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48・お嬢様、全てを知る。
12最終決戦が始まる。
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「! …………状況確認を優先いたしませんこと?」
「……、その方が良さそうだ」
指が鳴った瞬間にアンナ夫人とキャロライン嬢が起き上がり一瞬でお互いに構えて対峙するが、アンナ夫人から停戦を申し出てキャロライン嬢がそれを受ける。
「……なっ、こりゃどういう――」
「ウォール! 良かった元気になったな!」
ほぼ同時にウォール氏が目覚めて、竜の女王が大喜びで抱きつく。
「……グロリア様、ご心配おかけし――――なんだあのデカ女ぁ⁉」
「アーチ! 女性に向かって失礼ですのよ!」
さらにほぼ同時、アーチさんが目覚めてグロリアに挨拶しようとしたところで女神を見て驚愕しグロリアが叱りつける。
倒れていた面々が、復活した。
魔法、しかもマーク様やナインを治した時より強力な回復魔法だ。
「話が早くて助かるわ、戦力は多いに越したことはないからね。まあ賢し過ぎて気に入らないけど」
リリィさんがそれを見て、魔法を使ったサムさんにそう言うと。
「素晴らしい……、とても素晴らしいですね」
うっとりと、一連の流れを見ていた女神が口を開く。
「是非に私と遊んでください。とても嬉しいです。感謝いたします。ありがとう」
満面の笑みで女神は感謝を伝える。
戯れ。
私たちの宣戦布告は、児戯に等しいようだ。
「では、私も試練を与えます。これを超えて、私に触れてください」
女神がそう言うと、何かガラスの壁というかバリアのようなものが層を成して女神と私たちを隔てる。
「遊びましょう、私はこの為にこの世界を造ったのです」
嬉しそうに、楽しそうに、女神は心躍らせて宣戦布告を受け入れた。
全員の空気が変わる。
ナインがジャケットの内側に手を伸ばし。
アンナ夫人が刀に手をかけて。
キャロライン嬢が構えて。
アーチさんがグロリアを背に隠し。
バルカード侯爵が盾を構え。
シェル氏が剣を抜き。
シャリフさんがワイヤーを伸ばし。
ロバート氏がネクタイを緩め。
アーチさんのお姉さんが銃を抜き。
ルーシィがルチャマスクを被り。
クリスティーナ嬢が狙いを定め。
ウォール氏が剣を構え。
竜の女王が爪を伸ばし。
魔女は両手を広げ。
聖女は祈り続けた。
その時。
「……ちょっ、ちょおおおおおっと待ったあっ‼」
私は凄まじい緊張感の中、声を上げる。
全員の視線が一気に私に集まる。
いやごめーん、本当に、いやマジに。
でも、それでも。
「作戦会議、あり?」
私は女神に、問いかける。
我ながらぶっとんだ行動だと思う、奇行を通り越して凶行だ。
でも大事なことなんだ。
これは世界が終わるかの瀬戸際、ノリで始めていいことじゃあない。
少しでも、無駄でも、勝率を成功率を上げる行動を取るべきだ。
「はい、有りですよ」
何も気にする様子もなく、女神はそう答えた。
よし、まあ時間の概念がない世界の外から来た女神様だ。多少の時間はくれるというか、気にするとは思ってなかった。
そうなったら、即行動だ。
「総員集合っ! 作戦会議するよー! ほら聖女様も動いて、こっち来て! 女神と触れ合うチャンスだよー!」
私は部屋の全員に大声で呼びかける。
ここには魔女も竜の女王も暗殺者も悪の組織も国王様も聖女も騎士団長もいるんだ。
優秀な脳みそは、使った方がいいしサムさんが起こした面々に状況の共有もした方がいいだろう。
よかったー、ギリギリ気づいて。
「お、おまえマジに凄いな……いやもう、尊敬の域だぞ……」
全員が部屋の真ん中へ集まる中、ナインがドン引きしながら私に言った。
まあ、褒め言葉として受け取っておこう。
こうして全てを知った私たちは作戦会議を行い。
