深い存在。
本来なら深く関わってはいけない、自らの一部から創った人間へ恋をし、子供を産んだ。そこで止めていればまだよかったが、女神は止まらなかった。
世界を創り、この世界では絶対の存在である女神。その女神は恋をした男性を不死にしてしまった。
そして、自分の子供であるシオンとリオンを捨ててしまったのだ。
「捨てた……」
その一言は、想像以上に重く感じられる。捨てられた中には、世界も含まれている気がしたからだ。
「南のアーリアス大陸の片隅で育てられていた。もしかしたら、ある程度したらそのまま人里で暮らさせるつもりだったのかもしれないな」
普通の人間として育てられていたことから、自立するまで女神は傍にいるが、それ以降は関わらないという考えもあったかもしれない。
女神の力を継いではいたが、その力は聖獣と聖鳥という形で封じられていた。
「そのまま力だけ封じておけば、人間の中に混ざっていてもいいということですね」
確かに、そのままうまくできていればよかったのかもしれない。
そうならなかったから、今があるのだということだけが気になることだ。女神がやってしまったこと。その結果、英雄と呼ばれる彼がどれほど苦しんだのか気になった。
「女神は恋をした男と過ごす生活だけするようになった。シオンは、突然いなくなった母親を捜しに行ったと言っていた」
母親を捜す旅の最中、魔物が現れるようになったという。そしてある日、突然空から光が降ってきたのだと。
『俺達は、突然目を覚ました。多分、女神が己の力、その一部を切り離したことが原因だ』
本来なら女神が管理していたはずの聖獣。その管理が緩くなったことにより、なにかがあったと察した。
情報を集めた結果、女神は変わり果てた男性に傷ついて姿を隠してしまったということ。変わってしまったのは、この世界がいけないと思い壊そうとしていることに気付いてしまったのだ。
「ちょっと待て……嫌な予感がするんだが」
シュレの表情は引きつっている。
『遥か昔に現れた魔王、それは女神がこの世界を壊そうとして送り込んだ魔物だ』
考えを肯定するようにヴェガが言えば、三人ともが絶句した。そのようなことがあるのかと言うように。
女神が自分の創った世界を壊そうとするなど、信じられないと。
今、三人が感じているだろう気持ち。それはグレンとイリティスも理解出来る。
聞いた当時、二人だって思っていたことだ。こんなこと信じられないと。そんなことがあるなんて思いたくないと。
当然だ。女神信仰がなくなったとはいえ、それでも神という概念は残っている。神が壊そうとするなど、普通なら思いたくないことだろう。
「続きを聞かせてくれ」
それでもさすがだと思えたのは、事実として受け入れることが出来ることだろうか。
『俺達は、一部を黙秘してシオンとリオンにどうにかしてもらおうと思った。簡潔に言えば、母親のやろうとしていることを息子にどうにかしろ、という決断をした。するしかなかった』
でなければ、世界が滅んでしまうからだ。それだけは阻止したかった。
「聞いてもいいですか。なぜ、女神が壊そうとしているものを防ごうと思ったのでしょうか」
本来なら、それは女神の意向に逆らうことではないのか。いくらシオンとリオンの力から作られたからといって、そのようなことをしてもいいのかがわからない。
『俺達にだって、やっていいこととダメなことぐらいわかる。と、言いたいところなんだが』
そういうわけでもないとヴェガは言う。
力の塊のような存在でもある二匹は、作られたまま眠っていた。眠っていたということが、力が封じられている証でもある。
目を覚ましたことにより、封印は解かれてしまった。
『精霊達の声が無尽蔵に聞こえてくる。女神が行おうとしていることは罪だと言う。そこに、俺達の主となる二人の気持ちが流れ込んできた』
女神が母親だと知らない二人の気持ち。女神にたいしての気持ちや母親への想い。
それらを感じたとき、これ以上の罪を犯さないよう止めなければいけないと思ったのだ。
「そうか……主のためというわけで」
「それをできるのが主だけというわけですね」
唯一悩んだのが、女神の子供ということをどうしたらいいのか。いつ説明すべきかと思っていたことだと言う。
こればかりはずっと秘密にすることはできないのではないか。けれど、力を自分達が与えたということにすればいいと結論付けて動き出した二匹。
力を抑える存在として作られた聖獣。ヴェガにはなんの知識も与えられてはいない。
だからこそわからなかった。主となるリオンがどういう存在になるのか。
『もしかすると、女神にとっても想定外な存在かもしれない』
ただの子供としてしか思っていなかっただろう。女神と同じ存在になるなど思いもしなかったことだと、ヴェガは思っている。
『俺達は偽った。空に四つの光が見えたと精霊から聞いたから、それらは女神の力。世界が荒れたことで悲しんで分かれたのだと』
女神が好きだったシオンと、そんなシオンのためならなんでもやってくれるリオンを動かすためにだ。
その結果が七英雄の物語。
「俺達は女神の罪を知り、シオンが本当の意味で神だったと知った。シオンに干渉していた何者かがいて、それがシオンの父親になることも」
魔物の異変に関しては、外からの干渉だという考えだとシオンから聞いたのもそのときだ。
外があるなど、このときまで考えもしなかったことだった。
・
飲んだところで酔わないので問題はないのだが、これは傭兵の頃からの癖だ。
「バルスデへ全員が集まったとき、イリティスのお陰もあってシオンの抱える問題が解決した」
それによってすべてを知ることができたと話しだす。
それは彼らにとって衝撃的な話でもある。
「シオンとリオンは、女神メルレールの息子。つまり、人間が神になったのではなく、本当に女神の子だという事実から話された」
さすがに三人ともが驚きで止まったのを見て、飲み込むまで待つ。
そう時間はかからずに先を促してきたのを見て、イリティスとグレンは顔を見合わせて頷く。
「魔物は当時、罪深き女神の子とシオンを呼んでいた」
言われた通り、この世界を創った女神は罪深い存在。
本来なら深く関わってはいけない、自らの一部から創った人間へ恋をし、子供を産んだ。そこで止めていればまだよかったが、女神は止まらなかった。
世界を創り、この世界では絶対の存在である女神。その女神は恋をした男性を不死にしてしまった。
そして、自分の子供であるシオンとリオンを捨ててしまったのだ。
「捨てた……」
その一言は、想像以上に重く感じられる。捨てられた中には、世界も含まれている気がしたからだ。
「南のアーリアス大陸の片隅で育てられていた。もしかしたら、ある程度したらそのまま人里で暮らさせるつもりだったのかもしれないな」
普通の人間として育てられていたことから、自立するまで女神は傍にいるが、それ以降は関わらないという考えもあったかもしれない。
女神の力を継いではいたが、その力は聖獣と聖鳥という形で封じられていた。
「そのまま力だけ封じておけば、人間の中に混ざっていてもいいということですね」
確かに、そのままうまくできていればよかったのかもしれない。
そうならなかったから、今があるのだということだけが気になることだ。女神がやってしまったこと。その結果、英雄と呼ばれる彼がどれほど苦しんだのか気になった。
「女神は恋をした男と過ごす生活だけするようになった。シオンは、突然いなくなった母親を捜しに行ったと言っていた」
母親を捜す旅の最中、魔物が現れるようになったという。そしてある日、突然空から光が降ってきたのだと。
『俺達は、突然目を覚ました。多分、女神が己の力、その一部を切り離したことが原因だ』
本来なら女神が管理していたはずの聖獣。その管理が緩くなったことにより、なにかがあったと察した。
情報を集めた結果、女神は変わり果てた男性に傷ついて姿を隠してしまったということ。変わってしまったのは、この世界がいけないと思い壊そうとしていることに気付いてしまったのだ。
「ちょっと待て……嫌な予感がするんだが」
シュレの表情は引きつっている。
『遥か昔に現れた魔王、それは女神がこの世界を壊そうとして送り込んだ魔物だ』
考えを肯定するようにヴェガが言えば、三人ともが絶句した。そのようなことがあるのかと言うように。
女神が自分の創った世界を壊そうとするなど、信じられないと。
今、三人が感じているだろう気持ち。それはグレンとイリティスも理解出来る。
聞いた当時、二人だって思っていたことだ。こんなこと信じられないと。そんなことがあるなんて思いたくないと。
当然だ。女神信仰がなくなったとはいえ、それでも神という概念は残っている。神が壊そうとするなど、普通なら思いたくないことだろう。
「続きを聞かせてくれ」
それでもさすがだと思えたのは、事実として受け入れることが出来ることだろうか。
『俺達は、一部を黙秘してシオンとリオンにどうにかしてもらおうと思った。簡潔に言えば、母親のやろうとしていることを息子にどうにかしろ、という決断をした。するしかなかった』
でなければ、世界が滅んでしまうからだ。それだけは阻止したかった。
「聞いてもいいですか。なぜ、女神が壊そうとしているものを防ごうと思ったのでしょうか」
本来なら、それは女神の意向に逆らうことではないのか。いくらシオンとリオンの力から作られたからといって、そのようなことをしてもいいのかがわからない。
『俺達にだって、やっていいこととダメなことぐらいわかる。と、言いたいところなんだが』
そういうわけでもないとヴェガは言う。
力の塊のような存在でもある二匹は、作られたまま眠っていた。眠っていたということが、力が封じられている証でもある。
目を覚ましたことにより、封印は解かれてしまった。
『精霊達の声が無尽蔵に聞こえてくる。女神が行おうとしていることは罪だと言う。そこに、俺達の主となる二人の気持ちが流れ込んできた』