そして、いよいよ。
この物語における本当に本当のクライマックス。
世界の命運をかけた、最終決戦が始まる。
「……、その方が良さそうだ」
指が鳴った瞬間にアンナ夫人とキャロライン嬢が起き上がり一瞬でお互いに構えて対峙するが、アンナ夫人から停戦を申し出てキャロライン嬢がそれを受ける。
「……なっ、こりゃどういう――」
「ウォール! 良かった元気になったな!」
ほぼ同時にウォール氏が目覚めて、竜の女王が大喜びで抱きつく。
「……グロリア様、ご心配おかけし――――なんだあのデカ女ぁ⁉」
「アーチ! 女性に向かって失礼ですのよ!」
さらにほぼ同時、アーチさんが目覚めてグロリアに挨拶しようとしたところで女神を見て驚愕しグロリアが叱りつける。
倒れていた面々が、復活した。
魔法、しかもマーク様やナインを治した時より強力な回復魔法だ。
「話が早くて助かるわ、戦力は多いに越したことはないからね。まあ賢し過ぎて気に入らないけど」
リリィさんがそれを見て、魔法を使ったサムさんにそう言うと。
「素晴らしい……、とても素晴らしいですね」
うっとりと、一連の流れを見ていた女神が口を開く。
「是非に私と遊んでください。とても嬉しいです。感謝いたします。ありがとう」
満面の笑みで女神は感謝を伝える。
戯れ。
私たちの宣戦布告は、児戯に等しいようだ。
「では、私も試練を与えます。これを超えて、私に触れてください」
女神がそう言うと、何かガラスの壁というかバリアのようなものが層を成して女神と私たちを隔てる。
「遊びましょう、私はこの為にこの世界を造ったのです」
嬉しそうに、楽しそうに、女神は心躍らせて宣戦布告を受け入れた。
全員の空気が変わる。
ナインがジャケットの内側に手を伸ばし。
アンナ夫人が刀に手をかけて。
キャロライン嬢が構えて。
アーチさんがグロリアを背に隠し。
バルカード侯爵が盾を構え。
シェル氏が剣を抜き。
シャリフさんがワイヤーを伸ばし。
ロバート氏がネクタイを緩め。
アーチさんのお姉さんが銃を抜き。
ルーシィがルチャマスクを被り。
クリスティーナ嬢が狙いを定め。
ウォール氏が剣を構え。
竜の女王が爪を伸ばし。
魔女は両手を広げ。
聖女は祈り続けた。
その時。
「……ちょっ、ちょおおおおおっと待ったあっ‼」
私は凄まじい緊張感の中、声を上げる。
全員の視線が一気に私に集まる。
いやごめーん、本当に、いやマジに。
でも、それでも。
「作戦会議、あり?」
私は女神に、問いかける。
我ながらぶっとんだ行動だと思う、奇行を通り越して凶行だ。
でも大事なことなんだ。
これは世界が終わるかの瀬戸際、ノリで始めていいことじゃあない。
少しでも、無駄でも、勝率を成功率を上げる行動を取るべきだ。
「はい、有りですよ」
何も気にする様子もなく、女神はそう答えた。
よし、まあ時間の概念がない世界の外から来た女神様だ。多少の時間はくれるというか、気にするとは思ってなかった。
そうなったら、即行動だ。
「総員集合っ! 作戦会議するよー! ほら聖女様も動いて、こっち来て! 女神と触れ合うチャンスだよー!」
私は部屋の全員に大声で呼びかける。
ここには魔女も竜の女王も暗殺者も悪の組織も国王様も聖女も騎士団長もいるんだ。
優秀な脳みそは、使った方がいいしサムさんが起こした面々に状況の共有もした方がいいだろう。
よかったー、ギリギリ気づいて。
「お、おまえマジに凄いな……いやもう、尊敬の域だぞ……」
全員が部屋の真ん中へ集まる中、ナインがドン引きしながら私に言った。
まあ、褒め言葉として受け取っておこう。
こうして全てを知った私たちは作戦会議を行い。
そして、いよいよ。
この物語における本当に本当のクライマックス。
世界の命運をかけた、最終決戦が始まる。
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