女神が母親だと知らない二人の気持ち。女神にたいしての気持ちや母親への想い。
それらを感じたとき、これ以上の罪を犯さないよう止めなければいけないと思ったのだ。
「そうか……主のためというわけで」
「それをできるのが主だけというわけですね」
唯一悩んだのが、女神の子供ということをどうしたらいいのか。いつ説明すべきかと思っていたことだと言う。
こればかりはずっと秘密にすることはできないのではないか。けれど、力を自分達が与えたということにすればいいと結論付けて動き出した二匹。
力を抑える存在として作られた聖獣。ヴェガにはなんの知識も与えられてはいない。
だからこそわからなかった。主となるリオンがどういう存在になるのか。
『もしかすると、女神にとっても想定外な存在かもしれない』
ただの子供としてしか思っていなかっただろう。女神と同じ存在になるなど思いもしなかったことだと、ヴェガは思っている。
『俺達は偽った。空に四つの光が見えたと精霊から聞いたから、それらは女神の力。世界が荒れたことで悲しんで分かれたのだと』
女神が好きだったシオンと、そんなシオンのためならなんでもやってくれるリオンを動かすためにだ。
その結果が七英雄の物語。
「俺達は女神の罪を知り、シオンが本当の意味で神だったと知った。シオンに干渉していた何者かがいて、それがシオンの父親になることも」
魔物の異変に関しては、外からの干渉だという考えだとシオンから聞いたのもそのときだ。
外があるなど、このときまで考えもしなかったことだった。
・
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
家族で冒険者になろう
ゆぃ♫
ファンタジー
ある日何も無い日常から、ファンタジーに少しずつ変わっていくお話
平凡日常系ファンタジーです。
虫の魔物などが出る予定なので苦手な方はタイトルで読み飛ばしてください。
拙い文章ですが読んでいただけると幸いです。月曜日に不定期に配信します。
【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!
O.T.I
ファンタジー
★本編完結しました!
★150万字超の大長編!
何らかの理由により死んでしまったらしい【俺】は、不思議な世界で出会った女神に請われ、生前やり込んでいたゲームに酷似した世界へと転生することになった。
転生先はゲームで使っていたキャラに似た人物との事だったが、しかしそれは【俺】が思い浮かべていた人物ではなく……
結果として転生・転性してしまった彼…改め彼女は、人気旅芸人一座の歌姫、兼冒険者として新たな人生を歩み始めた。
しかし、その暮らしは平穏ばかりではなく……
彼女は自身が転生する原因となった事件をきっかけに、やがて世界中を巻き込む大きな事件に関わることになる。
これは彼女が多くの仲間たちと出会い、共に力を合わせて事件を解決し……やがて英雄に至るまでの物語。
王道展開の異世界TS転生ファンタジー長編!ここに開幕!!
※TS(性転換)転生ものです。精神的なBL要素を含みますので、苦手な方はご注意ください。
聖女の姉ですが、宰相閣下は無能な妹より私がお好きなようですよ?
渡邊 香梨
ファンタジー
コミックシーモア電子コミック大賞2025ノミネート! 11/30まで投票宜しくお願いします……!m(_ _)m
――小説3巻&コミックス1巻大好評発売中!――【旧題:聖女の姉ですが、国外逃亡します!~妹のお守りをするくらいなら、腹黒宰相サマと駆け落ちします!~】
12.20/05.02 ファンタジー小説ランキング1位有難うございます!
双子の妹ばかりを優先させる家族から離れて大学へ進学、待望の一人暮らしを始めた女子大生・十河怜菜(そがわ れいな)は、ある日突然、異世界へと召喚された。
召喚させたのは、双子の妹である舞菜(まな)で、召喚された先は、乙女ゲーム「蘇芳戦記」の中の世界。
国同士を繋ぐ「転移扉」を守護する「聖女」として、舞菜は召喚されたものの、守護魔力はともかく、聖女として国内貴族や各国上層部と、社交が出来るようなスキルも知識もなく、また、それを会得するための努力をするつもりもなかったために、日本にいた頃の様に、自分の代理(スペア)として、怜菜を同じ世界へと召喚させたのだ。
妹のお守りは、もうごめん――。
全てにおいて妹優先だった生活から、ようやく抜け出せたのに、再び妹のお守りなどと、冗談じゃない。
「宰相閣下、私と駆け落ちしましょう」
内心で激怒していた怜菜は、日本同様に、ここでも、妹の軛(くびき)から逃れるための算段を立て始めた――。
※ R15(キスよりちょっとだけ先)が入る章には☆を入れました。
【近況ボードに書籍化についてや、参考資料等掲載中です。宜しければそちらもご参照下さいませ】
さようなら、私の初恋。あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる